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週刊!Tomorrow's Way
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テーマはその日の出来事、ニュースから。あと50年経てば、いまの時代、どう語られているのだろうか。

by yodaway2
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「吾、汝の言に反対す。されど吾、汝の、その言を言うの権利、死に至るまで擁護せん」。学生時代に出会った言葉です。政治をめぐる意見に賛成、反対はつきもの。お互いを尊重しつつ、意見を述べ合いたいものです。 
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6カ国協議、戦いはこれから!――「孤立」でけっこうだ、ツッパれ!
簡単に、北朝鮮の核問題をめぐる、今回の6カ国協議について――。
結論を先に書けば、今回、合意が採択されたけれど、
それは文字通り、途中経過に過ぎない、と考える。


●日本;強硬路線を変えられるはずがない

日本は当初のエネルギー支援に不参加を表明、
孤立しているとの見方もあるが、動揺などまったくする必要なし。
たしかに、各国の支援が本格化すれば立場は苦しくなりそうだが、
それを逆手に、北朝鮮を追い込むしかなさそう。

なお、国内では統一地方選挙、参議院選挙が迫っており、
支持率下落の続いている安倍政権は、政治情勢をにらみんでも、
北朝鮮問題で柔軟路線に転じることなどできない。


●米国;今回の合意でも「堀」は埋まる、と考えた?

米国は強硬路線を転じたが、今回の合意では布石を打った――と見る。
相手を調べないことには、いざというときに備えられない。
また、手数を封じられるだけ封じておくのは、歴史の教訓であり、定石。
つまり、不測の事態にも備え、埋めることのできる「堀」は
埋めておくほうがいいに決まっている。

北朝鮮は今回の合意に、ほぼ一方的に勝利したかに見えるが、
だからと言って、無傷ではなかった。

まず、核開発の拠点、寧辺(ニョンビョン)を稼動停止にすると約束した。
だが、それ以上に、これで、各国が大義名分をもって、
北朝鮮国内を調べることができることになった。

これからしばらく、そのあたりに着眼してみたいと思った。

                ※※

●北朝鮮;初日に沈黙、そして協議を振り回し続けた

協議では、やはり今回も、終始、北朝鮮に振り回された。
初日、北朝鮮代表の金桂冠(キムケグァン)外務次官は、
自分からは何も発言せず、他の5カ国の話を聞くばかりだった、という。

事前には、報道陣にもみくちゃにされながら、こんなおしゃべりもしていた。
「米国は何をすればよいかわかっているはずだ」――。
しかし、協議が始まると、貝になった。

第2日、一転、金次官が口を開いた。――寧辺の
核施設凍結には応じる、そのかわり、重油200万トン、寄こせ。
さらに米国は金融制裁を解除せよ、テロ支援国家のリストからはずせ、と。
他の5カ国が法外な要求に怒り、あきれもした。

北朝鮮は、かなり正確に、各国の情勢をつかんでいるように思われる。
命がけで「外交戦」を仕掛けているふうだ。

それからけんけんがくがくが始まり、
5日目、たぶん、頃合とでも見たのだろう、
突然、それまでの要求を引き下げ、核放棄の段階に応じて、
100万トンまでの重油を受け取ることで折り合ってきた。

結局、協議には6日間を費やした。

                ※※

●ブッシュ政権;「悪の枢軸」と言い切ったころがなつかしい

まがいなりにも、今回、合意文書が採択されたのは、
すでに、そうした分析が大勢とは思うが、
やはり米国の政策転換が大きいには大きかった。

米政権、ブッシュ大統領やライス国務長官らは、
少なくとも昨年夏の中間選挙前までは、
北朝鮮に一切の見返りを与えない――と強気いっぺんとうだった。

それが、今回の協議、合意文書では180度、
姿勢を変えたように見える。

北朝鮮を「悪の枢軸」と、威勢良く、
切って捨てていたころが、ちょっとなつかしい。

                ※※

●安部政権;米国の変化に水面下で動く

日本政府は、事前に、米国の政策転換を嗅ぎ取り、
焦っていたに違いない。

だから、今回の6カ国協議では、ホンネ、決裂したほうがよいと
思っていたかもしれない。その可能性は大きいはず。

しかし、米朝がベルリンで事前折衝した内容が伝わり、
今回の協議は、日本をのぞく各国の事情からも、
決裂しそうにないこと、北朝鮮への見返りとして
エネルギー支援などが約束されそうなことを読んでもいたはず。


●山崎訪朝;個人プレーとだけ見ていいのだろうか?

話はわき道にそれるけれど、
年明け、自民党の元副総裁、山崎拓氏が北朝鮮を訪問、
金総書記側近と面談したとのニュースがあった。
多くの報道が、山崎氏の個人的な行動として片付けていたし、
事実、政府は関与していないとして不快感も示した。

しかし、いくら北朝鮮からお招きがあったとしても、
こんな時期に、完全な個人行動など取り得ないはず。

山崎氏は派閥の領袖ながら、現政権への影響力は
ほとんどなさそうにも見えるのだけれど、
帰国後、訪朝の内容を「小泉前首相にも報告するつもり」と語ったように、
なにがしかの、裏舞台の動きが働いていた、と見るほうが順当。

その山崎氏からも、拉致問題にかかわる事項を含め、
当面の動きについての“予測”は、政府にも伝えられていたはず。

また、6カ国協議の最中には、額賀福志郎元防衛庁長官が中国入りしており、
6カ国協議の議長、武大偉中国外務次官と会談している。
これもまた、状況的には政府の「密使」とみて間違いない。

