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週刊!Tomorrow's Way
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テーマはその日の出来事、ニュースから。あと50年経てば、いまの時代、どう語られているのだろうか。

by yodaway2
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「吾、汝の言に反対す。されど吾、汝の、その言を言うの権利、死に至るまで擁護せん」。学生時代に出会った言葉です。政治をめぐる意見に賛成、反対はつきもの。お互いを尊重しつつ、意見を述べ合いたいものです。 
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闇に引き込まれ、あがいた姉歯氏……。どこまで広がるのか?
★多少、修正、加筆しています。19日午後2時35分。

耐震偽装のその後について、ひと言。
今週、姿を隠していた姉歯元建築士を含む関係者4人が
証人喚問が行われたのは、ご承知のとおり。

姉歯氏への喚問でトップバッターだった自民党、渡辺具能(わたなべ・ともよし)氏が
持ち時間40分のうち、34分を自身の発言にあて、姉歯氏の答弁が
わずか6分間でしかなかった、などのことに批判が集中したのも、
多数、報道されているとおり。

その一方、総合経営研究所、 内河健所長への喚問では、民主党、馬渕議員が、
同社、チーフコンサルタント、四ケ所氏が作成した平成設計への指示メモを暴露――。
「設計に関する指示などしていない」と胸を反らしていたが、
馬渕議員は「これ、指示じゃないですか、指示じゃ!」と語気鋭く迫り、
内河氏をたじろがせた。「早急に調べてご報告します」と。

また、木村建設、元東京支店長の篠塚明氏は、
同社の積算対照表(鉄筋数などの基準含む)の存在を明らかにし、
姉歯氏への指示も、同社の基準に沿ったもの――と強弁しようとしたが、
これが、四ケ所氏のメモと並んで、とてつもない波紋を呼びつつある。

                ※※

その後のニュースによれば、四ケ所氏によるメモは、総合経営研究所、
四ケ所氏自身も存在を認めた。メモは自筆で書かれたもので、
言い逃れできないと考えざるを得なかったのだろう。

また、木村建設の積算対照表の存在は、やりとりの中で、
篠塚氏から言及があった。篠塚氏は構造設計者への指示、要請が、
姉歯氏に限ったものでもなく、かつ、社内の基準に
基づくものであった、と言いたかったのだろうが、それは、
この事件が、今後において、とてつもなく広がっていくことを予感させてしまった。

事実、すでに同社によるすべての施工物件が疑いの対象となっており、
姉歯氏以外の担当であったのにもかかわらず、
姉歯氏よりも鉄筋の量が少ない物件の存在も明らかになりつつある。

                ※※

このほか、証人喚問では検査機関の業務についても、
改めて問題性が浮かび上がった。

イーホームズは姉歯氏から「ほとんど、何も見ていないと思いました」と、
“酷評”されてしまった……。それに対して、イ社、藤田社長が、
テレビのなかで「自分たちが犯罪を犯していながら、それを見抜けなかった
検査機関が悪いなどと言っている」と怒りをぶちまけたが、
検査機関の業務内容は、改めて問われざるを得ない。

そして何よりも、こうした検査機関の審査は、個々に勝手に
行っているものでない以上、国、国土交通省の用意したマニュアルに沿っていると
考えざるを得ず、その意味では、制度をつくり、監督している
国、同省の責任が、強く問われることになる。

                ※※

姉歯氏は偽装の動機、きっかけについて、
木村建設、篠塚元東京支店長からの圧力に抗し切れなかったこと、
妻が病気がち(――週刊誌によれば、強度の躁鬱病)で入退院を繰り返していたこと、
当時、木村建設からの受注が9割以上で、「構造事務所は他にもある」との
脅しに負けたこと……などと証言した。

いろいろ、あちこちで読み知った姉歯氏の人物について、以下、書き留めてみたい。
(※記憶の範囲……、多少、不正確かも。読み手において、ご判断を。)

宮城県の生まれ。昭和32年6月生まれで48歳。
母親ひとりに育てられ、生活保護も受ける家庭であったらしい。
地元の古川工業高校、建築科を卒業。中堅ゼネコンを経て、
都内設計事務所で実務経験を積み、独立。
平成2年に難関の1級建築士の資格も得た。

独立してからの事務所運営は決して楽ではなかったが、それが
九州の鉄工所からの紹介で、木村建設の物件を受注するようになって、一息つけた。
姉歯氏にとって、木村建設は初の大口顧客だった……。

テレビのインタビューに、姉歯氏は木村建設の仕事を
受注するようになったころの心境を「うれしかった」と振り返った。

ところが、この大口顧客との出会いこそ、彼の人生を狂わせていくことになる。
彼の言葉を信用すればだが、彼は最初から偽装を行ったわけではなく、
むしろ、当初段階では、大口顧客の信頼を失うまいと、
懸命に仕事をしていたのかもしれない。

しかし、98年ごろ、同社の篠塚東京支店長(当時)から、
厳しいコスト削減、鉄筋量の減量を求められた。
「もうこれ以上、無理です」「それでも、やれ」
「できません」「構造事務所はおまえのところだけじゃないんだ」……。
押し問答し、抵抗したが、結局は抗えず、一線を踏み越えてしまった。

それからは、ずぶずぶと深みにはまり込むばかりだった。

姉歯氏には兄がひとりいるとのことだが、行方不明になったままらしい。
母親は東京で成功した次男の同氏を自慢の種にしていたが、
2年ほど前に他界したのだという。……地元を取材した記事に、
その、母親の葬儀で号泣していた姉歯氏の姿が、
地元の人の話として伝えられていた。

                ※※

事件の闇は、底知れぬほどに深そうで、姉歯氏など、
ほんとうに、たまたま明るみに出てしまった、
入り口の人物に過ぎないのではないか――などと考えてしまう。

耐震偽装を行ったのは姉歯氏だけなのか、
不良施工は木村建設だけなのか、
違法、危険な建築物を誘発したのは総合経営研究所だけなのか、
儲け主義に凝り固まった売主はヒューザーだけなのか、
ザル検査を繰り返しているのはイーホームズ、日本ERI、
問題となっている自治体だけなのか……。

以上について、現在の印象としては、
いずれも「だけ」が当てはまらない不安を、ひどく覚えている。


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by yodaway2 | 2005-12-18 00:19 | 社会の問題、世相さまざま