週刊!Tomorrow's Way
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テーマはその日の出来事、ニュースから。あと50年経てば、いまの時代、どう語られているのだろうか。
メッセージ
「吾、汝の言に反対す。されど吾、汝の、その言を言うの権利、死に至るまで擁護せん」。学生時代に出会った言葉です。政治をめぐる意見に賛成、反対はつきもの。お互いを尊重しつつ、意見を述べ合いたいものです。 
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戦場から戦争、語らない――橋田氏のことば
昨晩、EZ-TVで森本毅郎氏が、今回のイラク・日本人襲撃事件で亡くなった
橋田信介氏(61)の著書の一節を朗読した。

「戦場から戦争を語ってはならない。語るのは戦況である。
なぜなら、戦争はすぐれて政治だからだ。
戦場からは政治は見えない。」

響いた――。とくに、「戦場からは政治は見えない」が。

――朗読が始まって、あわてて、近くに紙片を探し、メモをとった。
正確でないかもしれない。もし、この本をお読みいただいた方で、
正確な字句がわかれば、正していただきたい。

番組では、橋田信介氏はジャーナリストとして、
数々のスクープをものにしてきたことが紹介された。

ベトナム戦争の空爆下での取材、
カンボジア、ボスニア、アフガンで砲弾の下を潜り抜けての取材、
金賢姫らによる「大韓航空機爆破事件」の機体発見、
前の湾岸戦争におけるイラク軍戦闘機の待避現場発見……。
いずれも見覚えのある映像ばかりで、私は不勉強にも、
この番組で、それらがみな、橋田さんの仕事であったことを知った。

その橋田さんの言葉――、「戦争はすぐれて政治……」。

戦争の渦中に飲み込まれている人間、
砲弾の下にあって、なおも生き続けようとする人々には、
とても残酷なことに、戦争を決めた政治は
とてつもなく遠い距離にあるのかもしれない。


※橋田信介氏の著書
「戦場特派員」
「イラクの中心で、バカとさけぶ」
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by yodaway2 | 2004-05-31 12:57 | 日本とイラク、どうなる
安倍幹事長の演説、聞いてみた。
昨日(29日)、外出の途中で偶然にも、自民党・安倍幹事長の演説を聞いた。
街頭での、宣伝カーの上での演説だった。

考えてみれば、私たちが政治、政策に賛成、反対を言ったり、
不満や疑問を抱いたりするのは、ほとんどメディアによって加工された情報
――つまり1次情報ではなく、2次情報によって、そうしている。

政治は、結局は政治家の言葉を通して決まる――。

それで立ち止まり、耳を傾けた。
15分程度の短い演説ではあったが、私自身にとっては
最初から終わりまで聞いたという点で、久しぶりだった。

内容的には、安倍氏が今朝のTV出演で話したこととして、
すでにテレビやインターネットのニュースに流れているのと
同じことも多いのだが、注意深く聞くと、選挙向けの街頭演説とはいえ、
ええっ!――と、思うこともあった。

また、全体にどういう組み立てで話しているのかについても、
おもしろく感じられた。……なので、それをできる限り加工せずに
再現してみるのも、ほんのちょっとは、参考にしていただけるかもしれない。

(せっかくだからと、カバンからノートを取り出し、書き取ったものです。
なお、私は自民党員でもなんでもありません。次に民主党、他の党の方を
きっとレポートさせていただきますので、自民党がお嫌いな方はご容赦を。^^;)

                    ※※

安倍氏の演説内容は以下のようなものだった。

                    ※※

こんにちは、自由民主党幹事長の安倍晋三です。
いま、ごあいさついただいた参議院議員……(今夏、改選予定の議員への激励、
この部分のみ省略)……みなさまのお力を結集していただきたいと思います。

【年金改革法案】

国会も、もうあとわずかです。いま重要なことは年金改革法案の審議ですが、
国会議員のなかで年金を払っていない人がいると、問題になってしまいました。
しかし、年金制度はみんなが助け合う中で、お互いの自立を
実現するためのものです。年金を加入していない人、払っていない人は、
もらうべき年金をもらえないようになります。
自分で自分の責任をとらなければいけないのです。

いま、年金は自分で払ったお金の1・7倍は確実にもらえます。
一般の、民間の年金と違うのは、国が保証しているという点です。
税金を2分の1、入れることが決まっていて、
50年、100年、安心できる仕組みです。

そのように給付と負担のバランスをとるために改革しようとしていますが、
それを野党は崩壊の危険があるなどとウソを言っています。

この制度に税金を入れるための、信頼してもらうための改革です。そして、
そのためには将来、ここまで負担、上がっていきますよということも言っています。

この国会で、しっかりと成立させなければいけない――、
成立させなければならないと思います。
与党としての責任を果たしていかなければならないと思います。

【構造改革と景気回復】

小泉さんは改革なくして回復なしと言ってきました。
批判はあったが、改革は進み、そして景気も回復してきました。

昨年の10月、11月、12月――、年率に換算して6・4%成長しました。
そして今年の1月、2月、3月は5・4%――、これは
今度サミットに参加する先進国の中でもっとも高い成長率です。

かつてのように、何兆円もつぎ込んで一時的に景気を回復させるのではなく、
たとえば規制緩和などの改革によって回復させる経済政策を実施してきました。
その結果、世界の中でも高い成長を実現できました。

