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「吾、汝の言に反対す。されど吾、汝の、その言を言うの権利、死に至るまで擁護せん」。学生時代に出会った言葉です。政治をめぐる意見に賛成、反対はつきもの。お互いを尊重しつつ、意見を述べ合いたいものです。 ・
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中国、安保理拡大に拒否権、と!――ニッポンに立ちはだかる巨龍。
2005年 06月 03日
このブログ、決して、絶対に嫌中サイトではないつもりだが、
国連改革について、どうも、捨てておけない発言が、 またもや中国から聞こえてきた……。 中国は、いわゆるG4草案への反対姿勢を匂わせていたが、 ここへきて、事実上の拒否権発動に、あからさまに言及しはじめた。 周知のとおり、G4とは日本、インド、ドイツ、ブラジルのこと。 4カ国共同で、常任理事国6増、安保理計25カ国を軸に、 安全保障理事会の拡大を提案しており、6月中の採択をめざしている。 いまが、G4にとっては、胸突き八丁と言ったところだ。 ※※ ●王国連大使、改革案が採択されても批准されない――と。 概略について、ここでまとめるよりも、 報道の方がわかりやすそうなので、以下に毎日から引用。 「中国:国連大使、『安保理改革批准を否決』明言」――。 >中国の王光亜・国連大使は2日、アナン国連事務総長と会談した。 >王大使は会談後、同決議案採択が強行されれば「国連を分裂させる」と >厳しく批判するとともに、採択を受けた国連憲章改正の批准の段階で >「否決される」との見通しを示した。中国が従来にも増してG4の方針に >明確な反対姿勢を示したといえ、G4は大幅な戦略見直しを迫られそうだ。 さらに、中国、王国連大使の発言を、次のように伝えた。 >国連憲章は安保理改革に不可欠な憲章改正について >「国連総会で3分の2の賛成で採択するとともに、 >常任理事国5カ国(米英仏中露)すべてを含む加盟国の >3分の2の批准が必要」と規定。 >王大使は「最終段階で批准しないという意味か」との質問に >「明確な否決ということだ」と述べ、中国の国会に相当する全国人民代表大会で >批准手続きが否決されるとの見通しを明言した。 ・元ソース→http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/asia/news/20050603k0000e030037000c.html ●憲章改正;常任理事国5カ国の批准が必要――。 簡単に言えば、仮に、日本を含む4カ国の共同提案が、 国連総会を通ったとしても、中国は批准しないだろう――と言った。 国連憲章の改正に直接の拒否権はないが、改正には 加盟国の3分の2の批准だけでなく、常任理事国5カ国すべての批准が必要なので、 中国が批准しなければ、それはいわゆる、拒否権の発動、と同じことになる。 その、”拒否権”の発動を、中国はするのだという。 ※※ ●ニッポンを、しゃにむに牽制する中国の意図――。 明らかに意識しているのはニッポン……。 前置きとして、これはたしかに、靖国問題が原因ではないようだ。 もっと深く、東アジア、北東アジアの覇権をかけているのだと、 受け取らざるを得ない。 またニッポンも、国の姿が成長段階から成熟段階に移行したことで、 「経済大国」から「政治大国」に舵を、大きく切ろうとしている。 それを中国側は、なりふりかまわず、阻もうとしはじめている。 もちろん、ニッポンの背後には米国がおり、 それもにらみ、代貸しであるニッポンを阻むのは、 米国の牽制に意味を等しくする。 ※※ ●中国、アジア各国に特使派遣――と、BSニュースで。 昨日午前のNHK、BS-1、BSニュースで、 「中国がG4の国連改革案に反対し、アジア各国に 特使を派遣するなどの動きを強めています。実際に、アジアのなかには 中国に気兼ねして、改革案への態度を明確にしない国が出てきているということです」 と報じられた。記憶なので、文言は少し違うかもしれないが、概ね、そういう内容だった。 非常にひっかかったが、このニュースは そのほかでは聞くことも、読むこともできなかった。 国連改革反対を目的にした特使の派遣――とは、またずいぶん、 あからさまなやり方だと思った。 ※※ ●日本、一心不乱に外交攻勢……。 