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「吾、汝の言に反対す。されど吾、汝の、その言を言うの権利、死に至るまで擁護せん」。学生時代に出会った言葉です。政治をめぐる意見に賛成、反対はつきもの。お互いを尊重しつつ、意見を述べ合いたいものです。 ・
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ケリーの演説、ブッシュの演説。――何を話しているのか?
2004年 07月 26日
1つ前のエントリー、「NHK『2つのアメリカ』を見て、ふと、考えてみた。」の、その2。
番組で放送された共和党のブッシュ大統領、 民主党のケリー候補の 演説からいくつかを、文字に起こしてみた。 ほんのさわりのようなものなのだが、しかしそれぞれが、2人の 「サビ」と受け取れないこともなかった。 下記にカットしたのも放送された一部であるのだけれど、 御用とお急ぎでない方は、ご静聴のほどを。 ※※ ●ケリー氏――「止むを得ない戦争だけを戦う――、それが原則だ」 まず、チャレンジャーのケリー候補から。 「今こそ、(米国は)国際社会に立ち戻らなければならない。 イラクの民主化には力の行使だけでなく、外交にも力を注ぐべきだ」 「アメリカ大統領たるもの、むやみに兵を用いて、若者たちをいたずらに 戦地に赴かせてはならない。アメリカ単独で戦争に踏み切り、 国民の命を危険にさらすことなど、断じてあってはならないのです。 自分のしたい戦争を戦うのではなく、止むを得ない戦争だけを戦うのです。 これこそ、我がアメリカの原則であったはずです」 「強大な力を持っているからこそ、他の国と手を携える――、 それこそアメリカの歩む道なのです」 「ブッシュ大統領が安全保障を争点にするなら、私が相手だ。 かかって来い!かかって来い!」 「ブッシュ大統領は錯誤に次ぐ錯誤を重ねてきたのです。 失敗国家をそのままにしてはおけないのです」 ●ブッシュ大統領――「自由の理念は広がっても、油断してはいけない」 ブッシュ氏は、どう、受けて立っているのか――。 「イラクが自由の地に生まれ変われば、テロリストたちは拠点を奪われる。 中東の地に改革の嵐が巻き起こるだろう」 「海の向こうで、アメリカへの脅威が高まっているのに、座して待ってはいけないのです。 これこそ9・11の教訓だったのです」 「世界を率いるアメリカの指導力――。この一点にこそ、 私たちの未来がかかっています。 自由の理念がいかに広がっても、油断してはならなりません。 アルカイダはいまだに壊滅してはおらず、テロリストたちはイラク、アフガニスタンで、 アメリカの決意がどれほど堅固なものか、試そうとしているのです。 北朝鮮やイランも、平和を乱そうとしています。 アメリカがひとたび、弱気を見せてしまえば、破滅に向かってしまう――。 私の政権が続く限り、そんなことは断じて許さないのです」 ※※ ●ブッシュ氏のスピーチライター、フラム氏のこと 米国大統領には、――大統領候補も同じと思うけれど、 彼らには優秀なスピーチライターがついている。 スピーチライターは、それぞれいかにわかりやすく、親しみやすく、 それでいて格調高く、政治的な理念や政策を伝えるかに頭を悩まし、 演説原稿を練るという。 番組ではブッシュ大統領のスピーチライター、デイビッド・フラム氏が登場し、 ブッシュ氏の訴え方の難しさについてコメントしていた。 フラム氏はイラン、イラク、北朝鮮を「悪の枢軸」と表現した、その人なのだが、 日本ではこうした、黒子の存在が表に出てくることは少ないように思う。 ※※ ●日本の首相の演説原稿について ところで、いくつか前のエントリー「コイズミ首相は冬ソナ、見てた?」に、 dragon2011さんからコメントをいただいた。 コメントは次のような内容だった。 「それはさておき、同じNHKで放映していた『ホワイトハウス』というドラマも結構、 興味深かったですね。大統領の取り巻き(報道官・秘書官等々)がでてきての 物語りでしたが、この話題を読んで思い出しました。 日本でも首相が読む原稿は秘書官なりが作るのでしょうか? コイズミさんは思いつきが多いのでしょうか? 」(再掲) ――以下に、返信に代わって短文を。 ●各省庁から集まる膨大なパーツ……、組み立てるとやっぱり膨大。 「ホワイトハウス」は、舞台裏が、けっこうリアルに、人間くさく描かれていて いったいモデルは誰なんだろう、実在しているのかナ……などと考えながら見ていた。 (実は私は、けっこう見逃してしまっていて、全部見ればよかったと後悔している。) 日本の首相の演説――とくに所信表明演説、施政方針演説などについて、 誰か専属のスピーチライターの手になるもの……とは、聞いたことがない。 聞いたことがないけれど、そんな人がいないとも限らない。しかし聞いたことはない。 (どなたかご存知ならお教えいただきたい。) 各省庁から、なんとか自分の省庁に関わる部分を1行でも多く盛り込んでもらおうと、 それはそれは情熱を込めた草案(パーツ)が届くらしい。 それを官邸(――たぶん秘書官グループが中心)がひとつにまとめていく。 それで、演説を切ったつもりでも、結局は、ものすごい分量になってしまうらしい。 おおよそ12000字くらいが、どうやら平均らしい。新聞に要旨――として 掲載されるけれど、それでも紙面を埋め尽くすような活字の量になる。 それで、歴代総理のなかにも、演説の本番で、つい、ページごと、 読み飛ばしてしまった例が、けっこうある。 ●3年前のコイズミ首相の所信表明は6000字だった。 こうした前例を省みず、ばっさりと切り捨てて、 自分の考えを前面に押し出したのが、実はいまの総理、コイズミ氏の、 第151国会における、最初の所信表明演説だった。 3年前、国民の熱狂的な歓迎を受けて登場したコイズミ首相は、 国会本会議の演壇に立ち、長岡藩に伝わる「米百表の精神」を例に、 改革の精神を説き、日本の再生――「新世紀維新」の断行を宣言した。 ときは平成13年、2001年5月7日だった。 この演説は文字数にしておよそ6000字。 歴代総理の演説に比べれば、約半分の長さでしかなかった。 おそらく……、コイズミ首相は作成された演説草稿からかなりの部分を、 自分でそぎ落とし、赤字も入れた。たぶん、米百表も、 自分で書き入れたのではないか。 しかしその短い演説に、国民はめずらしいことにも、聞き耳を立てたのだった。 ※※ 振り返れば、コイズミ首相もあのときは、ほんとうに順風満帆。 国民の圧倒的な支持を背景に、抵抗勢力との戦いに挑もうとしていた。 それがいまや……、支持率は4割を切るまで下落してしまった。 演説でめざした「日本の再生」は、いま、どうなっているか……。 数日前、コイズミ首相が経団連の夏季セミナーで話したとおり、 薄氷を踏むようにしての政権運営が続いている。 ※※ なお、通常の街頭演説、選挙の応援演説などは、けっこう、好き勝手に、ノー原稿で 話しているのじゃないかと想像している。 でなきゃ、あんなに失言を連発できないでしょう?どうでしょう?^^ ※よろしければ、今日もクリックを!→ Blog Ranking
by yodaway2
| 2004-07-26 01:40
| 米国はどうする、どうなる
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