週刊!Tomorrow's Way
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テーマはその日の出来事、ニュースから。あと50年経てば、いまの時代、どう語られているのだろうか。
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メッセージ
「吾、汝の言に反対す。されど吾、汝の、その言を言うの権利、死に至るまで擁護せん」。学生時代に出会った言葉です。政治をめぐる意見に賛成、反対はつきもの。お互いを尊重しつつ、意見を述べ合いたいものです。 
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カテゴリ:中国と、どう付き合う( 62 )
趙紫陽氏の残した言葉。中国の腐敗は抑制できない……と。
17日に死去した、中国の元共産党書記長、趙紫陽氏が、
生前、現在の国家指導者、胡錦濤国家主席らに、
非常に厳しい批判の言葉を残していた――とのニュース。
11時50分現在、日経(北京共同)、読売の2紙が伝えている。
・日経(圧縮)→http://qrl.jp/?175108

                    ※※

●思想も信念もない、どう進めてよいのかもわかっていない……。

趙紫陽氏は89年の天安門事件で、誤った指導を行った、として失脚させられた。
以来、15年間、趙氏は北京市内の自宅に、軟禁状態に置かれてきた。

批判は昨年夏、趙氏の自宅を友人らが訪れた際に話された内容とのことで、
ニューヨークに本部を置く人権団体「中国人権」が発表した。
元記事の著作権を気にしつつも、非常にひっかかるので、
ソースが消えてしまう前に、「」の中の部分(本人の言葉)のみをカットしておきたい。

まず、日経から。
>(政治腐敗対策や民主化に)思想も信念もない。
>一度天下を取ったらいつまでもそこに居座れると思っている。

>(インドネシアで長期間、独裁政治を続けた)スハルト軍事政権下の
>腐敗よりもさらに深く社会に浸透している。

>胡主席も温家宝首相もどう政治改革を進めていいのか分かっていない。
>西側世界の資本主義も当初はひどかったが、中国が歩んでいる資本主義は最悪だ。

                    ※※

●共産党が、今なお、あらゆる資源を握っている……。

以下は、読売から。
>現職の指導者には(政治の現状を変えようとする)理想や信念がない。
>彼らは中国をどこに導くべきかわかっていない。

>胡錦濤(総書記)と温家宝(首相)に政治体制改革に対する考えがあったとしても、
>多くの既得利益者の恨みを買うことは難しい。どうしようもない。

>共産党があらゆる資源を握っているという基本的事実は(過去と)変わらず、
>腐敗は抑制できない。中国のように深刻な国は世界でもまれだ。

                    ※※

以上の言葉は、趙紫陽氏が不遇の身にあったとは言え、
中国をどう見るか――について、気にとめる意味はありそうだ。


                    ※※

●中国経済、04年に9・5%の成長、対中貿易額は第1位に。

25日、中国国家統計局は、2004年の中国の、
国内総生産(GDP)の伸びは9・5%になったと発表した。
中国政府は経済の過熱を警戒し、引き締めを図ろうとしているが、
投資ブーム、消費ブームにはブレーキがかからない。

日本の高度経済成長時代も、年平均10%という、驚異的な成長率を残したが、
数字だけの比較では、ほとんどいっしょのよう。

また、26日に財務省が発表した2004年の貿易統計によれば、
対中国の貿易額は22兆2500億円(通関ベース、含む対香港)となり、
対米貿易額の20兆4795億円を抜き、第1位になった。
これは、戦後初めてのこと。

                    ※※

●経済の沸騰に、警戒感は薄らいでいる……?

日本の高度経済成長時代も公害問題や首都圏、都市部への人口集中など、
さまざまな問題が生まれた。また、遅れて首相になった田中角栄氏は、
公共事業費をバラマキ、社会保障費を増大させ、その後の日本に、
非常に大きなツケを残した。

しかし、中国のそれは、国が大きいだけに、さらに壮絶――であるのかもしれない。
それを趙紫陽氏は語っていた。

もちろん、中国政府、現在の国家指導者も、そのあたりは
十二分にわかっているとも思われるので、これから先、うまく調整するかもしれない。
それに、ちょっと前までは中国経済の先行きについて、
警戒論が多かったと思うのだが、最近になって、
楽観論が増えているのではないか――との感触が感じられる。

例えて言えば、「バスに乗り遅れるな」――、だ。
そして、その熱気に呑まれるようにして、警戒感は薄らぎつつあるのではないか。

                    ※※

●趙紫陽氏宅の前で慟哭する人々……。

趙紫陽氏が亡くなったことに対する、中国政府の伝え方は、
とくに国内向けではTV報道をほとんど行わなかったなど、極めて制限されたものだった。
中国政府は、天安門事件の記憶がよみがえることを恐れた。

人々の、自宅への弔問は許されることになったが、
これは当然のことながら、当局の監視下に置かれていたはず。
大学なども監視下に置かれていたらしい。
葬儀には、ロイターの報道では約2000人が参列したらしいのだが、
それはすべて、事前に認められた人だけの参列だったのだという。

                    ※※

テレビのニュースで、趙紫陽氏の自宅を弔問する人々の映像を見た。
慟哭する初老の婦人……、うわぁ、と泣き崩れるようにして、
「あなたがいなくなって、誰が導くの」。
同じく初老の男性。「中国で唯一、正しい道を貫いた指導者だ」。

                    ※※

●いまも鮮明な、天安門広場での姿に……。

89年の天安門事件のときの、趙紫陽氏の姿を、はっきりと覚えている。
学生たちの中に分け入って、小さなハンドマイクを握り、話した。
「来るのが遅くなった」……。

そして、ハンストを続ける学生に中止を呼びかけ、泣いた。
立てこもったバスの中から、手を差し出す学生に対し、握手で応えもした。

けれども、趙氏のそうした行動は、鄧小平氏の逆鱗にふれることとなった。
鄧小平氏は、趙氏が民衆の前で泣いた姿を許さず、失脚させた。

                    ※※

すさまじいばかりのエネルギーを孕み、膨張の続く中国のパワー……。
しかし、いつ動揺に見舞われるかも知れず、それはまるで、
巨大なロシアンルーレットかチキンゲームのようにも思えてくるのだ。


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by yodaway2 | 2005-01-30 23:56 | 中国と、どう付き合う
中国、「反国家分裂法」をめぐる、日米との舞台裏の戦い――。
台湾(中華民国)の独立を阻む「反国家分裂法」の制定をめざし、
中国政府は17日に、中国全国人民代表大会(国会)において、
初めて、同法草案の審議をすることに決定した――と報道があった。

そして昨日の19日、このことに関連するニュースがひとつ、目に止まった。
『米国の反対で名称変更か 中国の「反国家分裂法」 』(共同通信)
・共同(インフォシーク)→http://qrl.jp/?155955

記事は台湾の通信社、中央通信による報道を伝えたもの。
中央通信はワシントンの消息筋の話、としている。

記事によれば、同法は当初、「統一法」との名称のもと、
「統一に応じないなら制裁を受ける」との規定も盛り込まれる構想だった。
しかし、その構想を数ヶ月前に、米国に示したところ、米国は強く反対。
中国側は米中関係の悪化を恐れて、ニュースにもなった「反国家分裂法」と
名前を改めたのだという。

                    ※※

「反国家統一法」は読んで字のごとし、
中国と台湾の統一(中国による吸収)に反する動きを封じ込めるのに、
法的な根拠を与えようとしたものと理解できる。

台湾では先ごろ、国会の選挙が行われたが、独立派の与党が多数を
占められなかった。それは中国にとって喜ばしいはずで
ならば中国は、もう少し余裕を見せてもよさそうなのだが、
雰囲気としては、ますますピリピリ度を高めているように見える。

米国は米国で、中国があって台湾があるといういまの状態に、
なんらの変更も望んでいない。それは日本も同じ。
それで、「統一法」に激しく反発して見せた。

いま、名称は「反国家分裂法」となり、国会審議にかけられるとのことだが、
「反国家統一法」も「反国家分裂法」も、法律の主旨は
変わらないとみてよいと思われる。
そして米国も、基本的には警戒感を強めているに違いない。

                    ※※

いくつか前のエントリーにおいて、
台湾の李登輝前総統への来日ビザの発給についてまとめてみた。その中で
ビザ発給の意図として、中台関係への牽制の割合についてはうやむやにした。

