週刊!Tomorrow's Way
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テーマはその日の出来事、ニュースから。あと50年経てば、いまの時代、どう語られているのだろうか。
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メッセージ
「吾、汝の言に反対す。されど吾、汝の、その言を言うの権利、死に至るまで擁護せん」。学生時代に出会った言葉です。政治をめぐる意見に賛成、反対はつきもの。お互いを尊重しつつ、意見を述べ合いたいものです。 
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カテゴリ:中国と、どう付き合う( 62 )
ドタキャンから透ける、胡錦濤政権の絶望……。
中国、呉儀副首相の突然の帰国、ドタキャン事件から1週間経った。
このことについて、少し書き足してみたい。

それは、今回の事件をきっかけにして、
日中関係は雰囲気が、がらりと変わったような気がしているから――。

中国は政治面で、コイズミ政権との話し合いに、
まったく希望を失ったのではないかと思われてきた。
コイズミ政権への興味自体も、たぶん、急速に失くしている。

                    ※※

●ドタキャンの真の理由は、コイズミ政権への絶望だったのでは……。

つまり、今回のドタキャンは、一向に出口の見えない靖国問題に対する、
中国側の政治的な圧力や、反発、抗議などというよりも、
コイズミ政権に対する絶望だったのではないかと……思われてきた。

国連改革、北朝鮮の核問題、東シナ海ガス田問題などを抱えつつも、
もうこれからは、ほんとうに必用最小限の関係になり、
暗さだけが増していくのではないか……とも。
日本人の嫌中感も増し、中国人の反日感も強まっていく……、と。

ドタキャンの責任を、中国側に問い詰めるだけでは、
どうも済まないような気になってきた。

                    ※※

●親日を期待したはずの胡錦濤政権が……、いまや。

反日的とされた江沢民政権から、
胡錦濤政権に代わり、さらに軍事委員会主席の座も、
胡錦濤氏がもぎ取ったことによって、
本来なら、日中関係は温むはずだった。

胡錦濤主席はもともと、故・胡耀邦元総書記の子飼い、側近だった。
胡耀邦主席の時代、中曽根元総理が靖国神社を公式参拝、揉めたことから、
いわゆる中曽根書簡によって関係を改善、親交を結んだ。

胡錦濤主席は、86年末から87年の学生運動に同調して失脚した、
胡耀邦を批判する大会で、李瑞環氏(元政治局常務委員)と共に
胡耀邦への批判を拒否したという。

このとき批判を拒否したのは、この2人だけだったと伝えられる。
そのため、胡錦濤氏は民族運動で混乱するチベット自治区へと左遷され、
中島敦の小説さながらの体験をした。

胡錦濤氏はその後、中央へと返り咲き、胡耀邦氏の系譜(共青団閥)を引き継いだ。
こうした経歴から、政権掌握時には親日的と見られていた。

その胡錦濤主席が、日本、コイズミ政権との間で外交的な得点を挙げることができず、
今回の事件では、最後、同主席自身がキャンセルの決定を下したと伝えられている。

                    ※※

●胡錦濤政権を追い込み過ぎたのかもしれない。

ドタキャンは、以前のエントリーにも書いたとおり、
その事実だけでとらえれば中国側の一人相撲であり、まったくの珍事にして、
受け入れ難いものであり、かつ、国際的な儀礼を無視した未熟な行動にさえ見える。
そうなのだろう……。

が、逆から言うとコイズミ首相は、本来、
そこそこに話し合えるかもしれなかった相手――胡錦濤政権を、
どうも、追い込み過ぎてしまったように見える。

                   ※※

●メイラー氏著書にあった言葉――、政治家が行動を起こすとき。

以前に読んだ本、ピューリッツァー賞作家、ノーマン・メイラー氏の
「なぜわれわれは戦争をしているのか」(03年、岩波書店刊、田代泰子訳)に
次のような言葉があった。

「政治指導者や政治家というのは、一見バカなようでもじつは真面目な連中で、
自分たちが納得できるなにか深い理由がなければめったに行動を起こすものではない」

そのように感じてきた。間近に接してみると、
政治家はマスコミが批判するほど愚かでは、決してない。
そう考え、いつもこれでも、耳を澄ましている。

                    ※※

●中国は非礼。――それでも、深き理由の響きがほしかった。

なのに、コイズミ首相の、今回の、16日の国会答弁は何だったのだろう。
中国側の非礼にも怒りたいが、その前に、嘆きたくもある。

首相の靖国神社の参拝に、理は、もちろんある。
が、それを主張するなら、相手にとおるような主張の仕方を、
もう少し考えられないのだろうか。

あるいは……、もう少し、双方で歩み寄れるやり方を
工夫できないのだろうか。

ボツンと、自分の主張、行動を繰り返すだけでは、やはり、
それが政治である以上、絶対に足りなかった。
少なくとも、知恵、知略の働いた政治とは言えなかった。

                    ※※

「深い理由」を響かせてほしかった……。


                    ※※

≪追記≫

●中曽根書簡について――。

中曽根元首相が首相在任時、自身の公式参拝のあとに日中関係が悪化し、
それを打開するため胡耀邦主席(当時)に書簡を宛てた。
この、中曽根氏の行動は、いまに禍根を残しているとの批判もあるけれど、
やはりそれは、政治の知恵を働かせた形だった――と受け取れる。

文意は「公式参拝をやめるのは本意ではないが、日中間の関係を考え、
やめることにした」――というもの。

「やめる」と述べている箇所は次のよう。
>私は、四十年の節目にあたる昨年「一九八五年」の終戦記念日に、
>わが国戦没者の遺族会その関係各方面の永年の悲願に基づき、
>首相として初めて靖国神社の公式参拝を致しましたが、
>その目的は戦争や軍国主義の肯定とは全く正反対のものであり、
>わが国の国民感情を尊重し、国のため犠牲となった一般戦没者の追悼と
>国際平和を祈願するためのものでありました。

>しかしながら、戦後四十年たったとはいえ不幸な歴史の傷痕を、
>いまなおとりわけアジア近隣諸国民の心中深く残されており、
>侵略戦争の責任を持つ特定の指導者が祀られている靖国神社に
>公式参拝することにより、貴国をはじめとするアジア近隣諸国の国民感情を
>結果的に傷つけることは避けなければならないと考え、
>今年は靖国神社の公式参拝を行わないという高度の政治決断を致しました。