地方ではまだ実感がないかもしれません。
ですから、回復の明るい兆しを地方に、中小企業に
拡大していかなければならないと思います。

そのために我々は地域再生に取り組みたい――。
それもお役所からの改革ではなく、皆さんから案をだしていただき、
それを国が応援していくようにしたいと思います。

そのためにも○○さん(参議院選挙改選の議員)といっしょに
案を出していただきたいと思います。そうしていただければ、
わが党も○○さんも必ず、実績をのこします。

【北朝鮮問題・国交正常化交渉】

先般、小泉首相は北朝鮮に行き、首脳会談を行いました。その結果、
地村さん、蓮池さんのご家族は日本に帰ってくることができましたが、
残念ながら曽我さんのご主人、お嬢さんたちは北朝鮮に残ったままとなりました。

曽我さんはほんとうにがっかりしていましたが、しかし、
ご家族と第3国で面会できる約束は取り付けてきたのです。
しかし、会ってもそれだけではいけません。
会うことが次の別れにつながらないようにしなければなりません。

そして、4人で日本に帰ってきて、そしてお嬢さんたちの
未来にもつながるようにしなければなりません。

日本は彼女を守らなければなりません。
政府には国民を守る義務があります。

ご主人が米国人であった事情はあります。しかし、それは
北朝鮮が心配することではなく、日本と米国の問題です。

さらに10名の方々、行方不明の方々の再調査をすることも、
金総書記が約束しました。

拉致したのは北朝鮮です。そのために北朝鮮は、政治判断して、
実情を、生存に関わる情報を正直に話さなければいけないのです。

我々が納得できなければ、日朝国交正常化交渉もしないのです。
だから北朝鮮は、きれいさっぱりケリをつけなければならないのです。

そしてケリをつけさせるよう、圧力をかけなければいけないと思います。
話し合いでケリをつけさせるのが原則ですが、
24年間、北朝鮮はまじめにやってこなかったから、それを改めないなら
圧力をかけなければいけないということなんです。

拉致の問題を悪化させないように、長引かせないようにするために、
考えなければならないことは考える必要がある――。
国益と、国民の生命、財産を守るために強力な戦いを展開していくために
考えなければならない問題であると思います。

(※以下、人ごみに押され、メモ乱れる。)

【国会審議・その他】

我々は野党と、堂々と政策論争していきたいと考えています。
姑息なことをやらずに、政党間の約束は守ってもらいたいと思います。
それが政党間のルールです。

来年は自由民主党、結党50年にあたります。その節目に憲法改正、
教育基本法の改正も手がけていきたいと考えています。……

※このあともメモ、乱れる。参議院選挙の候補予定者への激励を言い、
1,2分で終了。

                    ※※

――と、まあ、このような内容だった。
安倍氏は自民党内において、もともと若手タカ派、ソフトイメージのタカ派、
と言われてきた。

年金改革法案、特定船舶入港禁止の今国会成立の方針については、
ニュースで伝えられているとおり。

しかし、北朝鮮問題については、私の聞き間違いでなければ、
首相は国交正常化に条件はないとしているのに対し、
安倍氏は10名の再調査の進展がなければ、事実上、国交正常化交渉には
応じないとしている。党幹事長ながら、この点では、かなり首相に抵抗している。

もっと細かく見ると、たったこれだけの演説にも、さらにいろいろなことが
隠れているように思えてくる。また、たったこれだけなのに、
私の書き取りミスの可能性もあるのだけれど、けっこう
わけがわからないなあ……と思うところもあった。

たかが選挙応援――、されど選挙応援――、ほんのちょっとだけれど
フムフムとも思えてきて、この安倍氏の話も、私のささやかなデータベースには、
一応残しておきたい気持ちになった。
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by yodaway2 | 2004-05-30 18:53 | 風雲急!政局と選挙
ジャーナリストよ、奮闘せよ。たとえ守られることなくとも。
イラク、日本人襲撃事件について、その後の報道により小川さんの遺体が、
現場より10キロも離れた地点で発見されたという。

右目を打ち抜かれていて、大きな傷は他に見当たらないという。
凄惨というより他なし。外国人を狙った無差別テロの疑いが濃いようだ。
イラクの液状化に歯止めがかかっていない。

実は私個人は、先の人質事件との比較を密かに思っている。
今回のことについて、世論は押しなべて同情的。私もそうだが、お2人の行動を認め、
そして敬意の気持ちを抱いている方々がほとんどではないだろうか。

前回の事件に際しても、拘束された方々のなかにはジャーナリスト、
カメラマンがいた。しかし……世論は厳しかった。
またボランティアとして活動していた方にも批判は向けられた。

危険がわかっている場所に備えもなく出掛け、その結果、自分たちの行動が
国、関係者に迷惑をかけていることに自覚がないのではないか――と。

しかし……、実際に、前回の事件で人質となった方々が、
事件の解決前に何かを話したわけではなかった。

彼らに関係する情報はメディア自身と、
そしてメディアに登場する彼らの家族から発信された。
その内容から、つまり、とくに家族の発信する内容に左右されて、
人々は賛否に別れた。そして、私もそうだったが、
違和感を抱く人々も少なくなかった。――と、そういうことだったのだ。

今回、お2人は人質にされたどころか、命を落とされてしまった。
小川さんは一度連れ去られ、そして殺害された可能性も考えられている。
しかし……家族の言葉は、意外にも少ない。そして、誰をも責めていない。
それだけに、逆に重く響いてしまった。

橋田さんの夫人が話すのをテレビでみた――。
「結婚してからずっと戦地ばかりをまわっていましたので……少なくとも、
夫と私は、いつも覚悟しているつもりでした」

うまく言えないけれど、今回の2人の事件を見ていて、
私自身、何かすこし、ふっきれたかもしれない。

改めて言う――。

ジャーナリストたちよ、奮闘せよ。
しかし、誰にも守られてはいない。
イラクは個人の存在をはるかに超えた混乱のなかにあるのだから。
それでも自らの使命と決めて戦うのなら、……心、寄せたい。
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by yodaway2 | 2004-05-30 14:17 | 日本とイラク、どうなる
イラクで日本人が襲撃受け、死亡の情報
イラクで邦人2人が襲撃を受け、1人死亡のニュース。
2人は橋田信介さん(61)(バンコク在住)と小川功太郎さん(33)。
サマワからバグダットに車で移動中、銃撃を受け、車は炎上した。
他にイラク人運転手、通訳が同乗し、合わせて4人が車に乗っていた。
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/
20040528k0000e030011000c.html


