週刊!Tomorrow's Way
tomorrows.exblog.jp

テーマはその日の出来事、ニュースから。あと50年経てば、いまの時代、どう語られているのだろうか。
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30
メッセージ
「吾、汝の言に反対す。されど吾、汝の、その言を言うの権利、死に至るまで擁護せん」。学生時代に出会った言葉です。政治をめぐる意見に賛成、反対はつきもの。お互いを尊重しつつ、意見を述べ合いたいものです。 
・→関連エントリー
・→ブロガーズ・マナー
・→ステイタス&プロフィール
◆22万アクセスを突破!記事数644本(2007.3.16現在)

★★人気Blogランキング
よろしければ、ぜひクリックを!
カテゴリはニュース全般です。

・→BlogRanking

★厳選!情報ソース
※ニュースサイト、シンクタンクなどのリンク集。すごく便利ですよ!
(Seesaaに移転しました。)
★ブログ・リンク(excite以外)
※外部の相互リンクのページです。exciteブログはこのフレーム、下の方にあります。  
★中国古典の名言
※生き抜く知恵を古典に学ぶ。
以前の記事
カテゴリ
最新のトラックバック
フォロー中のブログ
検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
日テレ報道、コイズミ誤算の始まり
長文失礼!お時間があれば、以下にどうぞ。
お時間がなければ、見出しのみ、どうぞ。

               ※※

北朝鮮、金正日総書記との再会談の結果は、
コイズミ首相にとっても、たしかに誤算と言えば誤算だった。
しかし、会談までの過程においても、誤算は生じていた。

また、首相の再訪朝が性急だったとの批判があるが、
実は首相からすれば、逆にかなり追い詰められてもいた。

●日テレによる「人道支援内容」の暴露報道

ターニングポイントの一つ、それも小さくないことであったと思うのは、
訪朝直前、人道支援の内容について暴露した、
日テレの報道番組ではなかったかと考えている。
このことがずっと気になっていたし、書きたかったが、今になってしまった。

あのときの官邸の動きは、たしかに異様に見えた。
マスコミは取材し、報道するのが役割であり、社会的責任とされる。
少なくともタテマエ上は。それを、いかに意にそぐわないとしても、
首相訪朝の同行取材を懲罰的に拒否しようとしたとは……。

その裏には、いったい、何があったのか――。
官邸は、なにゆえ、あれほどまで激怒したのか――、なのだ。

●激怒したのは……、官邸の主

日テレの報道のあと、官邸が激怒し、飯島勲秘書官が
情報元を明かさなければ、北朝鮮への動向取材を認めないと、
強硬な姿勢を見せた。
それは官邸の主――、コイズミ首相の激怒を映したものだったはず。

察するに、烈火のごとき怒りだったのではないか。
これについて、いままで、裏側まで回って伝えたメディアを、私は知らない。
すべて、マスコミの報道の権利をタテにとり、官邸の非常識さを責め立てた。

最後は、細田官房長官が間に入るがごとき役回りを演じ、
事態を収拾したけれど、もとより、それは秘書官の怒りなどでは、
もちろんなかった。

なぜ、首相は怒ったのか――、それも激しく。
それは「秘密にしたいことがバレた」をはるかに超えたレベルだったからだ。

●山崎氏も口にしなかった支援内容

山崎拓氏と共に4月初旬、中国・大連で
北朝鮮幹部と会談した平沢勝栄衆議院議員が、
昨日、民放のテレビに出演し、他の出演者からこう詰問されていた。

「平沢さん、あなた方は会談で、支援の内容も約束したのか。
8人は戻ってくると、あなたは言っていたが、そうではなかった。
約束した内容と今回の結果はどこが違うのか」――と。

平沢氏が答えた。「支援内容などは全然、口にしていない。
向こうからも言ってこなかった。お互い、言ったのは平壌宣言に戻ろう、
国交正常化交渉を早く始めようということだけだ。
8人は、向こうから帰国させると言ってきた。それが、結果と違った」と。

注意深く、平沢氏の発言を聞いてみる。
「支援のことは口にしていない」――。つまり議題にしていないという。
そのとおりだとすると、今回の支援内容は、誰がどこで決めたのか……。

人道支援を拡充することは、一方で既定の路線にのったこと、
当然視されてもいたのだが、それが今回のような、とてつもない規模、
すなわち25万トンのコメと、日本円にすれば11~2億円という、
巨額の医薬品の提供になるとは、ほとんど、誰も想像できなかったはず。

計画は極秘で練られていた……。実は、官邸の主の主導で。
知っている人間も限られていたように思う。

●丸裸になっていくコイズミ

それが……あろうことか、読売系の日テレで暴露報道されてしまった。

実は、実はなのだが、この時点で、
コイズミ首相は丸裸になってしまっていたのだ!