ことほどさように、日本政府は、水面下で激しく動いていた。


●危機管理;当初の支援不参加だけは各国に呑ませた

日本政府は、合意が採択されることを前提に水面下で動き、
拉致問題についての進展がなければ、当初は
見返り措置、エネルギー支援に参加できないことを、
中国、ロシア、韓国、そして米国に呑ませる形を、つくるにはつくれた。
そのために、先々で負担を強いられるかもしれないが……。

統一地方選、参院選が刻一刻と近づいているなかで、
安倍内閣の支持率下落が続いている。
柳沢厚労相の失言が響いているのだろうけれど、
なにか政権発足から、明るさがない。

こうした国内の政情勢も、ひとつの拘束要因となり、
安倍政権は各国の支援措置に引き込まれて、
拉致問題をなおざりにしたとの批判を受けないよう、
必死にあがいたのかもしれない。


●佐々江氏;外交官のポーカーフェイス

なお、現在の6カ国協議、日本政府の首席代表、
佐々江賢一郎外務省アジア大洋州局長は、いつも発言が慎重で、
感情をうまく隠しているような印象がある。

実に冷静そうで、けっこう、いいのじゃないか、と思える。

                ※※

●寧辺;稼動停止へ――、しかしそのあとは?

これから北朝鮮がどう動くのか――。
たぶん、寧辺(ニョンビョン)の核施設の稼動停止は
織り込み済みだったわけだから、それは実行に移してくるに違いない。
IAEAの査察も受け入れるに違いない。

それで、当面は事態を先送りできるし、
当座のエネルギーも手に入れることができそうだ、と、
考えているのではないか。

勝手に核施設をつくり、成功だったかそうでなかったかはともかく、
核実験の実施を宣言し、ついでに、ポチャンとだけれどミサイルも発射した。
そして、やめろと言われれば、やめてもよいがカネを寄こせ――という。

他の5カ国の足元を見透かしての恫喝だった。

                ※※

●勝利か敗北か?――仕掛けがするりと滑り込んでいる?

今回の合意は、北朝鮮の側の外交的な勝利。
しかし、勝ちと思ったところからほころびが生じたりするもの。
今回の合意を受けて、とりわけ米国と日本は、
北朝鮮のなかへもぐりこもうとしている。

麻生外相がテレビで話し、安倍首相も同様のことを国会で答弁した。
「日本は(今回のエネルギー支援に)間接的であれば協力できる。
たとえば、調査に参加することなどはできる」

迫力のまったくない、その場をとりつくろっているだけの発言にも聞こえるが、
ひょっとすると、けっこうホンキで、エネルギー支援に関わる調査を大義名分に、
堂々と北朝鮮国内に入りこもうとしていたりしないだろうか、、、。

また、日朝国交正常化についての作業部会も設けられるが、
そこで、どのように巻き返していくか――、そこでは、
他の4カ国は入ってこないわけだから、文字通り、
日本の自己責任でやり合うことになる。

そこに、日本政府が神経を集中しようとしていると、期待したい。

                ※※

●しばらくは孤立に耐え、ツッパるしかない!

国会でも、日本は孤立しているのではないか――などと、
野党側から質問があった。孤立、と言えば孤立なのだろうけれど、
この程度の情勢の変化で、やれ孤立だなんだと、騒ぐほうがおかしい。

もし日本が、他国の柔軟路線に、個々で諸手をあげて賛成し、
転じたら、ほんとうに、拉致問題は置き去りになる。
それは、国、国民の精神的な自殺にも等しくなる。

そもそも、政治の場では情勢に変化はつきもの。
そのときどきの情勢を、いかにプラスに転じていくかに、
知恵と体力を使うほうがよいに、決まっている。

日本は孤立をむしろ逆手に取って、
各国を拉致問題に巻き込んでいけばよいし、
振り回していけばよい。

少なくとも、今回の合意に盛り込まれた、
日朝の分科会は使える、と考えたい。

また、韓国には日本の数倍(600人以上とも)の
拉致被害者がいると言われている。
日本は動いて、動きのなかで、北朝鮮に迫る火の手を、
大きくしていったらよいだけなのだ。


                ◇◆


最後に、資料として外務省HP、6カ国協議の概要と合意文書にリンクを張りたい。
・第5回六者会合第3セッションの概要(外務省)
・共同声明の実施のための初期段階の措置(外務省)

今回の合意では、まず、北朝鮮は寧辺(ミョンビョン)の核施設停止や
国際原子力機関(IAEA)の査察受け入れなどを60日以内に実行すれば、
見返りとして、重油5万トンか同額の経済支援を受ける――ことが盛り込まれた。

さらに、北朝鮮側が保有するプルトニウムの完全放棄など、
核計画放棄に向けた措置を実行していけば、
その段階に応じて、最大重油95万トンかそれに相当する支援を
受け取ることができるとされた。

合意は2005年9月19日の、第4回6カ国協議における
共同声明を実施するための初期段階の措置と位置づけられた。

※当ブログ関連記事(2月15日)
   → 6カ国協議;ロシア、支援不参加を表明。――自分勝手な国だ。。。


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(↑15日15:27、66位です。……ふう。なかなか上、いかないなあ。でも、仕方ないや。。)
by yodaway2 | 2007-02-14 15:34 | 北朝鮮問題、どうする