冷静に。そして、まず……、1人が死亡でも1人が生きているなら救命を。

イラクでは戦闘がなおも続き、混乱の渦中にある。
毎日、人命が失われている。
政府がなんと言おうと、イラク全土がいまなお、
「戦闘地域」に他ならないのは明々白々。

それを覚悟のうえでのことなら敬意を表したいし、
今の段階でもお1人は亡くなられているとのことで痛ましい……。

残念だが、イラクのいまの状況に個人の力で抗うのは難しい。
イラクを訪れる以上、こうした事件に絶対に遭遇しない手立ては
ないのかもしれない。

                    ※※

追記/事件に遭遇された方の名誉のために。お2人はこれまで、
ジャーナリストとして経験を積まれてきた方々。そのうち橋田さんは、
いわゆる戦場取材のベテランでもあったらしい。
それだけに……、覚悟もあったのかもしれないのだが。

                    ※※

18:00 バグダットの病院に邦人2人の遺体とニュースで。
このお2人――とくに、橋田さんのことをいろいろ、読む。
伝えようとしていたことが明確だったように思われる。

                    ※※

19:00 橋田さん、目の見えない子供を日本に連れてきて
手術の計画があったと、ニュースで。
これって、自衛隊が引き継ぐことはできないのだろうか。
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by yodaway2 | 2004-05-28 10:26 | 日本とイラク、どうなる
激闘!日朝会談;なぜ、30分も早く打ち切られたか――。
再び、長文にて失礼!お時間があれば、以下にどうぞ。
お時間がなければ、見出しのみ、どうぞ。

今回の日朝首脳会談について、詳細を伝える記事が探せない。
しかし、断片的ながらもいくつかの、生の言葉の端々が伝わるにつれ、
いま、一般的に理解されているのと、少し違う見方ができるのではないか――と、
そうも考えるようになってきた。

●評価割れる会談の成果だが……

先の会談は評価できるかどうか――、この点について意見が割れている。
識者、マスコミには厳しい見方が多いように思うがどうだろうか。

家族会も世論の受け止め方とのギャップにとまどい、
つとめて冷静さを取り戻そうとはしているが、基本的には
厳しい評価を変えていない。それはもっともなことであるのだけれど……。

注目したいのは、会談が予定の2時間よりも30分も早く終了した点である。
終了――というより、それは、打ち切りだった。

金正日総書記の方から一方的に打ち切ろうとし、
事実は、首相が「ちょっと待ってほしい」と引きとめようとしたにもかかわらず、
それを振り切って席を立ってしまったのだ。
これは前回のトピックのとおり、下記、夕刊フジに伝えられている。
http://www.zakzak.co.jp/top/2004_05/t2004052520.html

また、首相の「ちょっと待ってほしい」は、サイトには掲載されていないと思うが、
日経本紙・26日付に載っていた。

                    ※※

●なぜ、30分も早く打ち切りになったのか?

なぜ、金総書記は話を、突然、打ち切ろうとしたのか――?

会談の成果に対する評価は割れているものの、
いま現在、会談は、どうも北朝鮮の一方的なペースで
進められてしまったのではないか――と、
多くの方が、そう受け取っているのではないか。

そして、コイズミ首相は、結局、30分も早く会談が終了したなかで、
言うべきことも言わずに帰ってきてしまった、と。

ところが、会談内容を落ち着いて検証してみると、
意外にも……、会談では金総書記が終始、コイズミ首相に押され、
むしろ、答えに窮した点までみてとれるのだ。

少なくとも両首脳は、激しく切り結んだ。
そして攻勢だったのは、実はコイズミの方だったかもしれない。

そして最後、危ういところで、…………こらえきれず、金は席を蹴って立った。

●あいさつなどどうでもいい――と、コイズミ

会談のはじまり――。金総書記が「ご健康はいかがですか」と”社交辞令”。
コイズミ「おかげさまで」と、ただひと言。
コイズミは、すでに、ただならぬ雰囲気でいた。

金総書記「前回の訪問以降、いろいろ複雑な問題(拉致の問題)が
生じてしまったようで……」。これは要するに、拉致問題のことを指し、
日本の首相の指導力のなさを責めた――と、テレビで識者が解説していた。

そうなのだろう、これは。

たしか首相はこれに反応せず、用意された挨拶を済ませると、
すぐさま、本題を切り出すそぶりを見せた。
テレビカメラはそこで、会場の外に押しやられた。

まずここまで。コイズミ首相は金総書記が振ってきた”社交辞令”にも、
ほとんど反応らしい反応を見せず、公式の挨拶を済ませるや否や、
いきなり、帯刀を抜き放った。

●北朝鮮には、もともと避けたい話題ばかり

報道された情報を、記憶のなかでたどりつつ、再構成する。

この日、会談で話題とされたのは、拉致問題――8人の帰国問題、
10人の安否不明者の消息、特定失踪者の問題、核開発問題、ミサイル問題、
それに伴う米国の意思の伝達、そして日朝国交正常化交渉、人道支援の問題。

