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「吾、汝の言に反対す。されど吾、汝の、その言を言うの権利、死に至るまで擁護せん」。学生時代に出会った言葉です。政治をめぐる意見に賛成、反対はつきもの。お互いを尊重しつつ、意見を述べ合いたいものです。 ・
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目的はファルージャからの米軍撤退。自衛隊じゃない。
2004年 04月 17日
共同通信が伝えるところでは、解放された高遠さんの話として、
武装グループのメンバーたちからは、サマワに展開する 自衛隊についての批判はほとんど聞かれなかったという。 http://news.kyodo.co.jp/kyodonews/2004/hostages/news/0417-169.html ●ほとんど出なかった「自衛隊の撤退」 拘束=誘拐されたあとの最初の声明で、彼らは 3日以内に自衛隊は撤退せよ。さもなくば一人ずつ焼き殺す――と、 自衛隊撤退を人質解放の第一条件に突きつけてきたはず。 それがなんと、拘束中、その話はほとんど出なかったという。 ちょっと信じがたい話だ。 彼女の証言によると、会話のなかに出てきたのは 米国のファルージャ攻撃に対する民衆の怒りだった。 日本を含めて、諸外国の民間人が相次いで誘拐、人質に取られているが、 やはりその原因は米国の強硬な統治政策、さらにはファルージャにおける戦闘が 一番の原因とみるのが妥当だ。 ●事件発生直後に停戦。その影では? この分析は事件発生の直後から、実は政府関係者、そして米国の政権に 共通する認識となっていたのではないか。 つまり事件の起きたファルージャからかなり離れたサマワに展開する、 日本の自衛隊の存在など、彼らには、もともとあまり関係がない……と。 外国人の誘拐は、ファルージャの攻撃を止めない米軍への、 彼らの最後の抵抗手段だった。 米国にとって、日本と日本の自衛隊はアキレス腱だ。 日本に、もし万一にでも自衛隊を撤退されてしまったら、今度こそ ほんとうに米国は国際社会で孤立してしまいかねない。 事実、米国の判断は早かった。 ファルージャにおいて、モスクまで攻撃対象にしていた強行策を、 たちまち転換し、停戦してしまった。 日本人3人が拘束されているなかで、米軍は包囲網こそ解かなかったが、 その動きをピタリと止めた。 ●解放は 「アラーアクバル」のプラカードを見たからじゃない その影では、きっと日本政府の働きかけもあっただろう。 自衛隊云々なんかじゃないのだ。 日本は米国に言ったはずだ。日本人が拘束されているが、 このことは決して日本人だけのことではない。 米国にとっても当事国にとっても防御しようのない、 民間の外国人が標的にされている。 彼らの要求はファルージャからの撤退だ。どうにかならないか、と。 米国は6月の政権移譲を控えるこの時期に、 4人の米国人殺害事件を裁くこともできないこの時期に、 威信の揺らぐ撤退は呑めないとしても、 同盟国の窮地を放っておくことはできない。 放っておけば、そのツケは自分たちに跳ね返ってくる。 本国からの指示に違いないが、米軍は止まった。 解放は一度出た予告からかなり時間が経ってからのものになったが、 そこにはおそらく、武装グループ自身の身の安全に加えて、部族や周囲が 停戦のなりゆきを見極めていた点もあったのではないか。 なお、イタリア人も誘拐、拘束されているが、悲惨なことにも人質が殺害された。 ただ、武装グループは日本人3人とは異なり、拘束したイタリア人を明らかに、 軍関係者(傭兵)と見ているように思われる。 その意味では、日本人3人が純然たる市民であったことが幸いした。 3人は解放された。しかしそれは、解放の声明にあった日本のデモのなかに 「アラーアクバル(神は偉大なり)」のプラカードがあったためじゃない。 ●声明文の中身には、やはり怪しさが…… さて、ここで気になるのは武装グループの声明文の中身。 