>如何に厳しい困難な決断に直面しようとも、自国の国民感情とともに世界諸国民の
>国民感情に対しても深い考慮を行うことが、平和友好・平等互恵・相互信頼・長期安定の
>国家関係を築き上げていくための政治家の賢明なる行動の
>基本原則と確信するが故であり、>また閣下との信頼関係に
>応える道でもあると信ずるが故であります。

                    ※※

長野県日中友好協会HPに、書簡全文について、
(財)世界平和研究所刊、『中曽根内閣史』よりの転載あり。
支持するにせよ批判するにせよ、一読の価値あり。
リンク、ソースは以下のとおり。

・長野県日中友好協会 → 中曽根康弘総理大臣から胡耀邦総書記への書簡
 (http://www.avis.ne.jp/~nihao/nakasone-koyohou-syokan.htm)



※時間の都合で未校正、仮アップ。のちほど読み返し、修正したいと思います。^^
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by yodaway2 | 2005-05-31 19:20 | 中国と、どう付き合う
細田長官、発言に気になる箇所アリ――。ボソボソに何か秘めてる?
★細田長官の発言部分について録画でも確認し、補足・修正しました。(21:58)

中国、呉儀副首相の会談ドタキャン事件についての続報――。
3つ続いてのエントリーになってしまうのだけれど、
今日正午のNHKニュースで、細田官房長官の会見時の発言が報道された。

「これ以上コメントすることは、日中関係にとって生産的ではないと
判断しておりますので、コメントすることは控えたいと思います。

一部をとらえて、また、先方にそれが伝わり、そして向こうもですね、
それに対してコメントするというような現象が見られるわけですが、
そのようなやりとりを繰り返すことは、非常に日中関係にとって、
生産的ではないと、心底、私は思っております。

事細かに反論したり、理由を聞いたり、
非難したり、責任を問うたりしないことが適当だと考えます」

うん、よし。

とくに「心底、思っております」の「心底」では語気を強めていた。
それがまた、ホソダ長官らしく響いた。

                    ※※

どういうふうに言ったところで、”メンツの大国”は折れようはずもなし。
かえって、「コメントしない」とコメントすることによって、
中国側の取った行動だけが置いてけぼりになる。

力の方向を見事に逆転させる、よい一手とみた――。
最低限、相手の勢いは削ぐことになる。

ひょうひょう、ボソボソ(ダ)と、いつもの調子で地味目に言い放ったけれど、
なかなかよい味なので、ささっと、書き留めてみた次第。

                    ※※

ところで、このことを伝えるロイターの記事に、気になる箇所あり。
NHKのニュースでは、この部分、なかったように思う。

>細田官房長官は、「今、生産的でない議論をするのは適当ではない」と話した。
>また、「日中の長期にわたる過去の問題を取り除いて今後の発展につなげるのは
>大命題なので、今ここで簡単に話すことではないが、基本政策は、
>日本政府として決まっている」と述べた。
・ロイター→これ以上コメントするのは日中関係に生産的でない=官房長官(25日12:13)

                    ※※

ん?――「いまここで話すことはではないが、基本政策は、日本政府として決まっている」。
これは靖国問題について、政府内、水面下で検討が進み、ほぼ概要が固まったと、
何気なく、ほろっと漏らした、ということではないのか。それも会見の席で。

「今ここで簡単に話すことではないが」――は、まだ、与党の自民党、公明党にも、
根回し、説明が済んでいない、ということのように聞こえる。
もしくは根回しに動き出しているのだが、党内タカ派の反発に遭い、
難航していることもあり得る。それで「言えない」と、言った。
もちろん、中国政府に対しては、ましていわんや、いまの時点で話せるはずもない。

でも、ロイターの記事によれば、
「基本政策は決まっている」――と、そう言ったというのだ。

これは、気になる。

しかし……、いまのところフォローする報道、記事は、まったくなし。
深読みのしすぎだろうか。

                    ※※

たしかに、靖国問題について、政府内でなんら検討も何もしていない、
とすれば、あまりに無策ということになる。

コイズミ首相の16日の、内政干渉云々発言も、ひょっとするとだが、
何か異なる意を含んだものであったのかもしれない。

16日の予算委員会で野首相発言は次のようだった。
「どの国でも戦没者に対する追悼の気持ちがある。
どのような追悼の仕方が望ましいかは他の国が干渉すべきではない」(日経、17日)

首相は「どのような参拝の仕方が……」と言ったのではなく、
「どのような追悼の仕方が」と言っている。同様に、参拝に関しては、
日中首脳会談のときと変わらず「適切に判断する」とするとしか話さなかった。

楽観的にとらえてはいけないけれど、かと言って注意力不足で
大事なことを見過ごしてもいけない。マスコミ各社が
揃って見落とすことだってけっこう、あったりする。

政治家の発言には、こうした、言葉の、ほんのちょっとした端に、
その後の局面を大いに変えていくヒントが潜んでいることがある。

                    ※※

4月に繰り返された、中国国内の反日デモには、中国政府もさることながら、
多くの進出企業、在留邦人を抱える日本政府にとっても、やっかいな出来事だった。
そして、今年は終戦60周年、中国では抗日戦勝利60周年、還暦――の年。
それと日中間のさまざまな問題が、これから折り重なり合っていく。

ゆえに、無策であって、よいはずがない。

これから先をどう読んでいくか――。
棋士もアマチュア上級までなら5手先、10手先を読んで済むかもしれないが、
プロであれば30手先、40手先まで見通したいところ。

細田長官から漏れた言葉は、
そうした、プロとしての読みを含んだものなのか、どうか……。


                    ※※

≪追記≫

敢えて、推論を控えたいと思う。
注目すべきは、連立の相手、公明党の発言であると思われる。
神崎代表らの言動は、要チェックだと思う。

ちょうど、もうすぐ6月。……来年度予算についての作業が始まる。
来年はコイズミ政権にとって、最後の年になる。
この問題で、中国と言うよりも、公明党の要求に応える可能性がある。

妙なところに転がってしまったけれど、
今回、武部氏と共に冬柴氏が訪中したのは、
いまにして振り返ってなのだけれど、
実は伏線、布石とするはずの仕掛け――だったと読み解くことができる。

(はずれるかもしれないけれど、はずれないといいナ。
ホント、生産性がなくて、もう、うんざりだもの。。。^^)

≪追記、その2≫

コネタ。そう言えばなのだけれど、ホソダ長官、囲碁ではなくて、
カードゲーム(コントラクトブリッジ)がお好きらしい。
あれでなかなかの博打うち、ギャンブラーだったりして。^^