最後の2つをのぞいて、いずれも北朝鮮の立場に立てば、
終わりにしたはずの話、余計な話、日本の首相などと再びしたくない話――の
いずれかなのである。

少なくとも……、いずれも金総書記から持ち出したい話ではなかった。

会談は、実は金総書記が守勢に立たざるを得ない状況が、
最初から仕組まれつつあった。

これが、実はいま、見落とされている今回の日朝会談の、
ベースラインではないかと思う。

●金/まさか、ほんとうに再会談を仕掛けてくるとは……

つまり……、今回の会談は、金総書記からすれば嫌だったのだが、
事の成り行きと読み違いもあって、ついに、
無理やり引っ張りだされてしまった――という面があるのではないか。

たしかに、日本人の家族は負担になっていた。
そのせいもあってだろう、米国はテロ支援国家として白書に明記している。
これは日本、そしてOECD、あるいは各国からの
経済支援を受ける環境を傷つける。

それゆえ、外交当局には一時帰国させた日本人を、一度、共和国に戻せ、
それができないなら、首相が迎えに来い――そう言え、と指示もした。

しかし、首相が迎えに来い――と言っても、そう簡単に日本は応じてくるまい。

……と思いつつ、その一方で、あの男――コイズミであれば、
外交慣例がどうあろうと、やりかねないかもしれない、そうも考えられた。

それが……いま現実に、コイズミはこうして、目の前に再び現れた。
裏では中国からも応じよ――との話もあって、
またもや、ついに、コイズミを迎えるはめになったと言ってもいい。

金総書記はいつものカーキ色のジャンパー姿を変えることもなく、
テレビカメラに腹をぐいと突き出し、威厳を保ってみせてはいたが……
会談ではむしろ一方的に守勢に立たされ、何度か唾を飲み込むことになった。

                    ※※

●再び切り結ぶ、コイズミVS金――

会談の経過を、そして双方のホンネを、架空の会話に託して再現してみた。


<コイズミ>拉致した家族全員を帰国させたい。

<金>家族の帰国……これは、すでに準備しているので、どうぞ。
ただし決まっているのは5人です。今夕、いっしょにお帰りください。
でもジェンキンス氏と2人の子供はそうもいかない。
本人が嫌がっているのだから。この会場に呼んであるから、あとで、
自分で説得でもなんでもしてみればいい。お手並み拝見だ。

ここまでは、たしかに金のペース。
コイズミ首相のもとには、直前、ジェンキンス氏のことが障害となる情報が
届いていたが、まさか自分で説得するハメになるなどとは、
最終的に考えていなかった。

ここまでは金が攻めた。コイズミも、一瞬、足をすくわれそうになった。
が、すぐに態勢を立て直し、ひと太刀を浴びせる。

<コイズミ>10人はどうなった。前回の調査はデタラメもいいところじゃないか。

<金>10人の話……それは、もう済んだ話でしょう。

<コイズミ>ふざける、全然終わっていない。いいか……

<金>だいたいだ、前回の会談のあとの貴国国民の非友好的な態度には、
正直、失望した。あなたに指導力がないからだ。

<コイズミ>家族は生存を信じている。きちんとした情報、出せよ。
それに特定失踪者の問題だってある。(一部、この問題に首相は
ふれなかったとする報道があったが、事実は違うようだ)

<金>うるさいヤツだ。……そんなに言うなら仕方ない。白紙に戻して
調査をやり直すよう、指示する。結果も早く知らせる。それなら、いいんだろう。

コイズミはまなじりを決して、そして鋭く迫った――。
金は気押され、「白紙に戻そう」――と、余計なひと言まで、
思わず口にしてしまった。あげくに「できるだけ早く報告する」と、なびいてみせた。

金は瞬間、後悔し、あっ、と小さく、自己嫌悪の感情を抱いたほど。

コイズミは……これが帰国して家族会から非難を浴びてしまうのだが、
「白紙に戻す」「再調査する」の言質を取れたことで、
まずこの問題では、ひとつの利を得たと判断した。

そしてジェンキンス氏のことを、どう切り返そうかと考えつつ、
一旦、話題を核開発問題に振る。

●金/言質を取られ、じりじりと後退りする

これもまた、金には、正面切って攻められると重圧のかかる問題だ。

米国が先制攻撃を言う以上、完全放棄はできない。
どうしてもと言うなら、朝鮮半島全体の非核化を考えるべきだ。
それを前提に凍結してもよいし、そうなれば検証も必要だろう――。

そう言ったあと、またも、余計なことを口にしてしまったと思った。

外交官レベルで、誰ががどう話したって、そんなのはいくらでもひっくり返せる。
だが、金が自分でそれを口にすれば、その後の選択肢は、明らかに狭まる。
第一、金の言葉には、何よりも中国が目を光らせている。

これまでの交渉の場でも、たしかに凍結、検証の話は出た。
でも、何も自分から言い出さなくてもよかったかもしれない。

ここでも、コイズミにやられた。

コイズミは米国が後ろ盾になっていることを、露骨に示してきた。
コイズミは米国からの要求まで携えてきて、それをテーブルの上に広げやがった。

金はここで言い返す。「貴国の同盟国の態度が大事なんだ」――と。
そうは言ったが、結局、「検証は当然のこと」などと言ったことの方が重く、
それが、コイズミの口を通して米国に伝えられることになる。

ヤツに得点を与えているのではないか……また、ちょっと嫌な気持ちになる。

コイズミは核ミサイルについても迫ってきた。
たびたび試射する態度はなんだ――と。

それには「日本を標的にしたものではない。標的は米国だ……」と言ってしまった。
あっ、と思った。米国……なんて、具体的な国名を言うんじゃなかった。
ミスだったかもしれない。

●コイズミ/まだ時間はある、ここでもう一度、ジェンキンス氏だ

コイズミはここまできて、日朝国交正常化交渉の再開、
そして人道支援を口にする。さらに……これもコイズミが批判される点だが、
制裁法案の発動についての制約を、自分から口にする。