しかし、ビザ発給決定の翌日に、台湾独立阻止を狙う法案の、はじめての、
国会審議決定のニュースが出てきたりする。
そして昨日は、その法案をめぐって、数ヶ月も前に中国政府は米国に、
事実上の通告を試みていた。――そして、米国はそれを撥ね付けようとしていた。
日本の立場としては米国とほぼ同じと言ってよいと思う。
・共同(インフォシーク)→http://qrl.jp/?161245

となると、振り返って見れば、李登輝氏へのビザ発給、そして来日は、
おそらく数ヶ月も前から日本政府は検討を重ね、
中国政府の法案審議決定をにらんで、紛れもなく、牽制にかかったのだ。
しかも、それが日米の、緊密な連携のもとに。

李登輝氏へのビザ発給の話は、唐突な印象もあったのだが、
それは決して降ってわいた話ではなく、舞台裏での丁々発止があって、
さらに、さまざまからんで決まったことなのであった。

ゆえに、日本政府には、動じるふうもない――ということになるのだろう。

                    ※※

李登輝氏は孫娘などを連れて、日本の観光を楽しむ――というけれど、
やっぱり、それは疑いもなく政治的な意図がこめられているし、
それは当然にして、かつ、構わないことなのだと思う。

いずれにしても、このことに限らず、政治の判断において、
理由の伴わないことなど、ほとんどあり得ないと思われる。


※今日から2泊3日で沖縄に旅行します。李氏ではありませんが「観光目的」です。^^
いろいろ書きたいこともあるのですが、明日は更新が難しいかもしれません。では、また。
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by yodaway2 | 2004-12-20 02:02 | 中国と、どう付き合う
李登輝氏にビザ。ひょっとして、仕掛けてる――???
★長くなってしまったので、お時間のない方は、どうぞ見出しのみを。^^

台湾の李登輝前総統に、日本政府がビザの発給を決めたことに対して、
中国政府が「激しく反発」(サンケイ)してきている。このニュースについて、ひと言。
ソースはいろいろあるけれど、下記サンケイ、毎日などを参照。
・サンケイ(12/16、19:16)→http://www.sankei.co.jp/news/041216/kok073.htm
・毎日(12/16、11:23、圧縮)→http://qrl.jp/?163910

                    ※※

●オトボケムードの日本政府。――「断る理由もない」と。

この件について、政府首脳はけっこうオトボケムードだ。
たとえばホソダ長官。「日中関係は従来通り重要であり、幅広い協力関係を
深めていく。……日中関係に大きな影響を与えると考えていない」と、
いつもの斜めうつむき姿勢、”ボソボソダ長官”調で。(16日午前の会見)

コイズミ首相。「(申請を)断る理由ない」、「友好関係を重視していく」、
「(けん制の意味合いは)まったくない」――と、そっけなく。
いつもの、ワンフレーズ連発回答法で。(16日昼のぶらさがり)

マチムラ外相は都内での講演で「今や一私人になった人が
観光目的で来ることについて断る理由がないという単純簡明な理由だ」と、シラっと。

                    ※※

●エキサイトしまくる中国政府。――報復もチラつかせ。

これに対して中国側のエキサイトぶりはすさまじいのなんの。
まず中国外交部(中国の外務省)、劉建超報道官が間髪入れず会見。
「これは『台湾独立』勢力による分裂活動への黙認と支持であり、
また中国の平和統一事業への挑発でもある」。(16日、人民日報電子版)

王毅駐日大使も16日午後、外務省の竹内次官を訪ねて、次のように言った。
「中日関係の改善には双方が努力することが必要。
日本側が一途に難題を造り出し、問題を引き起こすならば、
必ずその行動の結果を自らが受けることになるだろう」。(同上)
……必ずその行動の結果を自らが、とはコワ。^^

また、共同の記事によれば、中国政府は16日午前に、
阿南惟茂駐中国大使を呼び付け、撤回を要求――。
その記事の見出しには「中国、報復の可能性も 大使呼び撤回申し入れ」と。
記事の中に具体的な発言は記されていないものの、
「報復」をにおわせる発言があったことを匂わせている。
・共同(インフォシーク、圧縮)→http://qrl.jp/?150947

李登輝氏へのビザ発給については、ホソダ官房長官が
記者会見で明らかにする前に、中国政府に通告していた。
中国は、さぞや忙しかったことだろう。

外交部のスポークスマンが会見し、駐日中国大使が外務省に吹っ飛び、
日本の駐中国大使を呼びつけ……と、レベル5の対応なのだ。

                    ※※

●抗議にも「李氏は完全に私人」と、シラっと。

しかし、以上のような中国側の反発にあっても、けっこう、政府はシラっとし続けている。
ホソダ官房長官は「李氏は完全な私人だ」と、発給方針を変更する考えがないことを表明。
カッカする中国に、ホソダ長官はあいかわらずのボソボソダぶりを変えない。

                    ※※

●「渦中の人」となるだけで、李氏は十分――?

李登輝氏の来日希望には、やはり政治的意図はからんでいると見る。
台湾では、ついこの間、立法院選挙(国会議員の選挙)が終わったばかり。
李登輝氏の来日希望は今年8月にも伝えられていたというのだが、
そのとき、政府は立法院選挙に影響を与えるとして、ビザ発給を見送った。

しかし今回は選挙後であり、その条件ははずれた。
李登輝氏からすれば、台湾の与党、民進党(独立派)が選挙の結果、
結局、多数を占めることができなかった(もともと少数与党)ために、
いまだ独立派の精神的支柱である李登輝氏としては、
こうして「渦中の人物」となること自体、政治的な存在感を示すことになる。

                    ※※

●政治の選択に「理由」のないことなど、あり得ない。

ただ、コイズミ首相は前述16日昼の、記者によるインタビュー(ぶらさがり)で、
記者が中国を牽制するねらいがあるのではないか――とたぶん聞いたのだろうが、
それに対して、「まったくない」と答えた。
中台関係について言えば、牽制の意図は、あるかもしれないし、ないかもしれない。
でも、この局面では「ないかもしれない」の可能性が高く、発言はウソではないと見る。

しかし……、どうだろうか。
政治の選択に理由が伴わないことなどないのだ。
今回の一打は、中国側が混乱に陥っていることを見れば、
何か、わざと仕掛けたようにさえ感じる。

                    ※※

●メンツなら、日本もだいぶ、つぶされているよね――。

ちょっと、どの記事だったか見失ってしまったのだが、
先の胡錦濤主席との会談、温家宝首相との会談において、
そのどちらにおいても、台湾の独立問題が話題にされたという。それで、
今回のビザ発給決定は、中国側のメンツをつぶすものとなった――というのがあった。

先の首脳会談においては、中国潜水艦による領海侵犯の再発防止、
EEZ内の無断航行中止の意を含む東シナ海ガス田開発での誠実対応について、
日本政府は中国側に要請した。

しかし、つい1週間ほど前だったと思うが、中国側のEEZ内無断航行は、
またも繰り返され、それに対して中国側はわびるそぶりも見せなかった。
さらに、ガス田の試掘(事実上の掘削、本土への供給)も近々再開されるとの観測がある。

日本側も、ずいぶん、メンツをつぶされている。

                    ※※

●政府は冷却関係を、敢えて放置しようとしている――?