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by yodaway2 | 2005-05-25 14:53 | 中国と、どう付き合う
中国、ドタキャンの理由は「靖国」と発言――。日中は冷戦状態に。
中国、呉儀副首相の首相との会談キャンセルについて、
中国政府が発言を翻し、「靖国問題にある」と言明したニュースについて。
NHK、午後7時のニュースを聞きながらタイプする。

一つ前に、「呉副首相のドタキャン事件。……割り切れない、背景のハテナ?」
アップしたばかりだが、続報せざるを得ないと思う。
(ぜひ、一つ前も、あわせてお読みください。^^)

中国外交部、孔泉報道官は記者会見で次のように述べた。
「日本の指導者の最近の言論によって、会談に必要な雰囲気がなくなったためだ」(共同)

「私が緊急の公務と言ったことはない。
呉副首相の訪日中にもかかわらず、日本の指導者から不適切な発言が繰り返された。
日本の一部の人々は不満に思っているかもしれないが、
被害国の人々の心情をわかっていない」――とも。(記憶の範囲、多少不正確かも)

                    ※※

日中は完全に「冷戦」――の状態になってしまった。
ここまで来てしまうと、もうしばらく、政治の面での修復は期待できないのではないか。
国益、拠って立つ歴史、文化が違う以上、日中間に対立が生じるのは、ありがちなこと。
対立するなら対立するで、それは仕方のないことだとも思う。
――が、なにか、今回の事件はばかくさい。

                    ※※

世界から見れば、中国も中国だが、日本も日本……ということになってしまう。
どちらの国も知恵がなさすぎる、と映るだけだし、実際にそうなのかもしれない。
知恵が働かない政治は見ていて、ほんとうに嫌になる。

日本の政治リーダーも、中国の指導部もパーツしか見ていないような気がしてきた。
ほんとうに、ばかくさい。

短いけれど、情報の更新を踏まえ、アップする次第。


※一つ前のエントリーをあわせてお読みいただければと思います。
 →呉副首相のドタキャン事件。……割り切れない、背景のハテナ?

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by yodaway2 | 2005-05-24 19:26 | 中国と、どう付き合う
日中会談。”トリックアート”のような危機管理。――けっこう微妙?
日中首脳会談から一夜明けて、さまざま、ニュースを読んでみた。
まとまるかどうかわからないけれど、多くの報道とは、
少し異なる気持ちになっているので、エントリーを書きはじめてみたい。

                    ※※

●川中島の決戦に、切り結んだ信玄と謙信――?

国家間の諍いにかかわらず、それが企業間であっても、個人間であっても、
お互いの利益、主張、信条などが対立し、その溝を埋め難い場合、
双方、メンツを立てあいながら、いったん兵を引く――ということはあり得ると思う。

川中島から兵を引く信玄と謙信――。
どちらが信玄で、どちらが謙信かはともかく、ちょうど、そんなふうにも思えてきた。

また、会談の結果については、こんなイメージがわいた。
トリックアート……。

横からみると長靴の形をしているのに、正面から見れば女性の立像――。
私の街にそういうオブジェ(彫刻)がある。
トリックアートの、ひとつの典型的な作品らしい。

会談の結果について、日本、コイズミ首相が、
中国、胡錦濤主席がそれぞれ会見した。
当然のことながら、温度差のある会見の内容。

問題を、いわば棚上げにした格好なのだが、ただ、双方は、
事態を沈静化させることが、「共通の利益」とだけは確認した。

                    ※※

●「危機管理」に動いた、2つの国のトップ――。

今回の首脳会談は、コイズミ首相と胡錦濤主席の、
日本、中国双方のトップによる、「危機管理」を目的に絞った会談だった。

何かを生み出そうという、建設的、創造的な会談ではなく、
いかに、日本、中国の双方が、持てるものを失わないか――が目的にされた。
経済的な問題としても、政権の威信の問題としても、
そして国家のイメージの問題としても……。

中国は首脳会談に向けて、反日デモの押さえ込みに、
4週目にして始めて本気で取り組み、ほぼ、押さえ込んだ。

まだ、今後については懸念があるが、中国政府はすでに、
デモを徹底的に規制する方針を明らかにしていて、
この先も、これが緩むことはなさそうだ。

会談では、コイズミ首相が一歩引いた姿勢を示した。
胡錦濤主席も、国内世論、政権周辺のタカ派の視線を気にしつつ、
応じる姿勢を見せた。

「危機管理」に絞って見れば、これはやはり、
微妙なところにボールを落とした、しぶいヒットで、
成功であったと思う。

                    ※※

●ニッポン;相手の重心を吊り込もうと、引き技で仕掛ける――。

昨日の会談の場面を、ちょっと振り返ってみたい。

会場は胡錦濤主席が宿泊していたホテル。
そこにコイズミ首相が訪ねる形を取った。
ここで、もうすでに、日本側の意図が働きはじめている。

日本側の宿泊ホテルに招くことができないとしても、
双方に関係のない、別のホテルを選ぶことだってできる。
それをせず、ちゃっちゃと、相手のホテルに乗り込んだ。

政権内からも反対があったのに、
北朝鮮を2度も訪朝したのを思い出す。

ただ、引き下がって、相手への配慮を見せよう、
そう、日本側は考えて臨んだ。

                    ※※

●握手;どーんと飛び込んできた、コイズミから差し出された手に――。

会談の会場となった部屋――。
足早に入っていく首相……。胡錦濤主席が突っ立つようにして、待っていた。
首相は大きく笑顔をつくり、ザザッと手を差し伸べ、半ば、強引に握手。
胡錦濤主席の表情は硬く、笑顔なし。引きつり気味にさえ見えた。

カメラの前を誰か(記者には見えず)が横切ったりしたので、
会場でそれぞれがピシッと立ち位置につかないうちの、
首脳同士の再会、握手になった。

胡錦濤主席の後ろにいた通訳の女性も、
カメラのアングルのなかに入ってくる気配が残っていたので、
不意打ち同然のスピードで、コイズミ首相が部屋に現れた雰囲気があった。

                    ※※

●冒頭;津波被害の話題、チグハグなやりとりに――。

冒頭の発言が、また、おもしろい。
最初にコイズミ首相が切り出すが、日中間の問題ではなく、
津波の被災地、アチェ視察の印象を話題に振った。

それがまた、よくよく振り返ると、とても
チグハグなやり取りだった。

コイズミ首相。大きく、身振りを交えて。
「今日ね、津波被害の大きかったアチェに行ってきたんですよ。
いやあ、ひどい惨状でねえ……。まだ9万人も行方不明だそうですよ」