コイズミはこの次にジェンキンス氏問題に戻ろうとした。
アメ玉を並べたのは、目に見える成果として最優先していた、
「8人」の帰国――5人ではなく8人の帰国を、いまこの場で決めるために。

金は正直、嫌な気持ちが募りはじめていた。
どうも出口が確証もできないのに、少し簡単に、いろいろ
言質を与えすぎてしまったのではないか……。

10人の再調査、凍結と検証……、ミサイルの標的……、
どうも嫌だ。今日の話の展開は、いったいなんだ。

人道支援はすでに東京から報告のあったことだし、予定通りのこと。
日朝国交正常化、これはもともと2年前に約束済みのこと。
家族5人の帰国はせっかく来たのだから、これはまあ、どうぞごいっしょに。
ジェンキンス氏はどうするのか、お手並み拝見。

――だったのだが、10人を白紙で再調査、しかもできるだけ早く報告する、
なんて言い過ぎたかもしれない。

考えてみれば、核の問題も、もともと米国との2国間の問題であって、
6カ国の問題などでなかったはずだ。少なくとも
日本が割り込んでくる問題ではなかったのだ。
それに、実は中国、ロシアはわが国の方針に、ホンネでは全く反対していない。

それをなんで、日本の首相に約束めいたことを言ってしまったのか。
このままだと、この会談……これでは、このままでは
共和国の最高指導者としての、シメシがつかなくなる。

<コイズミ>ところで、さっきのジェンキンス氏の件だが……。

<金>そのことはもう言った。ひと通り話は済んだろう。もうこれで終わりにしたい。

<コイズミ>ちょっと待ってほしい。まだ話は終わっていない。
時間も30分あるじゃないか……。

<金>いや、済んだ。ジェンキンス氏については、直接話し合ってほしい。
話し合う時間も必要でしょう。


通訳がコイズミの言葉を伝える一瞬のスキをつくようにして、
金はコイズミの言葉を振り払い、席を立とうとする。

「逃げるのかッ!」――そう、コイズミは声を発したかったのだが……


●逃げるか!金――、コイズミの空を斬る太刀

ここで、最後、コイズミはこらえてしまったのだ。

已む無し。このうえは……家族8人をなんとしても連れ帰らねばならない。
この男――金と話し合うより、もはや、ジェンキンス氏を説得しよう。
それがコイズミの、この瞬間の決断であった。

金は金で不快であった。
形としては経済力世界第2位の日本の首相を、2度まで呼びつけた。
しかし、それで得たものは25万トンの食料と1000万ドルの医薬品――。

あとは何もないじゃないか…………。なのにこのバカ騒ぎはなんだ。
それに何かどうも、首筋にヒヤリとしたものを感じる。

日本の首相が来なければ、家族は帰さない――、そんなことを
外交当局に言わせたが、考えてみれば、余計なことだったかもしれない。

この男と会わないほうが、ひょっとするとよかったのかもしれない――と。

                   ※※


金が席を立った瞬間…………コイズミの太刀が、空を斬った。


                   ※※

コイズミ首相は訪朝の成果について、各種の世論調査では、
思ったよりもずっと良い数字に迎えられている。
しかし、その一方で家族会の反発に遭い、そして識者からは
「外交的敗北」――との言葉も浴びせられている。

あの国は――、私たちの常識からはずれた行動を取る国だ。
日本は、それでも、外交的努力によってしか、
生じた問題(拉致は侵攻だが)の解決を考えるより他はない。

そもそもの会談内容を、もう少し落ち着いて検証すべきだとは思うが、
仮に負けた部分があっても、生かせる部分は生かし、
したたかに、そして気迫を込めて、かの国を追い詰めていく以外には
ないのかもしれない。
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by yodaway2 | 2004-05-27 15:06 | 北朝鮮問題、どうする
金正日よ、あなたの非礼は忘れない。
今回の日朝首脳会談――コイズミVS金正日会談の全貌は、
まだ、明らかになっていない。公式には、やはり編集、加工された情報――
たとえば「要旨」のような形でしか出てきっこないと考えるのだけれど、
その一方で、「関係者」から断片が漏れ始めた。

その中で、夕刊フジが、ちょっと見過ごせない記事を書いている。
http://www.zakzak.co.jp/top/2004_05/t2004052520.html

この記事によると、今回の会談が予定よりも30分早い、わずか
1時間半で終了したのは、金総書記が、突然話を打ち切るようにして
席を立ったからだと言う。

それもジェンキンス氏の話をしている最中に。

――知らなかった。でも、ほんとうのことだろうか。ほんとうだとしたら、
これはもう、絶対に我慢のできない、非礼極まる態度だ。

私個人は、今回の首相の再訪朝は、リスクを背負いつつ挑んだ結果と、
各種の世論調査ではないけれど、理解したい気持ちでいた。
いまも……、まだ、コイズミ首相には、そういう気持ちでいるかもしれない。

だが、もし、日本人の誰しもが理不尽に考えている拉致事件について、
怒りをこらえつつ、しかも外交上の慣例を無視してまで首相が、再度、
北朝鮮まで赴いたというのにだ、もし夕刊フジの記事のごとく、
突如として話を打ち切ったとしたら、怒りを爆発させたってよかったのじゃないか!

え、どうなんだろう、――コイズミ首相!
首脳会談としては十分な時間だった――などと悠長なことは言えない。

もし夕刊フジの記事どおりなら、なぜ、待った!――と、言えなかったのか。

                ※※

出迎えが、前回よりも格下だったことについても、
そんな小さなことでイチャモンつけても……と思っていた。
でも夕刊フジの記事が事実に近いなら、考えを変える。

外交慣例を無視しての2度目の訪問である。
ならば、外交慣例上、最高の出迎えをせよ――!