ちょっと思いのほか長くなってしまったので、結論を急ぎたい。
いま、中国との間には、あまりに距離のある事案が多すぎる。
急いでどうにかなるものとも言えなくなってきた。

資源問題、日中境界の問題、領土問題、靖国参拝問題に加えて、
北朝鮮・拉致問題、国連常任理事国入りの問題も、明らかな対立事案になっている。
対立の火種は、まだまだありそうだ。もちろん、その一つに台湾問題の緊張もある。
アジア諸国間における綱引きの問題だってある。

日本政府は、中国との間の、政治面における冷却を放置してもかまわない――と、
内心、思い始めているのではないだろうか。
首脳同士の相互訪問(次は中国首脳の来日)なども、口で言うほど、
すぐに実現しなくたって構わない、とか。

根拠を書くには、相当な字数が必要になると思うのだけれど、
中国との対立を、もはや仕方なし……と、腹をくくり始めているようにさえ見える。
少なくとも、中途半端な友好は、かえって問題の根本解決に
障害となる、と考え出しているのかもしれない。
その意味では外相が交代し、静かに舵取りが違ってきているのだろう。

                    ※※

●このごろ、けっこう図太い対応を見せているかも――。

かねてこのブログでも書いてきているとおり、日本と中国は、
無理にベタベタしなくても良いと思う。
国益は、それほど対立の要素を、生来的に抱えている関係なのだ。

だからこそ、そこから先、大人の付き合いができるかどうかだし、
さらには駆け引きも必要――となる。

日本政府の対応について、それは止めておいたほうがいいのになア……と思うことも
多いのだけれど、文脈全体としては、なかなか図太い対応を
見せるようになってきていて、ちょっとこの頃は、おもしろく感じているのだ。

もうちょっと、振り回してみるのも、悪い手ではないかも。

                    ※※

●経済界には申し訳ないが、当分、自助のご努力を――。^^

経済界、中国に進出、もしくは取り引きのある企業の方々は、
大変な時が続くかもしれない。
政府は、まだちょっとこの先も、冷たい関係を継続しそうなので、
自助のご努力によって、がんばっていただくしかないかもしれない。


※あわててまとめたので、誤字脱字、いっぱいあるかも。そのときは失礼。
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by yodaway2 | 2004-12-17 15:35 | 中国と、どう付き合う
温家宝首相、「雪上加霜」と。大人の駆け引きなら、受けて立つべし。^^
毎日新聞が今日、日中首脳会談のやりとりについて伝えている記事――、
「どうなる対中ODA 中国、一方的見直し抵抗」について。
・毎日→http://www.mainichi-msn.co.jp/search/html/news/
2004/12/14/20041214ddm003070090000c.html


首脳会談は11月30日にASEAN+3に際して開かれたもので、
記事のもとになった情報は外務省から仕込んだものとのこと。

席上、中国側、温家宝首相は、日本側に高まる対中ODAの
打ち切り論議について、次のように噛みついてきた言うのだ。

「今までの国家建設からみると、
円借款の重要性が減少してきているのは事実だ。
しかし、中止したら『雪上加霜』になる」。

                    ※※

記事全体としては、これまで伝えられている報道に対して、何か特別に
見方を変えなければならない情報を含んでいるとは言えないと思うのだが、
ただ、「雪上加霜」――セツジョウカソウのコトバに、ふーん、と思った。
さすが故事成語の本家本元、おもしろい表現だなあ……と感じてしまったのだ。^^

記事中にも「災いが重なるという意味」と
解釈が示されているのだが、さっそく広辞苑で引いてみた。
「雪上、霜を加う。物の多くある上に、さらに同種の物を加える事のたとえ。
多く、変わりばえしない意に用いられる。また、災いが重ねて来るたとえ」。

                    ※※

中国側からすると、政治面ではコイズミ政権誕生以来、
コイズミ首相の靖国参拝に振り回されっぱなしで、ギクシャクしたまま。
そこへさらに「対中円借款打ち切り」――の話。

日本側からすれば、先のアジアカップでの反日的応援、
東シナ海のガス田開発、EEZ問題への不誠実な対応、
国連常任理事国入りの不支持表明、そして潜水艦の領海侵犯事件……。

両国は、政治の面では平行線どころか、すでに「冷戦」に突入してしまったかのよう。
中国が反日であれば、日本には嫌中的な雰囲気が広がりつつあると思われる。

雪のうえに、たしかに、霜まで降り積もっている。

                    ※※

日中首脳会談については、このブログでも何度か取り上げさせていただいた。
とくに、12月3日には、おそらく(間違いなく)中国側の情報に基づくと思われたが、
NHKが会談のやりとりを報道し、そのことについてエントリーしている。
・当ブログ(12/3)
 →今回はハメられたかも。日中首脳会談、第二幕――、コイズミVS温家宝。

そのときは、温家宝首相の発言について、NHKの報道から次のように書き留めた。
>今は、どうしても円借款が必要な状況ではないが、
>中日友好の大局に立って決断している。
>仮に、これを中止すれば、両国関係ははじける状況になる。
>われわれは先の戦争の賠償を一銭も求めておらず、慎重に対応すべきだ。
>仮に日本がこの問題を取りあげるならば、中国から中止を言いだすかもしれず、
>中日友好には不利だ。

「はじける状況になる」――これだけではあからさますぎた。
ところが、実際には、やりとりには比喩が用いられてもいた。

また、後に交わした「靖国参拝」の問題についても、
温家宝首相は「鈴を解くのは、鈴を結んだ人しかできない」との、
中国のことわざを用いた。

ただ、NHKの報道だけでは、それが中国側からの情報リークであったこともあって、
どうも日本側が一方的に守勢に立たされてしまった印象を抱いていた。
しかし、やりとりにはマナーもあり、むしろ、中国側の「願望」を
引き出したととらえるなら、日本側もポイントは上げていたのかもしれない。

つまり、これだけはなんとかしてほしい、と相手に言わせているように
感じられなくもない。甘いだろうか……?(^^)

                    ※※

とりとめもなく、エントリーを書き進めてしまったけれど、
先週、町村外務大臣の国会答弁を、たまたまテレビの中継で聞いていた。

冒頭の毎日の記事でもふれているのだが、
私には、こうした首脳会談のやりとりがあったにもかかわらず、
町村外相は、対中円借款の見直しは既定の検討事項――と、
実にあっけらかんと述べているように聞こえた。

この人、けっこう、図太い答弁をしているなあ……と感じた。

                    ※※

日中関係は、大枠での友好関係から、大枠での緊張関係におもりが動きつつある。

今回の毎日の記事を読み、お互い、緊張関係にあることを意識しつつも、
大人の駆け引きをしていくのなら、それはそれで悪いことではないと思えた。

そして……、どうせ駆け引きするのなら、図太くものを言い、
こちらから相手を振り回していってほしいと、今日は考えてみたのだ。


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by yodaway2 | 2004-12-14 20:14 | 中国と、どう付き合う
中国、巧みに、油断しないで付き合いたい相手だ。
昨日の「今回はハメられたかも。日中首脳会談、第二幕」――の補足ですので、
どうぞ合わせてご覧ください。

                    ※※

●円借款、「互恵資金協力」とは何を意味したいのだろう――?

補足したいのは、2日付け、人民日報(ネット版・日本語)による
中国外交部の会見記事について。
内容は、日本からのODA打ち切り(円借款打ち切り)の論議に対するもの。
・ソース→http://j.peopledaily.com.cn/2004/12/03/jp20041203_45699.html

中国側は記者の質問に答えて、日本側からの円借款打ち切り論議について
「難解」とし、次のように述べている。

>世間が知っている通り、対中円借款は特殊な政治的・歴史的背景のある互恵資金協力だ。
>上述のような無責任な議論は、中日関係にとって損害にしかならない。
>中国には自身の力で経済建設を行う能力があり、平等互恵を基礎として
>対外協力を展開していくことも望む。日本が両国関係の大局に
>責任を持つ態度でこの問題を適切に処理するよう望む。

これはコイズミ・温会談にける温首相の発言とほぼ一致している。
中国は「自身の力で経済建設を……」と矜持を見せつつ、
円借款は「平等互恵」――、つまり、双方の利益になっているだろうと主張する。
温首相は首脳会談の席で「先の戦争の賠償を一銭も求めていない」(前エントリー)とも
言っており、円借款は戦争に対する償いなのだし、それを受けてやっているんだ、
という論理と理解できるのだが、どうだろう。

中国は日本からの円借款を受けておきながら、巨額な費用のかかる
宇宙開発、核開発を進め、海軍を増強しており、日本の安全を
脅かしつつあるのは周知のとおり。ここではこれ以上に触れない。

●中国側はNHKに報道させ、封じ手を打ってきた。

温首相は首脳会談で「日本がこの問題を取りあげるならば、
中国から中止を言いだすかもしれず……」と話したことを、
NHKにリーク(たぶん)し、昨夜のニュースで報道された。