胡錦濤主席。
「インドネシア国民が必ず困難を克服すると信じています」

おかしくないかナ? ――このやりとり。
「おお、そうですか。よく時間が作れましたね。私も行くんだったなあ。
中国と日本で、ぜひ、復興支援に力を合わせましょう」――くらいの
返事がほしかったところ。

ゴチゴチ、ガチガチに堅い返事になった。

「カレー食べに行きませんか?」
「ソフトクリームって身体にいいのかなあ」
――みたいな、関係はしているけれど、なんかちょっと、
フィット感のないやりとりだった。

                    ※※

●謝罪や補償に言及せず――の計算式。

コイズミ首相は会談において、謝罪や補償を求めなかった。

中国側は今回の会談を受ける条件として、
テレビカメラの入る冒頭で、コイズミ首相が謝罪や補償に言及しないことを、
求めていた――とされるが、コイズミ首相は、それどころか、
報道陣を追い出したあとのやりとりでも、それを言わなかったようだ。

これは、先に”恩”を売ったカタチ。

中国側は、日本に責任がある――なんて言っているが、
大使館の安寧(あんねい)の確保に義務を負う、
国際法を理解していないわけではない。

本質的には、負い目がある。
そこを、日本側は、敢えてはずした。

                    ※※

●5つの要求項目;まあ、いいや、こンくらい――と。

会談で胡錦濤主席が示した5点については、
日本側はたぶん、事前にはつかんでいなかったと思われる。

これはた中国外交部、中国共産党の裏方たちが、
必死になってまとめたもの。孔泉報道官は前日もこの日も、
目を真っ赤にしていたので、たぶん、首脳会談を前に、
何日も徹夜続きになっていたのではないかと思われる。

それは明らかにウサギの目になっていて、
睡眠不足が見て取れた。(花粉症でなければ、ね。)

首相は会談でこれを聞き、問題はあるが、
しかし、まあ外交文書でもなし、これも目を瞑る――とした。

                    ※※

●反日デモ防止;うんうんと、大きく首をタテに……。

ヤマ場はコイズミ首相の切り出した再発防止要求――。
胡錦濤主席は、言葉にはせず、大きく首を縦に振ってうなずいた、という。
それが、精いっぱいだった。

コイズミ首相は、これでよし、とした。
あとのことは、外相、事務方に任せればよい、とした。
首脳会談のレベルでは、相手に大きく首を振らせただけで、十分と考えた。

よくよく考えると、日本側の要求に、
国内事情から声も出せず、ただ、首を振って答えた――とは、
ちょっとおもしろいシーンだった。

                    ※※

●歴史問題;”返礼”に、中国尊重のシグナル送る――。

一方、胡錦濤主席は靖国問題、歴史認識問題については、
どうしても成果を挙げたかった。が、実際の、攻・守の関係については、
内心、理解していただけに、直接的な表現を避けた。

もちろん、コイズミ首相の出方が読みきれず、
主張を応酬するような展開には、決してしたくないと考えていた面はあった。

コイズミ首相は会見で明言を避けたが、
胡錦濤主席が反日デモ防止で首を縦に振ったのと裏返しになり、
中国政府の立場を尊重するとの感触は与えたのだろう。

                    ※※

●「いちいち討論……」の、言葉のしっぽをポーンと踏んだ。

コイズミ首相は会談後の会見で、靖国問題、歴史問題について、
「胡錦濤主席は靖国の問題、歴史の問題には触れましたが、
同時にいちいち討論する気はないと話されましたので、
私も話しませんでした」と述べた。

この「いちいち討論する気はない」とは、実に微妙な部分を、
ペロリと紹介してしまったもんだ、と思った。

胡錦濤主席の真意は、ひょっとすると、少し違うものだったのではないかと
なんとなく思うのだが、この言葉のしっぽを、ポンと踏んだところで、
コイズミ首相は窮地に立つことなく、一番のハードルをあっさりクリアした。

                    ※※

●トリックアートの如く、見る方向で異なるカタチに。

会談が終わったあと、外国の報道陣から「どうだったか?」と聞かれ、
首相は上機嫌に、英語で「ベリィ・グッド・ミーティング!」とやった。

一方、胡錦濤主席は、いぜん表情も硬いまま(ひきつり気味、顔に汗)、
会場の部屋の外で立ったままで、会見に応じた。
それは、中国の国家主席としては異例のことなのだという。

軍配は敢えて挙げず。
しかし、冒頭で述べたように、この会談は「危機管理」を目的にしたもの。
成果は、トリックアートのように、見方によって違ってくるのかもしれない。

しかし、2人は、それでよし――とした。

                    ※※

●日中の大将戦;引き分けにこそ「利」あり……?

報道のうち、解説記事や社説では、首相が
謝罪や補償を求めなかったのは、失敗だった――との評価が見られる。
結局、謝罪外交に戻った――とするような解説もあったと思う。

しかし、そんなことはない。
微妙なところで、けっこう、よい引き分けを演じた。

                    ※※

日本、コイズミ首相にせよ、中国、胡錦濤主席にせよ、
どちらも傷を深めずに、いま目の前にある危機から脱しようと、
水面下では必死に水を掻いた。

心のうちは、双方、知恵の限りを尽くして戦ったのではないかと思う。

どちらの国にあっても批判は尽きないと思われるが、
yodaway2としては、今回の会談、
そうそう捨てたものじゃない――などと考えてみた。^^


                    ◇◆

≪Tomorrow's Way 関連エントリー≫
・日中会談。共に勝者にも、共に敗者にもなり得る――と。(速報)〔4月23日〕
・戒厳令の上海。早く”大人の対立”になると、いい。〔4月23日〕
★「負けて勝つ」の思想こそ、日本独自の強み。――中国問題。〔4月22日〕

                    ◇◆
≪資料編≫
・中国大使館→胡錦涛主席、小泉日本首相と会見(新華社)〔2005/04/24〕
・中国大使館→胡錦涛中国主席、中日関係について重要談話(新華社)〔2005/04/24〕
・人民網日文版→胡錦濤国家主席、日本の小泉首相と会見
※日本;外務省HPの発表資料は未掲載。掲載確認後、追記します。(25日14:00)


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by yodaway2 | 2005-04-24 21:44 | 中国と、どう付き合う
日中会談。共に勝者にも、共に敗者にもなり得る――と。(速報)
今夜、行われた日中首脳会談について、いくつか、内容が伝わってきた。
報道機関も、先を争ってのことで、断片的でしかない。