マスコミは気付いていなかったか、避けていたのか…………?

コイズミ首相の政治は、「サプライズ」の言葉で形容されることがある。
賭けに挑むからには、コイズミにも武器が必要だった。
そしてそれは、事前には決して見せてはならなかった。

結論を先に言う。日テレが報道せず、かつ交渉がほぼ思い通りであるなら、
人道支援――実質的な経済支援は、著しく少ない規模で済んだ可能性が、
極めて高い。極めて、だ。

また逆に、その場で、こちらから嵩を上げることだってできた。
事前の批判になどにさらされ、がんじがらめになっていなければ……。

●コイズミは、追い詰められていた

コイズミ首相の決断は性急すぎたとの批判があるが、
その影で、実は首相は追い詰められていた。

拉致家族から信任の厚い安倍幹事長、拉致議連の平沼赳夫氏ら「圧力派」が
中心になって進めた、先の外為法改正、今回の特定船舶入港禁止法案――。

これは……実に皮肉なことに、北朝鮮を追い詰めた、というよりも、
コイズミ首相その人を追い詰めてしまったのかもしれない。

彼は焦っていた。もし……特定船舶入港禁止法案が成立してしまえば、
北朝鮮は拉致家族の帰国などに応じることは、今以上に、否、まったく
なくなるのではないか…………。

そして北東アジア、ニッポンの安全保障に障害となっている
日朝国交正常化についても、コントロールできなくなる。

国民は国際政治のうえで繰り広げられる駆け引きまで考えてはくれない。
いま、日本はすべて日米関係のなかで、経済も安全保障も組み立てている。

それがいつまで続くのか……、外務省は伝統的に米国しか見ていない。
自分もブッシュ政権との絆を言われるが、しかし……
たとえばだ、中国がこのまま力を付けていった場合、
朝鮮半島と日本の関係は、いまとまるで違う意味が出てくる。
だから、いまのうちに国交正常化交渉を、
02年の訪朝時のレベルまで戻す必要がある……。

また、コイズミ首相は憲法改正を言い切ったり、靖国参拝を強行するなど、
タカ派のイメージが強いが、細かく彼の政治行動を検証していくと、
そうとばかりも限らない。裏側ではイラク特措法の採決に議場を退場した、
YKKの一人、加藤紘一氏ともいまなお、気脈を通じているのではないかと思われる。
が、ここでは本題ではないので、それには触れない。

6カ国協議の難航も頭の痛いことばかりだった。
6月上旬にはサミットが開かれ、半ば過ぎに国会が会期末を迎える。
そして、そのあとは参議院選挙だ。これは第一の関門になる。
いずれにしても三位一体の構造改革を形にし、
さらに郵政民営化にも、なんとしても端緒をつけたい。
それだけに――、だ、政権の浮力を、推進力を失いたくない。

●被害者の会見は、コイズミの侠気にこたえた

それに何よりもだ、先に帰国した拉致被害者5人は――それは首相の功績で
帰国したのだが――その人たちが、半年経って、そして1年経って、
記者会見して「つらい。政府は早くなんとかして……」と話すのは、こたえた。

コイズミは、政治家にはめずらしく、侠気の漢(おとこ)であるのかもしれない。

もちろん10人の安否不明者、そのほかの特定失踪者の問題もあるけれど、
曽我さんを、地村さんを、蓮池さんをなんとかしたいと、…………なんと、
一国の宰相自らが考えてしまったのである。

ああ、なんという純情……、政治家なら、もっともっと
ずる賢くなくちゃダメじゃないか……、そう思わずにはいられないほどだった。

コイズミの誤算は続いた。

その一つには、曽我さんの夫、ジェンキンスさんに対する米国の姿勢の硬さだった。
これは別項でふれることにするけれど、米国からすれば、ジェンキンス氏は、
許しがたい、とんでもない犯罪人であるのだ。
が、細かくは、やはりここではふれないことにする。