首都・平壌市郊外の迎賓館を会場にしてきたが、
中国、ロシアの首脳が来てもそこを会場にするのかい、え、金よ?!

しかも、金の現れるのを、我等がコイズミに立ったまま待たせるなんて。


                ※※

識者からは、なおも批判の強い今回の会談結果だが、
私個人は見るべきものもあるように、これまで考えていた。
でも、それを言いたくない気持ちになってきた。

考え……変えるかもしれない。

ニッポンは、これでも、がまんし続けるしかないのだろうか……。
拉致問題解決に、武力行使が許されない以上は…………。


金よ、あなたの非礼、決して忘れはしない。

そして何より、日本人を誘拐し続けた犯罪を……、忘れるものか。

見てろよ、いまに。


                ※※

コイズミ、じいちゃんの形見のドス……そんなに錆びついていたのか。

                ※※

言い忘れた。タナカ、ヤブナカ……、指、詰めろ!
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by yodaway2 | 2004-05-26 00:15 | 北朝鮮問題、どうする
日テレ報道、コイズミ誤算の始まり
長文失礼!お時間があれば、以下にどうぞ。
お時間がなければ、見出しのみ、どうぞ。

               ※※

北朝鮮、金正日総書記との再会談の結果は、
コイズミ首相にとっても、たしかに誤算と言えば誤算だった。
しかし、会談までの過程においても、誤算は生じていた。

また、首相の再訪朝が性急だったとの批判があるが、
実は首相からすれば、逆にかなり追い詰められてもいた。

●日テレによる「人道支援内容」の暴露報道

ターニングポイントの一つ、それも小さくないことであったと思うのは、
訪朝直前、人道支援の内容について暴露した、
日テレの報道番組ではなかったかと考えている。
このことがずっと気になっていたし、書きたかったが、今になってしまった。

あのときの官邸の動きは、たしかに異様に見えた。
マスコミは取材し、報道するのが役割であり、社会的責任とされる。
少なくともタテマエ上は。それを、いかに意にそぐわないとしても、
首相訪朝の同行取材を懲罰的に拒否しようとしたとは……。

その裏には、いったい、何があったのか――。
官邸は、なにゆえ、あれほどまで激怒したのか――、なのだ。

●激怒したのは……、官邸の主

日テレの報道のあと、官邸が激怒し、飯島勲秘書官が
情報元を明かさなければ、北朝鮮への動向取材を認めないと、
強硬な姿勢を見せた。
それは官邸の主――、コイズミ首相の激怒を映したものだったはず。

察するに、烈火のごとき怒りだったのではないか。
これについて、いままで、裏側まで回って伝えたメディアを、私は知らない。
すべて、マスコミの報道の権利をタテにとり、官邸の非常識さを責め立てた。

最後は、細田官房長官が間に入るがごとき役回りを演じ、
事態を収拾したけれど、もとより、それは秘書官の怒りなどでは、
もちろんなかった。

なぜ、首相は怒ったのか――、それも激しく。
それは「秘密にしたいことがバレた」をはるかに超えたレベルだったからだ。

●山崎氏も口にしなかった支援内容

山崎拓氏と共に4月初旬、中国・大連で
北朝鮮幹部と会談した平沢勝栄衆議院議員が、
昨日、民放のテレビに出演し、他の出演者からこう詰問されていた。

「平沢さん、あなた方は会談で、支援の内容も約束したのか。
8人は戻ってくると、あなたは言っていたが、そうではなかった。
約束した内容と今回の結果はどこが違うのか」――と。

平沢氏が答えた。「支援内容などは全然、口にしていない。
向こうからも言ってこなかった。お互い、言ったのは平壌宣言に戻ろう、
国交正常化交渉を早く始めようということだけだ。
8人は、向こうから帰国させると言ってきた。それが、結果と違った」と。

注意深く、平沢氏の発言を聞いてみる。
「支援のことは口にしていない」――。つまり議題にしていないという。
そのとおりだとすると、今回の支援内容は、誰がどこで決めたのか……。

人道支援を拡充することは、一方で既定の路線にのったこと、
当然視されてもいたのだが、それが今回のような、とてつもない規模、
すなわち25万トンのコメと、日本円にすれば11~2億円という、
巨額の医薬品の提供になるとは、ほとんど、誰も想像できなかったはず。

計画は極秘で練られていた……。実は、官邸の主の主導で。
知っている人間も限られていたように思う。

●丸裸になっていくコイズミ

それが……あろうことか、読売系の日テレで暴露報道されてしまった。

実は、実はなのだが、この時点で、
コイズミ首相は丸裸になってしまっていたのだ!

マスコミは気付いていなかったか、避けていたのか…………?