先月、日本政府、外務省は世界各国から大使を呼び戻し、 国連改革に向けての「決起大会」を催した――と伝えられた。 町村外相もニューヨークへと足を運び、各国の国連大使などと会っている。 首相の国際会議への出席、首脳の往来も、すべて、この、国連改革に関係している。 米国はもともと安保理改革に反対で、つまり米国の国益につながらないと見ており、 二転三転、ジグザグしているが、表面、日本に同調するように変わってはきている。 舞台裏で、日本政府からの、かなり強硬な働きかけがあってのことのように受け取れる。 アナン国連事務総長の動きも活発だが、そこにも、日本政府の影がある。 ※※ ●今なら、今のうちなら、常任理事国入りを果たせるかもしれない……。 日本政府は必死なのだろう。 国際的にはブラジル、ロシア、インド、中国――、いわゆるBRICsの 急成長が言われるなかで、日本はあべこべに少子高齢化に向かい、 先々の活力維持に不安が高まっている。 ゆえに、戦後の国際社会への貢献を元手にして、いまなら、 国際的な政治力の担保となる国連常任理事国入りが果たせる、と。 ※※ ●経済大国から政治大国へと舵を切るニッポン……。 コイズミ首相は、首相就任当初は、もともと国連の常任理事国入りに、 構造改革を最優先したいとのことだったのだろうか、 必ずしも積極的ではなかった――とも伝えられている。 常任理事国入りにはリスクもある。 絶え間なく生まれる国際紛争に、いままで以上に、つねになにがしかの 関わりを迫られるのではないか、そしてODAの増額要請には、 もはや余裕もなくなってきている……などなど。 しかしそれでも、経済大国から政治大国へ――と、 ギギッと、舵を切った。 ※※ いまは、日本は――、インド、ドイツ、ブラジルもそうなのかもしれないが、 日本から見ていると、日本こそが一番、熱心ではないかと思われてくる。 G4の会合の場も、日本の国連事務所が積極的に使われているようでもある。 一心不乱――にさえ見える。 ※※ ●右手の握手と左手の殴り合いと……。 その、一心不乱なニッポンの前に、 隣国の巨龍、中国が立ちはだかろうとしている。 それは、貿易、投資、企業の進出――などで、相互に、 濃密に関係しつつも、戦略的な時間で考えれば、 もうすでに、お互いの国益が、激しくぶつかり始めているのは周知のとおり。 東アジア共同体、ETA、そして東シナ海ガス田開発、EEZ線引き、尖閣諸島領有、 世界各国におけるエネルギー開発権争奪、さらに台湾問題……などなど。 ※※ 中川経産相は東シナ海ガス田開発に関して、共同開発を求めながら、 春暁などの開発行為を中止しない中国に対して、 「右手で握手しながら左手でぶん殴るようなものですから」――と言った。 この、握手と殴り合いの関係は、この先も続くのではないか……。 いまのところ国連改革について、見えた――とは言えない。 もっと先の明日については、なおさら、見えない。 ※※ ≪追記≫ ●火花散らす、「術」の中国、「技」のニッポン――。 中川経産相の言葉を受けて。 片手だけでも握手しているうちはよいのかもしれない。 両手で殴りあう事態は、絶対に避けたいと思われる……。 それが政治であるはず。 その一方、いかなる事態、状況にも応じられるよう、 いまのうちに布石を打つ――、それも政治なはず。 その一つが、国連改革、すなわち安保理拡大の問題であり、 中国の一挙手一動は、すべて、ニッポンを見ている。 ※※ 4月16日のロサンゼルスタイムズだったと思う――。 燃え盛る反日デモを評して、「中国の術中に落ちた日本」とのコラムがあった。 と言っても、それを伝えた国内メディア(翻訳)で間接的に読んだのだけれど。 だから、原文で「術」がどのような言葉であったのかはわからないが、 うまいところを突いた表現(訳語)だと思った。 そして、そのとき、中国が「術」であれば、 ニッポンは「技」の国――ではないかと、そんなふうに考えてみた。 ※※ 中国は「術」の国、対してニッポンは、「技」の国――。 「技」は「業」の字であってもよい。 いまの日中の関係は、あたかも、 「術」と「技」、「技」と「術」の掛け合いのよう。 どうか、コイズミ政権の「技」が、 意図された「技」であらんことを、と思う。
by yodaway2
| 2005-06-03 17:22
| 中国と、どう付き合う
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