日本は日中境界線問題、資源開発問題などで、対中円借款を
外交カードにしようとしたのだが、それに対して封じてを打ってきた。

コイズミ首相からすれば、こうなると、相手の出方も見極めなければならず、
うかつに円借款問題では踏み込めなくなるかもしれない。

なお、この問題について、下記の中国側・関連情報を確認しているので、
ご用とお急ぎでない方はどうぞ。(いずれも、モチ、日本語。^^)
・北京放送「日本の中国への政府開発援助見直しを理性的に見る」
http://qrl.jp/?142737
・北京放送「中国外務省スポークスマン、日本国内における対中円借款に対する
無責任な議論の適切な処理を希望と表明」
http://qrl.jp/?145472

                    ※※

●安保理常任理事国入りでドイツを取り上げ、日本に触れず。

以上の問題とややズレてしまうのだけれど、やはり人民日報(前同)による
「外交部報道官、安保理常任理事国の増加を支持」の記事。
・ソース→http://j.peopledaily.com.cn/2004/12/03/jp20041203_45725.html

日本も安保理・常任理事国入りに手を挙げているので「やや、や?」と思い、読んでみた。
>中国は安保理改革を一貫して支持しており、安保理常任理事国の増加、
>特に発展途上国の代表を常任理事国とすることを支持している。……。
>ドイツの役割に関する中国の認識では、ドイツは欧州で重要な影響力を持つ国であり、
>われわれはドイツが現在の国際政治において積極的役割を果たしてほしいと考えている。

これも記者の質問に答えた形式をとっており、記者は「ドイツの常任理事国入りを
支持するのか」――としたものだったが、「日本」の「に」の字もない。これも、
日本語サイトに掲載した、中国政府の強烈な意図の働いたメッセージと受け取れる。

なお、常任理事国入りについてはインド、ブラジルも手を挙げていて、ドイツも加えて、
日本は相互支持で一致しているのだが、中国は上記「特に発展途上国の代表を
常任理事国とすることを支持している」との表現により、インド、ブラジルにも支持の
意を表している。――つまり、日本のみ触れていないことになる。

                    ※※

●まさか、日本のレジーム・チェンジを目論んでいる?

民主党の「日中交流促進議連」についても、ひと言のみ追加。
初会合の記念講演が、王毅駐日中国大使であったことは、
いまのタイミングを考えれば、それが中国とも十二分に意を通じての動きであったと、
世間から受け取られても、それは仕方ないのではないか。

政治に限ったことではないけれど、同じことをしても
プラスになるときとマイナスになるときがある。
政治では、ことにタイミングの問題であることが際立つと思う。

今回の議連立ち上げは、明らかに後者――。

自民党の安倍幹事長代理が北朝鮮問題に関して
「レジーム・チェンジ」(体制変革)なる聞きなれない言葉を持ち出しているけれど、
今回の議連に中国側の仕掛けが入っているとすれば、真昼に堂々と、
政権の対抗政党を利用して、まるで「レジーム・チェンジ」を目論んできたもの――とは、
考えすぎと思うが、心配になった。

もちろん、心配はコイズミ政権の行方じゃない。
このことで、何よりも、この国が揺さぶられていると感じてしまったのだ。

日本と中国は外交のうえでとはいえ、もはや「戦争状態」に近い。
どなたかが、日本と中国の今の関係を「冷戦」と表現しているのを見かけたが、
私も同じように感じている。

                    ※※

一つ前のエントリーにいただいたコメントへの返信で、
中国側はコイズミ・胡錦濤会談で失ったポイントを一気に回復しようと、
ラオスでの首脳会談を仕掛けてきたのではないか――と書いたけれど、
であるとすれば、温家宝首相はねらい通りの成果を手中にしたのかもしれない。

中国は、もちろん、付き合わないわけにいかない相手――。
しかし気を許してはいけない相手。巧みに、付き合っていくしかない。


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by yodaway2 | 2004-12-04 13:30 | 中国と、どう付き合う
今回はハメられたかも。日中首脳会談、第二幕――、コイズミVS温家宝。
NHK午後10時のニュース10を聞きながら、キーを叩きはじめた。
冒頭のニュース。――先にラオスで開かれた日中首脳会談の席で、
中国の温家宝首相はコイズミ首相に対して
「中国への円借款(ODA)を打ち切れば、両国関係ははじける」――と、
ブラフ(脅し)をかけてきていたようだ。

まったくもって、驚いた。

私としては情報元は、今回も、APECのときと同じように、
中国側からのものと思わざるを得ない。
NHKはそれに乗っかって報道したのではないか。

今日、NHKが伝えた情報は、ほとんど中国側のセリフ、主張が中心になっていて、
NHKは「会談の詳しいやりとりが明らかになりました」などと原稿を読んだけれど、
とてもそんな代物じゃなかった。

                    ※※

●会談を仕掛けてきた中国側……、何か嫌な感じがしていた。

今回のコイズミ首相と中国・温家宝首相との会談は、APEC後、
日本側が動きを見せなかったのに対し、中国側から誘いがあったとの話が、
外務省筋から漏れていた。中国側は否定したが、
外務省が偽る理由も見つけにくく、そのとおりだと思われる。

事実、コイズミ首相はラオスに発つ前、インタビューに応じて
「日中韓、3カ国で首脳会談するので、2国間ではいいと思ったんですけどねぇ。
(靖国問題を持ち出されたときには)まあ、同じ話をするだけです」と話していた。

実は……、少し嫌な感じがしていた。中国側から申し入れがあったなんて、
何か魂胆があるのではないかと、引っかかっていた。

会談の結果は日本側、コイズミ首相にとって、まことにかんばしくなかった。
コイズミ首相からの発言は、靖国問題にしろ、潜水艦事件にしろ、
東シナ海資源開発問題にしろ、前回の胡錦濤主席にしたのとほぼ同じ内容。

それに対して中国側、温家宝首相は事前に、
コイズミ首相の発言を予想し、十二分に”研究”していたのではないか。
前回は五分と見ることもできたけれど、今日の報道によれば、
今回は気圧されて終わってしまったように思える。


今回、「首脳会談したい」……なんて言い出してきて、
ハメられたかもしれない。


                    ※※

NHKのサイトを開くと、すでに記事がアップされているけれど、
NHKのサイトは記事の更新が早く、すぐに見ることも読むことも
できなくなってしまうので、前回の日中首脳会談同様、
「」の部分を中心に、取り急ぎタイプ(コピペ)してみたい。

                    ◇

●ODA打ち切りになれば「2国間関係ははじける」――とブラフ。

【対中・ODA問題】
▽温家宝首相/今は、どうしても円借款が必要な状況ではないが、
中日友好の大局に立って決断している。
仮に、これを中止すれば、両国関係ははじける状況になる。
われわれは先の戦争の賠償を一銭も求めておらず、慎重に対応すべきだ。
仮に日本がこの問題を取りあげるならば、中国から中止を言いだすかもしれず、
中日友好には不利だ。

▽小泉首相/円借款は順調に行っていると考えており、
日中関係の大局に立って対応したい。

●「鈴を解くのは鈴を付けた人」――とコイズミ首相が元凶とアピール。

【靖国問題】
▽温首相/今の両国関係を困難にしているのは、日本の指導者の靖国参拝だ。
中国の古いたとえには「鈴を解くのは、鈴を結んだ人しかできない」とある。
日本の指導者が適切に対応して欲しい。小泉総理大臣は、胡錦涛国家主席や
私との会談を通じて、両国関係の発展を促進されるよう希望する。

▽小泉首相/私がこれまで靖国神社に参拝したのは二度と戦争をせず、
中国に迷惑をかけないという誓いと、心ならず戦地に赴き死んだ人に、
哀悼の意を表すためだ。日中関係を重視していないということはまったくない。

●「この問題をうまく処理すれば……」とささやきかけてきた。

【中国首脳の訪日】
▽小泉首相/日本に来られるならば、いつでも対応したい。

▽温首相/お互いの訪問が早期にできるよう希望する。
小泉総理大臣が、一歩踏み出すのなら、いろいろな問題が一気に解決できる。
来年は不幸な戦争が終結して60年の記念の年であり、
この問題をうまく処理すればチャンスの年になる。

●「資源の問題は複雑なので……」と主張を譲らず、既成事実化を狙う?