コイズミ首相の政治は、「サプライズ」の言葉で形容されることがある。
賭けに挑むからには、コイズミにも武器が必要だった。
そしてそれは、事前には決して見せてはならなかった。

結論を先に言う。日テレが報道せず、かつ交渉がほぼ思い通りであるなら、
人道支援――実質的な経済支援は、著しく少ない規模で済んだ可能性が、
極めて高い。極めて、だ。

また逆に、その場で、こちらから嵩を上げることだってできた。
事前の批判になどにさらされ、がんじがらめになっていなければ……。

●コイズミは、追い詰められていた

コイズミ首相の決断は性急すぎたとの批判があるが、
その影で、実は首相は追い詰められていた。

拉致家族から信任の厚い安倍幹事長、拉致議連の平沼赳夫氏ら「圧力派」が
中心になって進めた、先の外為法改正、今回の特定船舶入港禁止法案――。

これは……実に皮肉なことに、北朝鮮を追い詰めた、というよりも、
コイズミ首相その人を追い詰めてしまったのかもしれない。

彼は焦っていた。もし……特定船舶入港禁止法案が成立してしまえば、
北朝鮮は拉致家族の帰国などに応じることは、今以上に、否、まったく
なくなるのではないか…………。

そして北東アジア、ニッポンの安全保障に障害となっている
日朝国交正常化についても、コントロールできなくなる。

国民は国際政治のうえで繰り広げられる駆け引きまで考えてはくれない。
いま、日本はすべて日米関係のなかで、経済も安全保障も組み立てている。

それがいつまで続くのか……、外務省は伝統的に米国しか見ていない。
自分もブッシュ政権との絆を言われるが、しかし……
たとえばだ、中国がこのまま力を付けていった場合、
朝鮮半島と日本の関係は、いまとまるで違う意味が出てくる。
だから、いまのうちに国交正常化交渉を、
02年の訪朝時のレベルまで戻す必要がある……。

また、コイズミ首相は憲法改正を言い切ったり、靖国参拝を強行するなど、
タカ派のイメージが強いが、細かく彼の政治行動を検証していくと、
そうとばかりも限らない。裏側ではイラク特措法の採決に議場を退場した、
YKKの一人、加藤紘一氏ともいまなお、気脈を通じているのではないかと思われる。
が、ここでは本題ではないので、それには触れない。

6カ国協議の難航も頭の痛いことばかりだった。
6月上旬にはサミットが開かれ、半ば過ぎに国会が会期末を迎える。
そして、そのあとは参議院選挙だ。これは第一の関門になる。
いずれにしても三位一体の構造改革を形にし、
さらに郵政民営化にも、なんとしても端緒をつけたい。
それだけに――、だ、政権の浮力を、推進力を失いたくない。

●被害者の会見は、コイズミの侠気にこたえた

それに何よりもだ、先に帰国した拉致被害者5人は――それは首相の功績で
帰国したのだが――その人たちが、半年経って、そして1年経って、
記者会見して「つらい。政府は早くなんとかして……」と話すのは、こたえた。

コイズミは、政治家にはめずらしく、侠気の漢(おとこ)であるのかもしれない。

もちろん10人の安否不明者、そのほかの特定失踪者の問題もあるけれど、
曽我さんを、地村さんを、蓮池さんをなんとかしたいと、…………なんと、
一国の宰相自らが考えてしまったのである。

ああ、なんという純情……、政治家なら、もっともっと
ずる賢くなくちゃダメじゃないか……、そう思わずにはいられないほどだった。

コイズミの誤算は続いた。

その一つには、曽我さんの夫、ジェンキンスさんに対する米国の姿勢の硬さだった。
これは別項でふれることにするけれど、米国からすれば、ジェンキンス氏は、
許しがたい、とんでもない犯罪人であるのだ。
が、細かくは、やはりここではふれないことにする。

●逆転のために密かに用意した武器、それが……

いずれにしても、コイズミは政治家にあるまじき正直さを発揮してしまい、
自らその陥穽に落ちる危険にさらされ始めた。

それを跳ね返す武器として、実は今回、マスコミが疑問も持たず報道している
25万トンのコメ支援、日本円で10億円――
1000万ドルというとピンとこないが――を超える医薬品支援だったのだ。

コイズミ首相は、批判をこの点では覚悟していた。

また、今回の会談、外務省の怠慢コンビを担当者にせざるを得ない事情があった。
ソイツらにお膳立てを任せなければならない、この矛盾の大きさはなんだ――、
そう思ったかもしれないが、コイズミはがまんした。

これにはさまざまなことがからんでいる。
結局は自分から辞表を叩きつけて辞めた福田康夫前官房長官もからんでいる。
ちなみに、福田氏の辞任も、いまにして思えば、年金問題が主で辞めたのではない。
そんなふうに考えているマスコミ関係者がいれば、その人はよっぽどの間抜けだ。

外交――について、極限状況のなかで首相と福田氏は、対立してしまったのだ。

また話はズレるが、だからこそ、首相は落選中の盟友、山崎氏を
頼らなければならなかったのだ。これらについて、
簡単に言うと、マスコミの報道は、すべて順序が逆になっている。

●札束で、金正日の頬ッ面、引っ叩いてやる!

首相は批判を覚悟して、会談の準備をし、構想を練った。

つまずけば…………、もし当日の会談でだが、
札束で、25万トンのコメと10億、20億のカネで、
金総書記の頬ッつらを、――――引っ叩いてやる!!

コメ25万トン……今の北朝鮮にとって、どのくらいに見えるか。
10億、20億……、否、場合によってはそれ以上のカネだって、
オレは言い出してやる。

それを拒絶するだけの勇気は、いまの北朝鮮にはあるまい。
だから差し出せ、いま、北朝鮮に拉致している日本人全員を!

コイズミは、――そう、凄みたかった。
だから支援内容は、最後の最後まで秘匿したかった。

コイズミの覚悟した武器が、実はヤマザキにも、決して相手に語らせなかった、
今回の人道支援だったのだ。

北朝鮮からも、その話がなかったのでは――だって?
バカな!北朝鮮の最大の関心事は「経済支援」に他ならない。
日本がどう出てくるか――それを読もうとして、やり合っているのだ。

だから……こう言っては悪いけれど、ほんとうにバカな日テレだ。
ほんとうにバカだ、まわり中…………!