以下のページに、テレビに出演しっぱなしの大野某氏が所属する、 シンクタンク・中東調査会による分析が掲載されている。 http://www.meij.or.jp/information/Country%20Profile/iraq.files/20040413iraq.PDF ※コピペでお願いします。 ようするに、声明はアラブ語を母国語とする人間が書いたものとしては不自然だと。 中身もアラブの人が書いたにしては不自然だと。 事の真偽は、これから解明されていくのかもしれない。 あるいは闇のなかへと隠されていくのかもしれない。 ただ、いまの段階で声明文を振り返っても、 日本の自衛隊撤退を強烈に求めたロジックには、 どうしてもすっきりしないものがある。 仮に、母国語としない人々が今回の事件にかかわっているとしたら、 それは一体、どのような人間か? アルカイダは母国語のはず。ならば……? 私はネットの掲示板で出回っている自作自演説について、 これはあり得ないと考えている。 その一方で、武装グループがファルージャという一つの地域の、 一般の市民から構成されているとは考えにくいとも思う。 元情報は見失ったが、米軍は旧フセイン政権の情報組織が 関与している――との見方をしているとの報道があった。 でも、そうだとしても、それはやはり母国語を話す人々なはず。 それに旧フセイン政権の情報機関……としても、ロジックはおかしい。 それなら、米軍の武装解除、ひいてはイラクからの撤退を、 彼らの狙い通りに、ストレートに突きつければよいのだから。 武装グループに背景がないとは言い切れない。 まず、3人は解放された。それはほんとうによかったのだが、 それでも釈然としないことは、多い。 ※※※ ●消息不明の2人の情報が少ない 消息不明となっている2人について、報道される情報が少ない。 一刻も早く解決されるように祈りたいと思う。 ●クバイシ師、イラクの新たな調停者に? 今回の日本人人質事件で、イラクの聖職者協会(スンニ派)、 そしてクバイシ師の名が躍り出た。 フランス人、ロシア人、中国人など、他の外国人誘拐事件でも、解放にあたって、 クバイシ師が同席している姿がテレビに映し出された。 米国の占領政策が行き詰る中で、そして政権移譲を目前にして、 この協会とクバイシ師が、新たな仲裁機関として浮かび上がりつつあるように 思うのは期待のしすぎだろうか。 今回の事件においても、日本がクバイシ師らとのパイプに頼ったことは、 当然のことながら、CPA(連合国暫定当局)も承知していたはず。 あるいは逆に、CPAもからんでのことだったかもしれない。 クバイシ師は反米の立場を取っていると言うが、 米国との間にも信頼関係が生まれつつあるのかもしれない。 米国からすれば使えるカード?として。 テレビでは温和そうで、なかなか紳士的な人たちに見えます。 私も「嫌いになれません」。^^; ●警視庁のテロ対策チームの動きが気になる 警察庁のテロ対策チームが相沢副大臣に随行する形で現地に入り、止まっている。 これは交渉決裂、強行突破を視野に入れてのシフトだったと思う。 それ以外にも役割を担っているだろう。 ロシアの新聞は「日本の特殊部隊が救出に向かった」と報道したそうだが、 それはさておき、気になる。 ●米、国連主導に転換。国務省は巻き返せるか。 今朝の朝刊に、米国がイラクの主権移譲について、 国連主導に政策転換したとの記事。 なぜもっと早く、なぜ最初からそうしなかった……と思う。 日本はますます声を大きくして、同盟国に助言しなければならない。 そうすれば、自衛隊の方々も早く任務を終えることができるかもしれない。 もともと、今回のイラク戦争では、米政権のなかで、 開戦前に国務省と国防省(及びネオコン)が激しく対立していた。 ここへ来ての政策転換は切羽詰ってのことだが、国連主導となれば、 国務省のセンスで少しは修正、巻き返せるかもしれない。
by yodaway2
| 2004-04-17 14:19
| 日本とイラク、どうなる
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