【東シナ海ガス田開発問題】
▽小泉首相/対立や摩擦を乗り越えて、日中が協調をしていかなればならない。

▽温首相/資源の問題は複雑なので、係争を棚上げして、
両国が協調することを提案したい。

●潜水艦事件への言及について口封じ。

【潜水艦領海侵犯事件】
▽温首相/チリで説明したとおり、この問題は終結すべきだ。

                    ◇

――と、まあ、言いたい放題、言われてしまったような次第。
「これをうまく処理すればチャンスの年になる」なんて、
ニンジンまでちらつかせているんだから。

30日の民主党議員による「日中経済交流促進議員連盟」については、
既報のとおりなのだけれど、あれも中国側による揺さぶりだったりして……。
まったく手練手管の外交攻勢だ。

囲碁と同じく、攻めているつもりが、一手によって、がらりと形勢が
逆転してしまうことだってある。
ほんとうに油断もスキもない、手練手管の、手強い相手だ。


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by yodaway2 | 2004-12-03 23:00 | 中国と、どう付き合う
「政冷経熱」でもいいじゃないか――。今日はそんな気分になった。
30日のロイターの記事で、民主党が日中経済交流促進のための
議員連盟(日中経済交流促進議員連盟)を発足させたことを知った。
報道のあった30日に初会合が開かれ、王毅駐日大使が講演したという。
・ロイター(News@Nifty)→http://qrl.jp/?144838
※見出し=「民主党が日中経済交流促進議連発足=中国大使が5つの提言」

何度か続けて日中関係をテーマにエントリーをしてきた。
中国には警戒心を解くことはできないが、対立関係を継続させるのも、
策が足りない――、むしろ踏み込んで相手を振り回すべきだ、
そんなメッセージを発信したいと思って書いてきた。

しかし、私もへそ曲がりなのかどうか……、このニュースを聞いて、
民主党は、何かこちら側から上滑って動いているのではないか、
そんな疑問がむくむくと湧いてきた。……センスがない、とも。

                    ※※

学生時代、剣道をしている友人がいた。
その彼は小柄だがすばしっこく、いつも、ピシャリと技を決めた。
彼から仕掛けることももちろん多かったが、むしろ相手の動きを誘い、
相手の動きのなかで技を繰り出しているようだった。

彼が竹刀を操りながら、私に話してくれたことを思い出す。
「とにかく相手の動きを見ること、間合いが大事、
そしてほら、ほら、こうして、こういうふうに中心を取ること。
竹刀の切っ先で中心を取ってさえいれば、簡単に相手に打ち込まれない」――。

竹刀の切っ先で中心を取る――とは、すなわち、
相手がいかに動いても、こちら側の切っ先(竹刀の先頭部分)が、
中段、もしくは正眼の構え(中段のやや高い構え)のまま、
つねに相手の中心、胸元もしくは喉元に向かっている状態を
イメージしていただければ良いと思う。

そしていま、ふとそのことを思い出し、
日中関係においても、かくあるべきだと考える。

                    ※※

いまの日中関係は見えざる刃を交え、つばぜり合いの最中なのだ。

領土問題、排他的経済水域(EEZ)の境界問題、東シナ海資源問題……。
それはまったくコイズミ首相の言うとおり、靖国問題だけではない。

だいいち、日中関係は”日中”の関係だけで、考えてよいものでもない。
それは今回首脳会議が立て続けにあったAPECやASEANにも及んでいるし、
米国もからんでいる。当然、北朝鮮問題をにらんだ安全保障問題、
6ヶ国協議関係国とも切り離せない。

十分にそのことを承知して、議員の方々はお集まりになっていることと、
心から期待したいのだが、さて、どうなのだろう。

                    ※※

ロイターが伝える。
>最高顧問についた羽田孜議員は、「今一番日中関係は大切な時だ。
>日本を代表する人が(障害の)元を作っていることは残念だ。
>是非とも皆さんで、(溝を)埋めてもらいたい」と挨拶。

これって……、ひょっとして中国側が主張していることそのままじゃないか。
ばかか、と思わずにはいられない。私は靖国問題について、
決して「強硬」な視点は持っていないつもりだけれど、
うかうかと相手の言いなりになる姿勢は歓迎したくない。

これまでの経緯を踏まえ、事、ここに至れば、もうそれは、大人のセンスで、
まあ、ちょっと考えてみましょうか――は必要なような気がするが、
それは、なんらかの筋の通し方を伴っての話になって然るべきだ。

総理大臣まで経験した政治家が、ほげほげ、相手の尻馬に乗るな!
こんなことやっているから、ナメられるンだろうがッ――と、瞬間、思ってしまった。

                    ※※

議員連盟とは言え、”集会”は実質的に次の選挙で政権を奪取すると公言している、
野党第1党の民主党のものに、ほぼ一致していることは自明。
ならば、だいたい、いまが王毅氏を招いて講演をしてもらうのに、
適切な時期かどうか、よく考えたらいい。

でろんと、よだれ流すようにして、近づくなと言いたい。
これでは、相手を認めることになって終わりじゃないか――!

ガス田開発の問題にしろ、日中境界線の問題にしろ、火花が散って、
それがまだおさまっていないのだぞ。
次期政権を目指されている政党が、首脳会談で火花が散った直後に
議連を立ち上げ、王毅駐日大使にご進講いただかなくとも良いだろう。

ロイターは記事の末尾において、議連会長となった北澤俊美議員の挨拶を紹介している。
>「日中関係は、ノドもとにトゲが刺さった状態だ。トゲの主人には自覚はない。
>われわれは政権獲得を目指し、責任政党として出来ることから
>努力していかなければならない」と意気込みを語った。

コイズミ首相の靖国参拝について考えるべきことはあると思う。
しかし、重ねて書く。相手の尻馬に乗るような議論をしてはならない。
今般の議連の動きは、明らかに悪手と言わざるを得ない。


こちら側が中心を取れ、主導権は自分が握れ――。


                    ※※

議連の趣意書にどのように書いてあるかは知らないが、
記事に「『政冷経熱』を解消するために……云々」とある。

へそ曲がりなのかどうか……、私はこの記事を読んで、
全く逆の考えを抱いてしまった。

「政冷経熱」であってもいいじゃないか――と、今日はそんな気分になったのだ。
少なくともそれが、いたしかたのないときはある。

そもそも、中国の経済発展はめざましく、バブルと危険視されても、
経済分野の交流が進んでいくことは止めようがない。
しかし、そのことによって「政冷」を非難したり恨んだりするのは、筋違いだと思う。

いまのように、領土問題、資源問題が抜き差しならない時期にあるというのに、
政治までほげほげ、朝貢外交をしていたとしたら、いったい、どうなってしまうのだろうか。
それを考えれば、「政冷経熱」だって必然かもしれない。

ただ、その政治の面の緊張、対立が大きくなるにまかせては策に劣るし、
それはたしかに、日本、中国の双方にとって利益にはならない。

だからこのブログ、Tomorrow's Wayとしては、
日中が緊張した関係にあることから目をそらさず、
それでいてタイミングや手法をよくよく考えて、そのうえで
然るべく大人の関係に立とう――と、そういうふうに言ってみたいのだ。


                    ※※
【追記/14:27】
かねてこのブログに書いてきているとおり、靖国問題については、
それこそ大局をとらえて、何がしかの「がまん」も必要になってきていると考えている。
私はコイズミさんの応援団では決してないつもりだけど、
しかし、いま、首相が「何も言わないことにした」――としているのは、
けっこう、良い作戦だと受け取っている。言われて即答しなかっただけでも、とても良い。

※追伸/さすが師走。忙しくなってきましたね。^^
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by yodaway2 | 2004-12-02 14:01 | 中国と、どう付き合う
サンデープロジェクト、中国経済特集を見て。
午前中、サンデープロジェクトを見ていた。
経済ジャーナリスト、財部誠一氏がレポートした
「中国シリーズ、中国マネーが日本を元気づける!」に刺激を受けた。

今日の放送の、財部氏のレポートの主旨は中国の国、経済と
結びつきを強めつつある日本企業、自治体を実際に取材して、
中国をただ「脅威」とだけ見ていて良いのかどうかを問いかけるものだった。

つまり、「中国脅威論」が根強いなかで、財部氏は中国、とくに
中国の経済パワー、市場をチャンスと見るべきだ――と言いたいのだと受け取った。

                    ※※

●中国は「脅威」か「チャンス」か――。

先に、私自身の立場を示した方が、誤解を招かないで済むかもしれない。
私は中国が日本にとって「脅威」であることは否定できないと考えている。
いまの中国経済の過熱ぶりをバブルとして危ぶむ見方も知っている。
中国経済の国内における格差については、過去のエントリーでも取り上げた。