●完全に手の裏を読まれたニッポン外交

北朝鮮は日本政府の動きを、こと細かく注視し、分析しているし、
それは即刻、金総書記のもとへ届いてもいる。
当然のことながら、報道と同時に、コイズミの隠していた武器は
あからさまになってしまった。

あからさまになった時点で、それは既定のお約束に近いものに、
変容してしまった。外交カードでも何でもなくなった。

効き目も何も期待できないものになってしまった。

山のような大金を積んで、相手の頬を引っ叩く。
そして、少なくとも8人は連れて帰る。

その、いざというときのつっかえが、なくなってしまった。

今回のような、ジェンキンス氏と交渉などする必要がないことなのだ。
頬を引っ叩き、ジェンキンス氏を国外追放にでもなんでもさせればよいだけだった。
少なくとも、他の子供たちと同じように、妻、ひとみさんのところに会いに行けと、
そう、北朝鮮当局が命令すればすむ話だったのだ。

●リングの闘い、いまも……

外交の場では、相手のカードを読んだほうが勝つ――。
そんな、幼稚園の生徒にも教えられるような、ごく当たり前の法則によって、
コイズミは劣勢に立たされた。

過去の記事で、情報元に少しふれているので、いまは触れないが、
流した人間には意図があり、報道した人間は商業主義に過ぎないことを
思うと、気持ちが塞ぐ。

だいぶ長くなってしまった。いずれにしても……、家族の怒りは
ほんとうにわかるのだけれど、首相の内なる怒りをも思えば、
今回は批判する側には、あまり回りたくない。

それに、彼、コイズミは、まだ……、リングを降りることを許されていない。

                  ※※

※今回の会談は、短い期間にさまざまな局面で、想像を絶する駆け引きがあった。
激闘だったと思う。それがよく伝えられていない。北朝鮮とはもちろんだが、
中国とも激しい駆け引きがあったし、米国とも厳しいやりとりがあった。
そしてそれは、今も終わっていない。
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by yodaway2 | 2004-05-24 00:15 | 北朝鮮問題、どうする
首相訪朝、平沼氏らを同行させればよかった。
いま、サンデープロジェクトを見ている。
拉致議連の平沼氏、もしくは自民党の安倍幹事長を動向させることなんて、
できなかったのかナ――と、ふと思った。

ああいう、キツメのキャラクターが、もう一人、必要だった。

今回の首相訪朝に同行した山崎官房副長官は荷が勝ちすぎ。
田中、藪中の2人の外務官僚は、もともとあてにならない人物だった。

               ※※

首相は北朝鮮へ向かう機中、機内食にも手を付けず、
誰と話すこともなく、一人、考え込むようにして時を過ごしたという。

家族会の怒りはもっともだけれど、首相の心中を思うと、それもまた切ない。
コイズミ首相は、やはり窮地に立っていくに違いない。
失速の恐れが……やはりある。

ニッポンにとっては、キツイことになるかもしれない。
いますぐに、彼に替わり得るリーダーがいるのだろうか……。
民主党も含めて、いろいろ顔を思い浮かべるのだけれど、
そうだ、あの人だ――、と思える人物が、なかなかいないような気がする。

サンデープロジェクトを見たのは数ヶ月ぶり。
この項――、短信にて失礼。


追記/平沼氏は亀井派。首相の政敵の1人。
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by yodaway2 | 2004-05-23 11:11 | 北朝鮮問題、どうする
コイズミさん、なぜダメなの――と、我が家族。
私の数少ない家族――妻の、ニュースに対する感想は、
ときどき、すごく私をほっとさせてくれることがある。
いま、遅い食事を済ませ、2人でテレビを見ている。

「でもサ……、ここまでだって、大変なわけだから、首相を認めてあげても
いいんじゃないのかしら……。私まで、なんだか、ちょっと涙が出そうよ。
そんなこと(批判)ばかり言っていたら、前の人(前の総理大臣)、
何もしなかったじゃないの」と、彼女。

続けて、テレビに映る批判の声を聞きながら、
「小泉さんが行かないより、何倍もマシなんじゃないの。
なぜ、ダメなの」と。

ウーム、mmmmm……。
これが始まりになるのであれば、それはそれでよいのだが。
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by yodaway2 | 2004-05-22 23:15 | 北朝鮮問題、どうする
家族会、反発。「予想していた最悪の結果」――と。
18:15、家族会の会見が始まる。
横田会長が冒頭で「予想していた最悪の結果だった」と述べる。
「解決が遠のいた……、我々としては落胆している、涙も出ない、
怒りの声が飛び交っている」とも。

家族会に同席している拉致議連の平沼赳夫会長も
「首相は、制裁措置は発動しないと言ってしまった」と。

首相は、意に反して、厳しい批判にさらされていくに違いない。


                 ※※

今回、あれっ――と、思ったのは、
前回のような日朝共同宣言までは行かなくとも、
なんらかの共同声明のようなものが発表されると考えていた。
まったく用意されていなかったのだろうか……?
不可解に思うのだが……。

何をやってたんだろう、ガイムショウは?
これじゃあ、ほんとうに家族を迎えに行っただけだ。

今後の世論の動向、自民党内の評価によっては、
国交正常化交渉も動かぬことになりかねない。
すると、結局、10名の安否不明者の再調査も進まないことになる。
特定失踪者については、手がかりもつかめぬことになる。

首相はいま、閣内についても、党内についても、
それをしっかり押さえることのできる側近、参謀を得ていない。

少し前まで、党内については山崎拓氏がにらみをきかせ、
閣内は福田前官房長官がまとめていた。
山崎氏は落選し、福田氏は自ら閣外へ去った。

コイズミ首相は……、まるで、飛車角抜きで将棋を指しているように見える。
波乱含みとなりそうだ。……政権の失速につながりかねない。
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by yodaway2 | 2004-05-22 18:21 | 北朝鮮問題、どうする