帰宅してテレビをつけたところ、TBS系、ブロードキャスターが終わりかけていたが、
ちょうど、「いま、日中首脳会談のようすが入ってきました」と。

続けて次のように。
「胡錦濤主席が記者会見での話です。胡錦濤主席は、
歴史問題や台湾問題をめぐる日本の対応に、日本は深く反省すべきだ。
両国の取り組みいかんで、 両国は共に勝者にもなり得るし、共に敗者にもなり得る」

                    ※※

NHKのサイトではやや詳しく。
「最近、歴史問題や台湾問題をめぐる日本側の対応は、
自らの約束に反している。中国やアジアの人々の感情を傷つけ、
強烈な反応を引き起こしたことを日本は深く反省すべきだ」

その上で日中関係改善に▽過去の侵略の歴史を反省するという言葉を
行動の上で表し、二度と中国人民の感情を傷つるようなことをしないこと
▽台湾問題を正しく処理し、「ひとつの中国」の政策を守り
台湾独立を支持しないという約束を実際の行動で示すこと
▽両国の協力と交流を一層拡大することなどの、”5点”について求めたとのこと。

                    ※※

詳しい内容が伝わらない状態で、いろいろ考えても、
それが当を得た意見、感想になるかどうか、私自身疑わしいが、
ちょっと、中国側の対応を甘く読みすぎていたかもしれない。

報道では「……と述べ、中国側も日中関係の改善に意欲を示しました」などと、
お決まりの語尾で締めくくっているが、NHKのサイトで(――したがってニュースで)
伝えられている「5点」というのが、ひっかかる。

もっと、あけすけに言えば、気にくわない。

中国の国内事情によって、謝罪に応じないのはわかるが、
あべこべに、日本側からこそ問題にしていることも含めて、
5項目にまとめて要求してきているのが、ひっかかる。

でも、気持ちは、大きく持たなければならない――とは思う。

                    ※※

NHKがサイトで示しているのは”5点”のうちの3点だけ。
まさか、のこり2点に、東シナ海ガス田にからむ項目はないだろうね。

また、靖国問題が入っていないが、これは言及を避けたのだろうか……。
中国側が、表面上は、一番問題にしてきたことだから、
このことをもし、意図的に触れてこなかったつぃたら、
それはそれで、非常に重要なメッセージになる。

国連問題について、触れたのか、触れなかったのかも気になる。

                    ※※

――というわけで、いまはまだ、情報不足。
ただ、それでも、第一報に接した瞬間の、私自身のとまどいと、
疑問と、かすかな期待について、書き留めてみた次第。

願わくば、「カタチだけの会談」以上であったことを祈りたい。
さらに、この会談が、これまでの混乱の出口となるよう、それでも期待したい。


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by yodaway2 | 2005-04-23 23:48 | 中国と、どう付き合う
戒厳令の上海。早く”大人の対立”になると、いい。
午後7時のNHKニュースを聞きながら。
今夜、コイズミ首相と胡錦濤主席の、日中首脳会談が開かれる――とのこと。
それで、今日の中国国内のようすが報じられた。

先週、3万人が反日デモに参加したとされる上海――。
今日は武装警察官3000人が動員され、日本総領事館の周りをぐるり。
十重二十重(とえはたえ)の言葉があるけれど、そんな感じで、
もう、まるで「人間の壁」が出来ているように見えた。

また、総領事館に続く道には、コンテナが置かれ、進行方向を遮断。
これでは、ちょっと突破することができなさそう。

上海の映像は、戒厳令下の都市さながらに見えた。
中国政府は一転、デモの抑制に、すさまじいばかりの執念を見せている。

                    ※※

さらに、中国のほかの都市でも
反日デモは確認されていないとのこと。

反日を訴えるサイトも、今日までに、次々と規制されたという。
また、TVなどメディアを使った”違法デモ”不参加呼びかけのキャンペーン、
駐日大使経験者らによる集会、経済団体による日中友好イベントなども行われた。

中国政府は総力をあげて、反日デモの発生を防いだ。
面子にかけての、なりふり構わぬ、強硬な姿勢を見せた。
首脳会談に際して、デモを抑制した姿を示した形――となった。

今後については、五四運動記念日も迫っており、もちろん、
まだまだ安心できないけれど、それはそれとして、
胡錦濤政権の姿勢には謝意を表してよいと、私は思う。謝謝。

                    ※※

サイトでは記事が読めないように思われるが、
今朝の新聞に載った共同配信の背景記事に、次のようなものがあった。
「反日デモで試練、中国指導部――対策遅れに江前主席の影、
再発許せば政権の命取り」と。

さらに小見出しを拾ってみる。
「暴徒化は予想外」「強硬派がけん引」「(対日関係の)『リスク』に注意」――。

記事によれば、北京で反日デモが起きた9日、胡錦濤国家主席は山東省を視察、
温家宝首相はインド訪問中で、そのために対応の遅れが生じたとの分析もあるらしい。

また、外交部が暴力行為を明確に非難せず、逆に
日本政府を批判する姿勢に終始した背景には、
対日強硬派だった江前主席の影響を受ける「上海グループ」の影があるとも、
中国政府関係者の間で、指摘されているらしい。

胡錦濤主席は対日友好政策であった故胡耀邦元総書記の直系。
温家宝首相は天安門事件で失脚した故趙紫陽元総書記に仕えていた。
胡錦濤主席はもともと対日関係の「リスク」に注意を払ってきており、
温家宝首相は、中国におけるデモの怖さは骨身に染みている――との見方を示す。

この記事の、もともとの情報、視点は、ひとつの意図のもとに、
中国政府のどこからか発信されたものだと感じる。
であるとしても、こうして、歩み寄りを呼びかけてきていることは、
やはり受け止めて良いと思われる。

中国とは、この先もたぶん、事あるごとに、対立を避けられない。
ことに、ひとつ前のエントリーで取り上げた東シナ海ガス田問題は差し迫っている。

であればこそ、理の通らない、いらない対立は、お互い避け、
必要なところでぶつかればよい――と思う。

国益が、すべて一致するのであれば、外交も国際法もいらないことになる。
大人の対立――であれば、それは、むしろ良いことだとも考える。

                    ※※

首脳会談が、大人の対立に転じるきっかけになればよいと思う。^^


※読み返しもせずにアップ。これから外出のため、誤字など、ごかんべんを。^^
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by yodaway2 | 2005-04-23 19:27 | 中国と、どう付き合う
春暁ガス田、韓国企業がパイプライン敷設――の記事。ハテナ?
コネタ、と言えばコネタになるのだけれど、しかも遅ればせなのだけれど、
ほかではあまり(ひょっとするとほとんど)取り上げられていない、
ちょっと、ひっかかる記事があった。