しかし、一方で「虎穴」に入って、ときに中国を抑制し、
ときに自らの機会に結びつけることは、当然にして必要だと理解する。

日本からも、中国からも、実は、両国は相互に付き合いづらい関係だ。
日本からすれば中国は脅威。中国からしても日本は
太平洋への行く手を阻んでいる要塞のよう……。
(中曽根氏はかつて「不沈空母」と発言し、問題になった。)

しかし、どちらからしても付き合わないわけにはいかない。
ならば、領土問題、資源開発問題を抱えつつも、
相互に利益となる付き合い方を考えるしかない――と、
いま現在は考えている。

                    ※※

●自治体が生き残りをかけて進める、中国企業の誘致戦略。

それにしても財部氏のレポートには、改めて驚いた。
中国の熱気に、そして政治の冷めたままの雰囲気とは別に、
企業レベルで、自治体レベルで結びつきが強まっていることに。

番組に出てきたのが福岡市の例――。
福岡市は中国企業を誘致しようと、福岡―上海を27時間で結ぶ
高速貨物船の就航を後押しして実現させたりもしている。
市の担当部には18人の職員・スタッフがいて、そのうち4人が中国語を話せる。

そうした市の体制づくりに応じて、実際に中国企業が視察に訪れ、
かつ進出もしてきている。

そもそも、中国における経済発展の象徴ともなっている上海には、
いま現在で18もの自治体が現地事務所を開き、誘致にしのぎを削っている。

神戸市も同様。神戸市は阪神大震災のあと、
多くの国内有力企業が去ってしまったなかで、
都市の生き残りをかけて、中国企業の誘致を仕掛けた。

神戸市への進出を決めた中国人社長が、
仲間の社長たちとの会食の場で、らんとした目つきで話した。
「神戸市は私を応援してくれていますよ」
同席している社長も応じる。
「よし、儲けよう!」「いっしょにやろう!」
「私が成功したら、日本へ来てください」

いまの中国にあって、ビジネスはまさに”即断即決”なのだという。

                    ※※

●人生は一度限り、日本に賭ける――と、中国人ビジネスマン。

経営難に苦しむ日本の製造業に対して、
買収を仕掛ける中国人ビジネスマンが話した。
「人生は一度限り。あれもこれもできない。
だから私は国は日本、業種は製造業サービスと決めて、
この先、30年、40年やることにした」――。

なんということだろう、多くの日本人が、日本の行方に不安を抱き、
製造業の地盤沈下を嘆いているだけだというのに、
この、まったく逆転している視点、視線は――!

日本人は、まるで自分たちの価値がわかっていない――とでも言いたげだ。

                    ※※

●「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と信じていたこともあったのに……。

その中国人ビジネスマンの企業買収の申し出に応じることに決めた、
日本企業の会長(たしか字幕で78歳)が話した。
「日本の製造業に続いてきた護送船団の企業体質は弱い。
それから脱却するには、やっぱり中国かな、と考えた」と。

ああ、なんということだろう、少し以前は”日本式経営”こそ、
「ジャパン・アズ・ナンバーワン」などと言われ、
私たち自身もそう信じていたというのに……。

中国人ビジネスマンが再び話した。
「日本企業は、宝の山ですね」。

                    ※※

●「中国市場に、最大の力で迅速に参入せよ」――と中国人社長。

社歴30数年の老舗、中堅の国内印刷機器メーカー・A社の話。
A社は経営不振から会社更生法の適用を受けることになった。
それを買収したのが、上海の企業。

高性能の印刷機を製造できる技術力があるのは、
世界で日本とドイツだけなのだという。
その企業は、業界では高く評価され、両面同時印刷機を
世界ではじめて開発した実績などもあるとのこと。

経営難に陥り、さまざまな企業に会社譲渡の話を持ちかけたようだ。
しかし、反応は「設計図は欲しいが、従業員はいらない」。

しかし、A社を実際に買収した上海の中国人・K社長は違っていた。
逆に年齢が高い従業員を中心に再雇用し、その一方、
製造ラインのスタッフに過ぎなかった30代半ばの男性を工場長に抜擢した。

そして、中国人・K社長はいま、驚くべきスピードで経営再建を進め、
初年度で黒字に転換させているというのだ。
その中国人社長は、会社再建のプロでもあるらしい。

従業員がK社長について語った。
「印刷業界にも精通しているし、世界の情勢にも通じている」

K社長は月に10日も日本にいられないらしいのだが、
よく現場を見て回っているようすが紹介された。
「戦略こそ市場経済の核心なのです」
「今後、印刷機は世界市場で急速に需要が高まります。
中でも中国市場は最大に重要です。ですから、我々は
最大の力で、迅速に参入しなければならないのです」


                    ※※

●ニッポンは眠りつつある獅子――?

中国は、やはり「脅威」だ。
そのうえ、日本人に欠けてしまっている自信にも満ちている。

清朝末期、中国は眠れる獅子と揶揄されながら、列強の侵略に蝕まれた。
日本も後発の帝国主義国として、最後の最後になって中国に進出し、
結果、今日もその歴史を「きのうの続き」(胡錦濤主席)として引きずっている。

清朝政権は、自分たちの遅れた姿をなかなか認めようとしなかった。
プライドだけで、世界と渡り合おうとしていたのだ。
それが魯迅の「阿Q正伝」に描かれた姿だったのだ。

翻って、いまの日本はどうだろうか。
遅れてはいない、まだ。……しかし、このままでは抜かれる。
そんな感じではないだろうか。

                    ※※

●中国とどう付き合っていくか……。政治では、経済では。

中国とどう付き合っていくか……、これはすごく難しい問題だ。
政治と経済とが、異なる尺度を使わざるを得ない面だってある。
経済の論理だけに政治をあわせることはできないし、
一方で経済だけが関係を濃密にしていっては、
とどのつまるところ、国の存続を結果として危うくしかねない。

その舵取りは、私たちが選んでいるはずの政権に託すしかないのだが、
それにしても、日本人は覚醒すべきときに至っているのかもしれない。
座して衰退したくない。

日本は毎日毎日、努力するしかない――。
努力によってパワーを維持し、知恵によって世界と競っていくしかない。
そして我が身を守るためには、狡知さも身につけていかなければならない。

                    ※※

「アリとキリギリス」の寓話があるけれど、
日本はキリギリスになっては、決していけないと思う。


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by yodaway2 | 2004-11-28 14:33 | 中国と、どう付き合う
日中会談、情報流出の意図は――?
ひとつ前のエントリー「日中首脳会談の全容がわかった――と、NHK」に補足したい。
結論としては、会談の全容とされる今回の情報は、
中国側による流出、リークが中心になっていると思われる。

リークされた内容は、中国側からすれば、
今回の会談における言葉そのもの露出させることによって、
どうしても日本側に、とりわけコイズミ首相に、靖国問題での対応を
促したいとのメッセージになっている。かなり切実な響きがある。

さて、それに応えるか、いなすか、はねるか……、なのだが。

                    ※※

●情報の流出元は、やはり中国では……?

