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「吾、汝の言に反対す。されど吾、汝の、その言を言うの権利、死に至るまで擁護せん」。学生時代に出会った言葉です。政治をめぐる意見に賛成、反対はつきもの。お互いを尊重しつつ、意見を述べ合いたいものです。 ・
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「負けて勝つ」の思想こそ、日本独自の強み。――中国問題。
2005年 04月 22日
(※末尾に資料編、注を追記。23日11:45)
コイズミ首相が、いま開催中のアジア・アフリカ会議における演説で、 平成7年8月15日に行った「村山談話」を踏襲し、 過去の歴史に対するお詫びと反省を改めて表明した――とのニュース。 多くのブロガーが取り上げていることとは思うのだけれど、 Tomorrow's Wayとしても、ひと言。 ※※ ●他国の政治的意図を承知のうえで……。 外務省は反日デモを意識して盛り込んだものではない、 と話しているが、誰の目にもそうは映らない。 戦争の歴史について、もちろん、反省を忘れてはならないが、 しかし、それが他国の政治的意図に強いられてのこととなると、 すっきりとした気持ちにはなれない。 しかし、ここで感情的になってはいけない――。 がまん、なのだろう。 演説した首相の心中も、そんなところだと思う。 ※※ ●国内タカ派と世論の批判を恐れる中国指導部――。 一方、日中首脳会談は、会議開催中に実現されるだろうけれど、 今日は見送られた。中国側が避けたと見られている。 つまり、いま、日本側からの求めに応じる形で、 首脳会談を行えば、それが中国国内で 弱腰外交――と見られかねないとして、躊躇しているのだという。 それもあるだろう。 が、今日、靖国神社の春季例大祭に、 副大臣数名を含む国会議員がまとまって参拝した。 閣僚からは麻生総務相がただ一人、単独で、拝殿に上がらずに参拝をすませた。 それを、その影響を、見ていたのではないか。 もちろん日本側に対して、首脳会談の条件として、冒頭のカメラ撮りの段階では、 反日デモに対する抗議を行わないよう、求めているとの話もあるようで、 孔泉報道官などが表面では、「日本の演説は評価できる」――などと 突っ張っているけれど、案外、中身は違うかもしれない。 ※※ ●詰め将棋、中身はじりじりと追い詰めている……? これで首脳会談が実現するとなると、 コイズミ首相が、カメラの前で謝罪を求めようが求めまいが、 そして胡錦濤主席がそれに応じないとしても、 実現しただけで、日本側が優位に立つのは明らか。 少なくとも、反日デモの規制、沈静化に、 文脈として、今度こそ、中国政府は責任を免れない立場に追い込まれる……。 それを、できれば避けたいのだが、マチムラ外相の訪中を含めて、 二重三重に手を詰められ、「面子の国」としては、もはや背を向けにくくなりつつある。 ※※ ●日本人なら誰でもわかる「負けて勝つ」――の感触。 冒頭の首相演説に戻る。 他国に強いられるようにして行うお詫びの演説は、 すっきりしないけれど、しかし、それだって10年前に、 ときの村山首相が行ったもの。 そもそも日本には「負けて勝つ」――なる言葉がある。 ある人によると、この「負けて勝つ」は、他国にはない考え方という。 華僑がバイブルとする兵法、交渉術のエッセンス、「三十六計」の最後に、 「走為上(そういじょう)」の策、日本流の成句で「三十六計、逃げるにしかず」があるが、 負けて勝つ、とは大きく意が異なる。<末尾に注↓> 先へ行って、まず国連改革問題がある。 東アジアの安全保障、朝鮮半島問題、資源問題、領土問題がある。 反日デモについては、これから先は、もっと危機管理策を考えなければならない。 また、市場としての中国、貿易相手国としての中国の重要性は、 当面変えられようもないけれど、こうしたリスクが続くとすれば、 ベトナム、インドなど、他にシフトすることは、経済界が 黙っていても考え始めるに違いない。 そうしたもろもろを読んで、ここは、がまん――が良い。 それが、負けて勝つ、につながると思われる。 ※※ ≪追記≫ ●お手並み拝見だ――!! 今、ニュースサイトを開いたら、中国のネチズンたちは、 コイズミ首相のおわびが十分でない――などと、 あいかわらず、騒いでいるらしい。 せっかく、おだやかにすすめようとしているのに。。。(`´) が、それでも、コイズミ首相の演説により、 胡錦濤主席は、結局、応じざるを得ない。そうしなければ、 日中が決定的な対立に向かうということを意味するわけだから。 お手並み拝見だ。 ◆◇ ≪資料編≫ ・外務省HP→AA首脳会議にける小泉首相スピーチ(05.04.22) 「我が国は、かつて植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけ アジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。 こうした歴史の事実を謙虚に受けとめ、痛切なる反省と心からのお詫びの気持ちを 常に心に刻みつつ、我が国は第二次世界大戦後一貫して、 経済大国になっても軍事大国にはならず、いかなる問題も、武力に依らず 平和的に解決するとの立場を堅持しています。 今後とも、世界の国々との信頼関係を大切にして、世界の平和と繁栄に 貢献していく決意であることを、改めて表明します」(上記ソースから抜粋) ・外務省HP→「戦後50周年の終戦記念日にあたって」(村山談話/95.08.15) 「わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで 国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、 とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。 私は、未来に誤ち無からしめんとするが故に、疑うべくもないこの歴史の事実を 謙虚に受け止め、ここにあらためて痛切な反省の意を表し、 心からのお詫びの気持ちを表明いたします。 また、この歴史がもたらした内外すべての犠牲者に深い哀悼の念を捧げます」(同) ※※ ≪注≫「負けて勝つ」について ひっそりと、本文に注釈。書き足し。 数年前、仕事でバーバラ・寺岡さん(料理研究家、タレント、エッセイスト)とお会いし、 代々木のご自宅にお邪魔して、親しくお話する機会を得た。 「負けて勝つ」は、そのときに伺った言葉。 だから、上記本文中、「ある人」とはバーバラ・寺岡さんのこと。 バーバラ・寺岡さんは日本人の父(外交官)とハンガリー人の母から生まれ、 2つの国の血を引いていらっしゃる方。そのバーバラさんが、何の話題からだったか、 「私はね、『負けて勝つ』こそ、日本人独特の思考で、強さの本質じゃないかと思います」と、 そんなふうにお話になった。 幼少の頃からの体験を交えたお話は非常に印象深く、今回の話題に、 ふと、思い出した次第。その後、バーバラさんとはお会いしていないが、 オーラのある方ゆえ、たぶん、お元気でいらっしゃると思われる。 ※よろしければ、今日もクリックを!→ Blog Ranking
by yodaway2
| 2005-04-22 22:55
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