中国が東シナ海で、日本側が境界とする中間線スレスレに建設している、
春暁ガス田が10月に完工し、生産開始の見通し――とのこと。
21日人民日報電子版が新華社報道として記事にした。
・人民網日文版→「春暁ガス田、今年10月に完工へ」

                    ※※

完工の見通しについては、日本のメディアでも報道があったが、
気になったのは、記事中、次のくだり。
「 春暁ガス田の総合開発プロジェクトは中国の重点投資事業で、
中国中海石油公司が請け負う。うち浙江省寧波市三山から春暁ガス田までの区間、
同ガス田から採掘施設までの区間の、海底パイプライン敷設工事、テスト運転は、
韓国の現代重工業が担当する。
パイプラインは全長470キロメートル」

まず、完工へ――ということそのものが、日本にとっては、看過できない事態。

当ブログにても、たびたび取り上げてきたけれど、
中国政府は、日本側の抗議、工事の中止要請に一向に耳を貸そうとせず、
かつデータの提供にも応ぜず、開発を進めてきた。

日本政府、経産省はやむを得ず、対抗措置として、
現在、民間業者への試掘権付与の手続を進めている。

しかし……、このガス田に、韓国の財閥グループ出身の、現代重工業が
絡んでいる、参加しているとは知らなかった。

過去、欧米、メジャー系の企業が参加していたが、表向き(つまり裏あり?)、
採算が採れないとして、撤退した状況とだけは知っていたけれど、
その後の、パイプライン敷設工事までは、気が回らなかった。

それが、人民日報のサイトに、あっさり記事になっている。
この、パイプライン敷設工事、請負企業について、
日本のメディアは、どこか、取り上げたのだろうか?

                    ※※

韓国政府の行いではない。
韓国の財閥系とはいえ、民間企業の参加――ではある。

が、しかし、東シナ海のガス田については、
日本と中国とで激しく対立した状況にあることは、
当然にして、韓国にも伝わっているはず。

まして、政府とも、極めて太いパイプを持つ、
現代グループ出身の企業ではないか。

                    ※※

韓国の現代財閥は、鄭周永氏が1947年に設立した現代建設がはじまりで、
鄭周永氏が1代で築いたのだという。

現代自動車グループも傘下のひとつで、三菱自動車と提携、
日本にも進出を果たしていることは、周知のとおり。
また、同財閥は北朝鮮、金剛山観光事業も手掛けており、
このことも、何かとニュースになると思われる。

かつては韓国最大の財閥だったが、97年末の
韓国危機を境に経営危機に陥り、現在、再建途上とのこと。
ただし現代重工業は系列分離し、独立して経営されているらしい。
(※お詳しい方がいればフォローしてください。誤りがあればご指摘ください。)

                    ※※

現代グループの北朝鮮、金剛山観光事業は、
ひとつの民族として、国家統一の理想のもとにすすめられていること。
このことについては、私たち日本人も理解しなければならないと考える。

だが、東シナ海で日本と中国がぶつかっている問題に、
何もからんでくることはないだろう……というのが、
このニュースに触れた瞬間の、私の感想だった。

                    ※※

韓国政府と韓国の企業を、ごちゃまぜにして見てはいけないと思いつつ、
やはり、疑念を抱かざるを得ない……。

仲良くしたくとも、どうしてこうもすれ違いを感じてしまうのだろうか。
そんなことはない、と言えるだろうか。


                    ※※
≪追記≫

東シナ海ガス田問題は歴史問題と関係なし。
日本政府には、適確に、きちんと、毅然と対処してほしいものです。

                    ※※
≪追記2≫

●韓国首相、演説で日本のおわびを否定――だって。

新たにエントリーにするほどでもないので、追記。
韓国首相がAA会議で演説し、「小泉首相の演説を事実上否定」と時事が報道。
・時事(Yahoo!)→日本の歴史認識を3回批判=小泉演説を事実上否定-韓国首相

何、考えているんだろうね……、韓国の政府は。


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by yodaway2 | 2005-04-23 17:50 | 中国と、どう付き合う
「負けて勝つ」の思想こそ、日本独自の強み。――中国問題。
(※末尾に資料編、注を追記。23日11:45)

コイズミ首相が、いま開催中のアジア・アフリカ会議における演説で、
平成7年8月15日に行った「村山談話」を踏襲し、
過去の歴史に対するお詫びと反省を改めて表明した――とのニュース。

多くのブロガーが取り上げていることとは思うのだけれど、
Tomorrow's Wayとしても、ひと言。

                    ※※

●他国の政治的意図を承知のうえで……。

外務省は反日デモを意識して盛り込んだものではない、
と話しているが、誰の目にもそうは映らない。

戦争の歴史について、もちろん、反省を忘れてはならないが、
しかし、それが他国の政治的意図に強いられてのこととなると、
すっきりとした気持ちにはなれない。

しかし、ここで感情的になってはいけない――。
がまん、なのだろう。

演説した首相の心中も、そんなところだと思う。

                    ※※

●国内タカ派と世論の批判を恐れる中国指導部――。

一方、日中首脳会談は、会議開催中に実現されるだろうけれど、
今日は見送られた。中国側が避けたと見られている。

つまり、いま、日本側からの求めに応じる形で、
首脳会談を行えば、それが中国国内で
弱腰外交――と見られかねないとして、躊躇しているのだという。

それもあるだろう。

が、今日、靖国神社の春季例大祭に、
副大臣数名を含む国会議員がまとまって参拝した。
閣僚からは麻生総務相がただ一人、単独で、拝殿に上がらずに参拝をすませた。
それを、その影響を、見ていたのではないか。

もちろん日本側に対して、首脳会談の条件として、冒頭のカメラ撮りの段階では、
反日デモに対する抗議を行わないよう、求めているとの話もあるようで、
孔泉報道官などが表面では、「日本の演説は評価できる」――などと
突っ張っているけれど、案外、中身は違うかもしれない。

                    ※※

●詰め将棋、中身はじりじりと追い詰めている……?