Internet Zoneさんからのトラックバックをみて、昨日の
NHKニュース10で報道された内容が、いま、NHKのサイトにて、
動画で見れることがわかった。記事は同じNHKのサイト内の
NHKラジオニュース(昨日夜10時のNHKジャーナル)で聞くことのできる
放送原稿と同じ内容になっている。
・NHK→http://www3.nhk.or.jp/news/2004/11/27/d20041126000164.html
(※NHKラジオニュースは更新により、すでに26日分は聴取できず。27日午後11時追記)

つまり、動画と記事(放送原稿)は若干、異なる点がある。

異なっているのは、放送原稿の方では、両首脳のやりとりが
靖国問題に絞られていて、原子力潜水艦事件、東シナ海の資源開発問題が
まったく出ていないこと。(――したがって、この内容が全容そのものではない。)

一方、動画の内容では、コイズミ首相が原子力潜水艦事件、資源開発問題に
言及している(抗議している)部分が、音声劇のように両首脳を擬したやりとりで、
伝えれている。これはたぶん、元々の”流出情報”に、テレビの方では、
さらに日本側の主張を加えて構成しなおしたのだと思われる。

もともとの”流出情報”を構成しなおした――とは、
つまり、もともとの情報が、どうも中国側から出ていると思われる。

ラジオニュースの放送原稿、すなわちサイトでのテキスト部分は、
たぶん、流出させたカタチに近いものなのだろう。
時間の関係か何かで、ほかの情報と合わせて再構成までされなかった。
それに対してテレビの方は、一部、日本側の発言を加味したのではないか。

いずれにしても、情報の流出、リークについては、
明らかに中国側の意図が働いていると見て取れる。

                    ※※

【動画/テレビ・ニュース10】

まず、動画のなかで、2人の声音で再現されているやりとりを、テキストに再現したい。

●胡錦濤主席(01)/心から中日両国が長く平和共存し、共に発展していくことを、
真摯に望んでいる。これは決して外交辞令ではない。
本日は率直に、胸襟(きょうきん)をひらいて話し合いたい。

●小泉純一郎総理大臣(02)/私もかねてから申し上げているとおり、日中関係は両国にとって
もっとも大事であり、協力していかなければならないと思っている。
どの国にも、いかに友好な関係にあっても、ときには摩擦が生じることはあると思っている。
原子力潜水艦の領海侵犯の問題についても、町村外務大臣が
外相会議の際に申し上げたが、再発防止につとめていただきたい。
また、海底資源の問題についても対立の海でなく、協調の海にし、
双方の利益になるようにしていくことが大事である。

●胡主席(03)/中日関係を発展させるには、歴史を避けて通ることはできない。
なぜなら、きょうはきのうの続きだから、切り離せない。現在、両国の政治関係に
困難をもたらしているのは靖国問題である。小泉総理大臣に、適切に
対応していただきたい。私は中日関係が損なわれるのを見たくない。

●小泉総理(04)/靖国問題についても、懸念は承知している。
私自身、あのような戦争を起こしてはならないと思っている。
今日の平和と繁栄も、心ならずも命を失くした人たちの犠牲の上に成り立っている。
私はこれらの人たちに対する敬意と感謝の念を持って、靖国を参拝してきた。
胡錦濤主席の話を聞かせてもらったが、中国側の心配を承知している。
今後、慎重に対処していきたいと考えている。

●胡主席(05)/一点だけ補足したい。中国及び中国人民は、従来から、かつての
不幸な戦争の中で、日本の一般民衆や、心ならずも戦争に赴いた
一般の人も戦争の犠牲者であると認識している。
しかし、ごく少数であるが、かつて戦争を起こした戦犯は違う。
小泉総理大臣には被害者の心情を考慮すると共に、両国の平和、強調を
考慮に入れ、適切に対応してもらいたい。

●小泉総理(06)/来週にはASEANと日中韓の会合が行われるが、
東アジアのみならず、国際平和の観点から、日中友好を大事にしていきたい。

                    ※※

【記事/ラジオニュース放送原稿より】

次にサイトの記事、つまりラジオニュース(NHKジャーナル)で読まれた
記事、放送原稿のなかから、「」内の発言部分のみを抽出する。こちらはコピペ。

●胡主席(07)/中日両国はアジアばかりでなく世界の平和と発展のために
大きな責任を担っている。両国の指導者は、終始一貫して戦略的な高さから、
また長期的視点から関係の発展を推し進めるべきだ。

(靖国参拝問題について)中日関係を発展させるには歴史は避けてはならない。
なぜなら、きょうはきのうの続きで、切り離せないからだ。
現在、両国の政治関係に困難をもたらしているのは、靖国問題である。
小泉総理大臣に適切に対処していただきたい。

この問題が長引けば、戦争被害国の国民の気持ちを傷つける。
なぜ、私が小泉総理大臣に対し胸襟を開いてこの問題を話したかというと、
来年はファシスト勝利60周年という大事で敏感な年だからだ。
私は、中日関係が損なわれるのを見たくない。

●小泉総理(08)/歴史を大事にし、鏡として、過ちを繰り返さないようにしたい。
靖国の問題についても懸念は承知している。

私自身、あのような戦争を起こしてはならないと思っている。私も、もし、あの時期に
生まれていれば、本意でなくても戦場に赴かざるを得なかっただろう。心ならずも
戦場に赴き、命を落とした人達の無念というものを忘れてはいけないと思っている。
今日の平和と繁栄も、心ならずも命をなくした人達の犠牲の上に成り立っており、
こうした人達に対する敬意と感謝の念を持って靖国を参拝してきた。

胡錦涛国家主席の話も聞かせてもらったが、中国の心配も承知している。
今後慎重に対処していきたい。

●胡主席(09)/一点だけ補足したい。中国及び中国人民は、従来から、
不幸の戦争の中で、日本の一般民衆や心ならずも戦争に赴いた人も
戦争の犠牲者であると認識している。

しかし、ごく少数であるが、かつての戦争を起こした戦犯は違う。
戦犯を嫌う深い気持ちを持っている。

従って小泉総理大臣には、被害者の心情を考慮するとともに、
両国の平和、協調を考慮に入れて対応してもらいたい。

                    ※※

●テレビとラジオの内容の差について。

このエントリーの冒頭において、情報流出元が中国側ではないか――と推測した。
いま、テレビとラジオの放送原稿をテキストに再現してみたのだが、
たとえば(07)の「戦略的な高さから」、(09)の「不幸の戦争の中で」など、日本語として
やや不自然な言い回しが見受けられる。

「戦略的に高い観点から、視点から」とは言うけれど、普通「戦略的な高さから」とは言わない。
同様に「不幸の戦争の中で」は「不幸な戦争の中で」であって、テニヲハが誤っている。
翻訳者のミスかもしれないが、NHKは、事と次第によってもめごととならないよう、
字句の修正は行おうともせずに、放送原稿にまとめた、と考えてみた。
テレビの(05)では「不幸な」と言っているのだけれど、
こちらは吹き込み段階で原稿を誤りと判断し、直したのではないかと思う。
テレビでは字幕もずいぶん違っていた。

とくに注目したいのは、分量的にも勝っているラジオ原稿の方である。
雰囲気としては、こちらがたぶん、元の資料に近いのではないか。

流出資料がない状態で、公式に提供された資料と聞き取りなどの取材によって、
まとめた内容であれば、テレビに比べ分量的に勝っているにもかかわらず、
日本側から抗議に近い形で発言した潜水艦事件や東シナ海ガス田問題が、
「全容」と言いながら、まったく触れられていないのは奇々怪々と言わざるを得ない。

たぶん、内容に対する責任の問題を視野に入れて、元の資料に、
敢えて手を加えなかったか、時間の関係で再構成しなかったと推量したい。

言葉の不自然さもあるけれど、潜水艦事件と東シナ海ガス田問題が
ふれられていないことに、中国側からの情報流出、リークであるとの印象を抱いた。

                    ※※

あとは言わずもがなかもしれない。

情報のリーク元は、私の想像なのだけれど(^^)、
なんとなく王毅駐日大使その人か近い人物のように思われる。
言葉の端々にまで、ある意味、配慮が行き届いていると思うし、
全体の印象として、王毅氏がかねて話してきていることに、
力点がおかれているようにおかれているように思われるからだ。

配慮とは、たとえば(07)において「両国の政治関係に困難をもたらしているのは」と、
「両国の関係」とは言わず、ちゃんと「政治関係」と範囲を特定している。

(09)の「中国及び中国人民は、従来から……」と、「中国人民」を並立させている。
ときどき現れる反日的な世論、ムードを意識していると思うし、
また日本側が、とくに前政権、江沢民時代に反日的な教育が進められ、
反日的な意識に傾いていると不満を持っていることを意識していると
思えなくもないのである。

いずれにしても、日中双方、なかなか考えたやりとりになっていると思う。

                    ※※

●「一点だけ補足したい」――と、A級戦犯合祀の問題。

胡錦濤主席は会談の終わり(05)(09)に「一点だけ補足したい」として、
間接的ながらA級戦犯合祀の問題を持ち出した。
このことについて、日本側の対応を求めている――との意思表示と受け取れる。