●逆転のために密かに用意した武器、それが……

いずれにしても、コイズミは政治家にあるまじき正直さを発揮してしまい、
自らその陥穽に落ちる危険にさらされ始めた。

それを跳ね返す武器として、実は今回、マスコミが疑問も持たず報道している
25万トンのコメ支援、日本円で10億円――
1000万ドルというとピンとこないが――を超える医薬品支援だったのだ。

コイズミ首相は、批判をこの点では覚悟していた。

また、今回の会談、外務省の怠慢コンビを担当者にせざるを得ない事情があった。
ソイツらにお膳立てを任せなければならない、この矛盾の大きさはなんだ――、
そう思ったかもしれないが、コイズミはがまんした。

これにはさまざまなことがからんでいる。
結局は自分から辞表を叩きつけて辞めた福田康夫前官房長官もからんでいる。
ちなみに、福田氏の辞任も、いまにして思えば、年金問題が主で辞めたのではない。
そんなふうに考えているマスコミ関係者がいれば、その人はよっぽどの間抜けだ。

外交――について、極限状況のなかで首相と福田氏は、対立してしまったのだ。

また話はズレるが、だからこそ、首相は落選中の盟友、山崎氏を
頼らなければならなかったのだ。これらについて、
簡単に言うと、マスコミの報道は、すべて順序が逆になっている。

●札束で、金正日の頬ッ面、引っ叩いてやる!

首相は批判を覚悟して、会談の準備をし、構想を練った。

つまずけば…………、もし当日の会談でだが、
札束で、25万トンのコメと10億、20億のカネで、
金総書記の頬ッつらを、――――引っ叩いてやる!!

コメ25万トン……今の北朝鮮にとって、どのくらいに見えるか。
10億、20億……、否、場合によってはそれ以上のカネだって、
オレは言い出してやる。

それを拒絶するだけの勇気は、いまの北朝鮮にはあるまい。
だから差し出せ、いま、北朝鮮に拉致している日本人全員を!

コイズミは、――そう、凄みたかった。
だから支援内容は、最後の最後まで秘匿したかった。

コイズミの覚悟した武器が、実はヤマザキにも、決して相手に語らせなかった、
今回の人道支援だったのだ。

北朝鮮からも、その話がなかったのでは――だって?
バカな!北朝鮮の最大の関心事は「経済支援」に他ならない。
日本がどう出てくるか――それを読もうとして、やり合っているのだ。

だから……こう言っては悪いけれど、ほんとうにバカな日テレだ。
ほんとうにバカだ、まわり中…………!

●完全に手の裏を読まれたニッポン外交

北朝鮮は日本政府の動きを、こと細かく注視し、分析しているし、
それは即刻、金総書記のもとへ届いてもいる。
当然のことながら、報道と同時に、コイズミの隠していた武器は
あからさまになってしまった。

あからさまになった時点で、それは既定のお約束に近いものに、
変容してしまった。外交カードでも何でもなくなった。

効き目も何も期待できないものになってしまった。

山のような大金を積んで、相手の頬を引っ叩く。
そして、少なくとも8人は連れて帰る。

その、いざというときのつっかえが、なくなってしまった。

今回のような、ジェンキンス氏と交渉などする必要がないことなのだ。
頬を引っ叩き、ジェンキンス氏を国外追放にでもなんでもさせればよいだけだった。
少なくとも、他の子供たちと同じように、妻、ひとみさんのところに会いに行けと、
そう、北朝鮮当局が命令すればすむ話だったのだ。

●リングの闘い、いまも……

外交の場では、相手のカードを読んだほうが勝つ――。
そんな、幼稚園の生徒にも教えられるような、ごく当たり前の法則によって、
コイズミは劣勢に立たされた。

過去の記事で、情報元に少しふれているので、いまは触れないが、
流した人間には意図があり、報道した人間は商業主義に過ぎないことを
思うと、気持ちが塞ぐ。

だいぶ長くなってしまった。いずれにしても……、家族の怒りは
ほんとうにわかるのだけれど、首相の内なる怒りをも思えば、
今回は批判する側には、あまり回りたくない。

それに、彼、コイズミは、まだ……、リングを降りることを許されていない。

                  ※※

※今回の会談は、短い期間にさまざまな局面で、想像を絶する駆け引きがあった。
激闘だったと思う。それがよく伝えられていない。北朝鮮とはもちろんだが、
中国とも激しい駆け引きがあったし、米国とも厳しいやりとりがあった。
そしてそれは、今も終わっていない。
[PR]
by yodaway2 | 2004-05-24 00:15 | 北朝鮮問題、どうする