これで首脳会談が実現するとなると、
コイズミ首相が、カメラの前で謝罪を求めようが求めまいが、
そして胡錦濤主席がそれに応じないとしても、
実現しただけで、日本側が優位に立つのは明らか。

少なくとも、反日デモの規制、沈静化に、
文脈として、今度こそ、中国政府は責任を免れない立場に追い込まれる……。

それを、できれば避けたいのだが、マチムラ外相の訪中を含めて、
二重三重に手を詰められ、「面子の国」としては、もはや背を向けにくくなりつつある。

                    ※※

●日本人なら誰でもわかる「負けて勝つ」――の感触。

冒頭の首相演説に戻る。
他国に強いられるようにして行うお詫びの演説は、
すっきりしないけれど、しかし、それだって10年前に、
ときの村山首相が行ったもの。

そもそも日本には「負けて勝つ」――なる言葉がある。
ある人によると、この「負けて勝つ」は、他国にはない考え方という。

華僑がバイブルとする兵法、交渉術のエッセンス、「三十六計」の最後に、
「走為上(そういじょう)」の策、日本流の成句で「三十六計、逃げるにしかず」があるが、
負けて勝つ、とは大きく意が異なる。<末尾に注↓>

先へ行って、まず国連改革問題がある。
東アジアの安全保障、朝鮮半島問題、資源問題、領土問題がある。

反日デモについては、これから先は、もっと危機管理策を考えなければならない。
また、市場としての中国、貿易相手国としての中国の重要性は、
当面変えられようもないけれど、こうしたリスクが続くとすれば、
ベトナム、インドなど、他にシフトすることは、経済界が
黙っていても考え始めるに違いない。

そうしたもろもろを読んで、ここは、がまん――が良い。
それが、負けて勝つ、につながると思われる。

                    ※※
≪追記≫

●お手並み拝見だ――!!

今、ニュースサイトを開いたら、中国のネチズンたちは、
コイズミ首相のおわびが十分でない――などと、
あいかわらず、騒いでいるらしい。

せっかく、おだやかにすすめようとしているのに。。。(`´)

が、それでも、コイズミ首相の演説により、
胡錦濤主席は、結局、応じざるを得ない。そうしなければ、
日中が決定的な対立に向かうということを意味するわけだから。

お手並み拝見だ。


                    ◆◇
≪資料編≫

・外務省HP→AA首脳会議にける小泉首相スピーチ(05.04.22)

「我が国は、かつて植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけ
アジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。
こうした歴史の事実を謙虚に受けとめ、痛切なる反省と心からのお詫びの気持ちを
常に心に刻みつつ、我が国は第二次世界大戦後一貫して、
経済大国になっても軍事大国にはならず、いかなる問題も、武力に依らず
平和的に解決するとの立場を堅持しています。
今後とも、世界の国々との信頼関係を大切にして、世界の平和と繁栄に
貢献していく決意であることを、改めて表明します」(上記ソースから抜粋)


・外務省HP→「戦後50周年の終戦記念日にあたって」(村山談話/95.08.15)

「わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで
国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、
とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。
私は、未来に誤ち無からしめんとするが故に、疑うべくもないこの歴史の事実を
謙虚に受け止め、ここにあらためて痛切な反省の意を表し、
心からのお詫びの気持ちを表明いたします。
また、この歴史がもたらした内外すべての犠牲者に深い哀悼の念を捧げます」(同)


                    ※※

≪注≫「負けて勝つ」について

ひっそりと、本文に注釈。書き足し。

数年前、仕事でバーバラ・寺岡さん(料理研究家、タレント、エッセイスト)とお会いし、
代々木のご自宅にお邪魔して、親しくお話する機会を得た。
「負けて勝つ」は、そのときに伺った言葉。
だから、上記本文中、「ある人」とはバーバラ・寺岡さんのこと。

バーバラ・寺岡さんは日本人の父(外交官)とハンガリー人の母から生まれ、
2つの国の血を引いていらっしゃる方。そのバーバラさんが、何の話題からだったか、
「私はね、『負けて勝つ』こそ、日本人独特の思考で、強さの本質じゃないかと思います」と、
そんなふうにお話になった。

幼少の頃からの体験を交えたお話は非常に印象深く、今回の話題に、
ふと、思い出した次第。その後、バーバラさんとはお会いしていないが、
オーラのある方ゆえ、たぶん、お元気でいらっしゃると思われる。

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by yodaway2 | 2005-04-22 22:55 | 中国と、どう付き合う
中国大使館HP、一時ダウン? ――嫌がらせなら、よくない。
中国大使館のHPにて、人民日報掲載の論文を読もうとしたらアクセス不可。
他、中国外交部の会見資料などもアクセス不可。21日17:00。

単なる障害(通常のアクセス集中等によるダウン)かもしれないけれど、
何者かが不正に引き起こしているものとすれば、非常に不快なこと。
日本の外務省HPがスパム攻撃でダウンしたのと、
まるで裏返しで、いやな気持ちになった。

昨晩のニュースで、中国大使館、大使公邸、関連施設などへの
いやがらせが全国で25件、起きていると報じられたけれど、
数がどうあれ、こうしたニュースには接したくない。

中国は面子の国と前のエントリーで書いたけれど、
ニッポンは武士道の国――。

正々堂々、やりあおう。
そう思いませんか?
(もちろん言論、コトバでネ!)

                    ※※

≪追記/17:36≫

●もう一度、アクセスしたら、つながった!――やば。

やば!!!!!――アップしたあと、またアクセスしてみたら、つながった。
気のせい、なんてないよね。でも、思い過ごしだったとしたら、まずい。^^;

でも、このエントリー、あえて削除せずにのこしたい。
いやがらせのニュースに触れたことでもあるし。

中国大使館HPでは、人民日報Web版、日本の報道各社の間接報道よりも、
中国側の発信内容を、日本語で、比較的、内容をくわしく読める。
(中国語がわかれば、もっと自在なのはもちろんだけどネ。)

相手の言い分にも、自分の目と耳で、近づけるだけ近づくほうが、
それは、良いに決まっているから。

もちろん、日本・外務省HPの発表資料と突き合わせ、
報道機関によるニュースとも比べれば、
まあ、どこか一つの情報だけで、いろいろ考えるよりは、
相対的にみて、バランスを失わずに、物事をとらえられるかもしれない。

                    ※※

以下、ことのついでに、クリップ。
(他にいろいろあり。でも、皆さまも、がってん承知かも。^^;)

・外務省HP→町村外務大臣訪中(日中外相会談)/平成17年4月17日
※もちろん、これがすべてのはずもなし。正確かどうかも要注意。されど、
報道記事よりは詳しい。当然のことながら、さまざまとりあげたことがわかる。

・中国大使館HP→「困難恐れず進み、共に善隣はかる 中日友好交流会議、人民日報」
・中国大使館HP→2005年4月19日の中国外交部秦剛・報道官の記者会見
※中国大使館HP、トップ→http://www.china-embassy.or.jp/jpn/
※内容は、あくまで中国政府が発表したもの。比較してこそ価値あり――の資料。

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by yodaway2 | 2005-04-21 17:15 | 中国と、どう付き合う
そうだ、ホリエモンに学ぼう!――日中、水面下のつばぜり合い。
2日前の18日、ニッポン放送の経営権争奪をめぐり、
激しく争っていたライブドアとフジテレビが和解した――。

●ケンカしてたのに、いきなり握手してニッカニカに?