その後のニュースで、コイズミ首相は来年度以降の参拝継続に
明言を避けていることになっているが、(05)(09)からは、
中国側が求めているのは「A級戦犯合祀」への対応であることが、改めて伺える。

山崎拓氏がCS放送などで、首相の靖国参拝について、
「総理大臣としてではなく、自民党総裁として行うこともあり得る」などと
述べているとのことだが、それではたぶん、中国側との溝は埋まらないだろう。

それをどう判断するか――について、コイズミ首相は、まだ決めていないはずだ。
当然、与党、関係機関、団体などに対する調整にも、なんら意思を示していないはずだ。

だから、まだ、形の問題はあるとしても参拝は続けるかもしれないし、
また、続けないかもしれないのだ。本人も決めていないというのに、
本人以外が、いまの段階でわかろうはずがない。

                    ※※

●中国はナショナリズムの沸騰を避けたい……。

会談のなかで胡主席がふれてきたことだが、
来年が、日本にとっては終戦60年、中国にとっては
抗日戦勝利60年にあたることは、たしかに気にとめるべきだと思われる。
(胡主席が「ファシズム勝利60周年」と述べた意図については
前エントリーにおいて検討済み。)

来年はナショナリズムが沸騰しやすい年になるが、
中国政府はそれを警戒している。

中国は、国家威信をかけて取り組む北京五輪をひかえ、
反日的なムードの高まりをきっかけにして、ナショナリズムが
おかしな方向に噴出し、社会が不安定になることを避けたいのだろう。

                    ※※

また最近、日本人は太平洋戦争について、中国、韓国だけを見ているが、
東南アジア諸国は共通して、いまだこの問題に神経質であることに、
注意を払うセンスは必要だ。

かつて田中角栄元首相が東南アジア諸国を歴訪した際に、
すさまじい反日デモに見舞われ立ち往生してしまったことを、
このごろはすっかり忘れている。その後、今日のような雰囲気にまで
醸成するのに、日本はほんとうに苦労してきた。

                    ※※

●念を押したい中国、決めていないニッポン……。さて、さて。

胡錦濤主席の「一点だけ補足したい……」の発言は、
コイズミ首相の「中国側の心配を承知している。今後、慎重に対処していきたい」を
受けてのものだと考える。前述にて検討のとおり、非常に気を使いつつも、
しかし、A級戦犯合祀の問題に踏み込んで、対応をもとめていることに、
念を押したかったのだろう。

全体をふりかえって、コイズミ首相の発言は、どう見ても具体性のある
言質まで与えたものではないように思われるのだが、
中国側からすれば、問題を靖国についてゼロ回答はない――とまでは、
どうしても解釈を固めておきたかったのだろう。

よく言われるように、中国は「メンツ」を何にもまして
重視する国というこもあると思う。

中国側は会談における中国側の主張の再確認、
コイズミ首相の発言に対する解釈、そして今後の希望を、
情報のリークに含ませてきたと受け止めることができる。

                    ※※

いま、日本は国連の常任理事国入りについても手を挙げているが、
確固とした展望を描いていくには、諸国の支持を得られる発言、行動も
たしかに必要なことだと、私は考えている。

安全保障に軍事力の介在は避けようがないが、日本を守るのに
軍事力に傾くよりは、知恵、知略によって、その達成を試みるほうが、
はるかにコストがかからず、相互に幸せ――というものだと思う。

                    ※※

また、ハナシが固くなってしまったので、最後にニッコリマーク。 
それに、ごはん!――だってさ。 ^^


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by yodaway2 | 2004-11-27 19:44 | 中国と、どう付き合う
日中首脳会談の全容がわかった――と、NHK。
いつものように、NHKのニュース10を見ていた。
キャスターが「先に行われた日中首脳会談の全容がわかりました」――と。
遅い夕食を取っていた最中だったけれど、聞き耳を立てた。

近くにペンや紙がなく、書きとめることができなかったが、
NHKの再現した音声を聞いた限り、
これまで伝えられているより、はるかに率直で、厚みのある、
首脳会談ならではのやりとりだったように感じた。

                    ※※

双方の意見の出し合いがあり、
胡錦濤主席が靖国参拝について行わないよう求めてきた。

コイズミ首相が応じた。
「中国側の心配はわかる。今後は慎重に対処する」

胡主席。「これは外交辞令ではない。日中関係はもっとも大事であり……」
コイズミ首相。「原子力潜水艦の事件については再発防止につとめていただきたい。
ガス田開発などで、東シナ海を対立の海にしたくない……」

胡主席。「先ほどの話に、ひとつ付け加えたい。我々は先の戦争について、
日本の一般の人々も戦争に巻き込まれ、戦争の被害者であると思っている。
しかし、ごく少数ではあるが、戦犯は違う……」

                    ※※

前述のとおり、書きとめたわけではないので、不正確な点はお許しいただきたい。
いま、サイトをあちこち開いてみたが、こうした会談の中身を詳述する記事は、
午後10時35分現在のところ、探せなかった。
しかし、NHKだけのスクープでなければ、明朝まではどこかに出てくると思われる。
私自身、それを待ちたいと思う。

                    ※※

車のラジオで聞いていたのだけれど、今日午前の参議院本会議において、
コイズミ首相は日中関係について「日中関係は日中の2国間の
問題であるだけでなく、国際社会全体にとって重要な関係である。
首脳会談では、今後も個別の問題が2国間の障害とならないよう、
大局的な判断に立って、幅広い分野で協力関係を構築していくことにした。
胡主席とは、未来志向の日中関係を構築していくことで、一致した」――などと答弁した。

来年以降の靖国神社参拝については明言しなかった。

                    ※※

先ほどのNHKニュース10で、コイズミ首相は首脳会談後に
周辺の、親しい人(ヤマザキ氏?)に対して「胡主席には非常に良い印象を持った。
前の江沢民氏とは違う」と述べたとの話が、さりげなく紹介されていた。
これからも、このニュースにはさらに注意していきたいと思った。

                    ※※

APECにおける日中首脳会談は1年ぶりに行われた。
1年の間に、トヨタを筆頭に日本企業が中国市場への進出を加速させ、
貿易額が輸出入ともに増すなかで、政治面では靖国参拝、アジアカップでの
反日的な応援、ガス田開発、そして潜水艦の領海侵犯事件……と、
ギクシャクぶりが目立っている。――つまり「政冷経熱」。

今回の首脳会談では、中国側が靖国問題にしぼって対応を求めてきた。
コイズミ首相からは原潜事件の再発防止(つまり面と向かって抗議した)、
ガス田開発にかかわる対応(つまり、誠意を示しなさいと)などを具体的に要求した。

会談の、その場では、中国側も具体的な対応を言わなかった。
コイズミ首相も「心配はわかる」としつつ、具体的な対応を言わなかった。
しかし、そのあとに胡主席は「付け加えたい」として、
戦争について戦犯(――意味的にはA級戦犯)は別として、
「日本国民も戦争の被害者だと思っている」と述べた。

これは、たしかに中国政府としては、これまでも靖国問題に対して、
にじませてきた考え方ではあったのだけれど、中国の国家元首が、
はっきり言明したのには重みがある。

                    ※※

中国は隣国であり、大国であるだけに、実は私たちにとって、
なかなか安心できない国だと思う。
ホンネでは、中国はやはり脅威に違いない。

ところが中国側からすればどうだろう。
よく中国側から日本がどう見えるか――について、
世界地図を逆さまにする場合がある。
日本列島は、中国大陸からすれば、ものの見事に、
太平洋への進出を阻むように横たわっている。

中国側からしても、先の戦争はさておくとしても、地政学的に、軍事的に、
日本を気にし、警戒しないわけにはいかないのだ。

こうした関係において、両国の緊張が対立、紛争へと高まらないよう、
政治が適切に歯止めをかけていくことは、そもそも必要なことだと思う。
国益を損なってはいけないが、また、あたりまえのことかもしれないが、
政治の働きこそが、やはり大事なことだと思う。

                    ※※

経済がいかに過熱しても、政治には、しょせん、かなわないのではないかと思う。
ちょっと真面目くさって、ものを言ってしまっているかナ――?



※文中記述のとおり、首脳会談の具体的なやりとりは、今後の報道にてご確認ください。
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by yodaway2 | 2004-11-26 23:02 | 中国と、どう付き合う