翌19日の新聞はそのニュースがトップ。
ライブドア、ホリエモンこと堀社長、フジテレビの日枝会長をはさんで、
左側からニッポン放送、亀淵社長、右からフジテレビ、村上社長が手をさしのべ、
4人が握手している写真が、紙面の真ん中に。

つい、この間まで、「他人の家に土足であがってきて、話し合いと言われてもダメ」、
「想定の範囲ですよ、将棋で言えば穴熊ですよ、穴熊……」などと、
相手を罵り合っていた仲とは思えないような笑みだった。

ホリエモンはうひゃひゃ、日枝会長はちょっとひきつり気味ながらえへへ。
亀淵社長はちょっとばつが悪そうで、村上社長は遠慮がちに見えた。

                    ※※

●水面下で交渉……、破局を回避。けっこうやるネ!

合意した和解案は、けっこう、巧みにそれぞれの利益が
盛り込まれたものなのだという。

ライブドアにしてみれば、ソフトバンク、楽天にさきがけて、
念願の放送事業に乗り込むことができた。
フジテレビからすれば、ニッポン放送を結果として子会社化、
これまでの企業グループ、経営形態を守れて、メンツは保てた。

連日、ライブドア、フジテレビは水面下で交渉を重ね、
マスコミの取材を潜り抜けてトップ会談、双方の利益に折り合いをつけ、
破局を回避、さらにそれぞれが、可能性まで手にした。

                    ※※

●日本と中国、水面下で動いているのだろうか……?

ITと放送の、激しく対立した者同士の和解劇に、
チラッと、日中関係の舞台裏が重なった。

どうだろう、ここはひとつ……、フジテレビ、日枝会長と、
超プラグマティスト、ホリエモモンに学んでみてはと、
ふと、そんなイメージがよぎった。

                    ※※

●面子(メンツ)の国、中国が見せるオモテの強気。

日本政府は町村外相を17、18日の両日、中国へ派遣――、
李肇星外相、唐家セン国務委員と会談した。
町村外相は言葉を選んで、相手の面子(メンツ)に配慮し、
中国側の謝罪を促したが、表向き、李外相も唐国務委員も応じなかった。
中国外交部の秦剛報道官も相変わらずの、居直り発言を続けた。

                    ※※

●面子の国、中国が隠す、ウラ側の焦燥……。

ところが、昨日のニュースでは、いくつかの、少し異なる出来事が混じってきた。

上海市当局による、破壊攻撃にあった日本料理店などへの補償の動き、
北京では、日本大使館には貸主である政府系不動産会社から修繕の申し出、
そして、19日午後には、共産党幹部、3500人を集めての緊急会議……。

さらに中国企業連合会は、もともとは10月に予定していた、
140社が参加するシンポジウムを、なんと超・前倒しし、今日、開催してしまった。

                    ※※

●共産党幹部、3500人が緊急会議――。

共産党幹部、3500人を集めての緊急会議で、
熱弁を振るったのは、なんと、町村外相の謝罪要求に応じる姿勢を、
頑なに見せなかった李肇星外相、その人――。

「日本との外交問題は政府に任せてほしい。
中国人民は許可されないデモに参加してはならない。
冷静になり、合法的に自分の感情を表現しなければならない」。

                    ※※

●舞台裏の丁々発止が漏れた唐家セン氏との会談。

町村外相と李肇星外相の会談は2時間――とされたが、
会食の時間を入れると、やはり3時間半に及んだようだ。

一部、会談要旨としてマスコミに発表されているが、
町村外相からは、案外、かなり強硬に抗議と申し入れが行われ、
対応を迫ったのかもしれない。

その片鱗が、翌日の唐家セン国務委員との会談にのぞいた。
「(中国が)北京オリンピックがちゃんとできるのだろうかと心配している国もある」――と、
けっこう、際どいセリフを報道カメラの前で、つるり、言い放った。

                    ※※

●政権幹部に天安門の悪夢がよぎっている……?

そもそも今回の反日デモについて、落ち着いて振り返ってみれば、
たしかに、中国政府のある部分ではそそのかしたのかもしれないが、
ある部分では慎重であったのではないかと思われる。
何しろ天安門事件の経験者が政権の上層部にはいるわけだし。
(※誰がどの立場を取ったか――については、ちょっと情報を集め切れなかった。)

だから、オモテの激しい応酬の陰で、ウラで、
中国政府(のある部分では)は焦り、
事態を野放しにはできないと考えたのではないか。

合従連衡、三国志の国ゆえ、中国の「術」には油断がならないが、
昨日のニュースから一転、オモテとウラとが交錯し始めている。
中国自身が危機感を強めていると受け取ってよさそうだ。

                    ※※

●”反日記念日”が続く2005年のこれから……。

いずれにしても、今後、「抗日」「反日」については5月4日の五四運動、
7月7日の盧溝橋事件勃発、8月15日の抗日戦線勝利60周年――と、
けっこう、気になる記念日が続く。

それを機に、反日デモがこれ以上勢いづいては、
そこからいつ政府批判に転じ、社会不安につながるとも知れない。
事実、中国の内陸部では、昨年からいくつかの暴動が起きている。

                    ※※

●水面下で攻めて見るのも、一つの手かも――。

この際、タテマエだけでものを言わず、お互い、
得になるように動いてみるのも一手かも――と思う。

どうせ、と言ってはなんなのだけれど、この先、
東シナ海資源問題など、対立の火種には事かかない。

そして、これからの戦いの方がずっと長そうだ。

                    ※※

面子(メンツ)の国、中国では、交渉ごととなると、その多くが
水面下で行われるのだという。これは事情通の方のお話。
裏と表を使い分ける――とも言われる。

したたかなこともたしかで、それゆえ、いま出始めた
日本大使館、日本企業の被害補償の話なども、
注意して聞かないといけない……。それは、そう。

でも、ここはホリエモンにならって、こちらも表と裏を使い分け、
水面下で相手を攻めてみるのも、ひとつの手に違いない。
                    
……と、つらつら書いてしまったけれど、今日はここで打ち止め。
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by yodaway2 | 2005-04-20 22:11 | 中国と、どう付き合う