週刊!Tomorrow's Way
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テーマはその日の出来事、ニュースから。あと50年経てば、いまの時代、どう語られているのだろうか。
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メッセージ
「吾、汝の言に反対す。されど吾、汝の、その言を言うの権利、死に至るまで擁護せん」。学生時代に出会った言葉です。政治をめぐる意見に賛成、反対はつきもの。お互いを尊重しつつ、意見を述べ合いたいものです。 
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日中会談。”トリックアート”のような危機管理。――けっこう微妙?
日中首脳会談から一夜明けて、さまざま、ニュースを読んでみた。
まとまるかどうかわからないけれど、多くの報道とは、
少し異なる気持ちになっているので、エントリーを書きはじめてみたい。

                    ※※

●川中島の決戦に、切り結んだ信玄と謙信――?

国家間の諍いにかかわらず、それが企業間であっても、個人間であっても、
お互いの利益、主張、信条などが対立し、その溝を埋め難い場合、
双方、メンツを立てあいながら、いったん兵を引く――ということはあり得ると思う。

川中島から兵を引く信玄と謙信――。
どちらが信玄で、どちらが謙信かはともかく、ちょうど、そんなふうにも思えてきた。

また、会談の結果については、こんなイメージがわいた。
トリックアート……。

横からみると長靴の形をしているのに、正面から見れば女性の立像――。
私の街にそういうオブジェ(彫刻)がある。
トリックアートの、ひとつの典型的な作品らしい。

会談の結果について、日本、コイズミ首相が、
中国、胡錦濤主席がそれぞれ会見した。
当然のことながら、温度差のある会見の内容。

問題を、いわば棚上げにした格好なのだが、ただ、双方は、
事態を沈静化させることが、「共通の利益」とだけは確認した。

                    ※※

●「危機管理」に動いた、2つの国のトップ――。

今回の首脳会談は、コイズミ首相と胡錦濤主席の、
日本、中国双方のトップによる、「危機管理」を目的に絞った会談だった。

何かを生み出そうという、建設的、創造的な会談ではなく、
いかに、日本、中国の双方が、持てるものを失わないか――が目的にされた。
経済的な問題としても、政権の威信の問題としても、
そして国家のイメージの問題としても……。

中国は首脳会談に向けて、反日デモの押さえ込みに、
4週目にして始めて本気で取り組み、ほぼ、押さえ込んだ。

まだ、今後については懸念があるが、中国政府はすでに、
デモを徹底的に規制する方針を明らかにしていて、
この先も、これが緩むことはなさそうだ。

会談では、コイズミ首相が一歩引いた姿勢を示した。
胡錦濤主席も、国内世論、政権周辺のタカ派の視線を気にしつつ、
応じる姿勢を見せた。

「危機管理」に絞って見れば、これはやはり、
微妙なところにボールを落とした、しぶいヒットで、
成功であったと思う。

                    ※※

●ニッポン;相手の重心を吊り込もうと、引き技で仕掛ける――。

昨日の会談の場面を、ちょっと振り返ってみたい。

会場は胡錦濤主席が宿泊していたホテル。
そこにコイズミ首相が訪ねる形を取った。
ここで、もうすでに、日本側の意図が働きはじめている。

日本側の宿泊ホテルに招くことができないとしても、
双方に関係のない、別のホテルを選ぶことだってできる。
それをせず、ちゃっちゃと、相手のホテルに乗り込んだ。

政権内からも反対があったのに、
北朝鮮を2度も訪朝したのを思い出す。

ただ、引き下がって、相手への配慮を見せよう、
そう、日本側は考えて臨んだ。

                    ※※

●握手;どーんと飛び込んできた、コイズミから差し出された手に――。

会談の会場となった部屋――。
足早に入っていく首相……。胡錦濤主席が突っ立つようにして、待っていた。
首相は大きく笑顔をつくり、ザザッと手を差し伸べ、半ば、強引に握手。
胡錦濤主席の表情は硬く、笑顔なし。引きつり気味にさえ見えた。

カメラの前を誰か(記者には見えず)が横切ったりしたので、
会場でそれぞれがピシッと立ち位置につかないうちの、
首脳同士の再会、握手になった。

胡錦濤主席の後ろにいた通訳の女性も、
カメラのアングルのなかに入ってくる気配が残っていたので、
不意打ち同然のスピードで、コイズミ首相が部屋に現れた雰囲気があった。

                    ※※

●冒頭;津波被害の話題、チグハグなやりとりに――。

冒頭の発言が、また、おもしろい。
最初にコイズミ首相が切り出すが、日中間の問題ではなく、
津波の被災地、アチェ視察の印象を話題に振った。

それがまた、よくよく振り返ると、とても
チグハグなやり取りだった。

コイズミ首相。大きく、身振りを交えて。
「今日ね、津波被害の大きかったアチェに行ってきたんですよ。
いやあ、ひどい惨状でねえ……。まだ9万人も行方不明だそうですよ」

胡錦濤主席。
「インドネシア国民が必ず困難を克服すると信じています」

おかしくないかナ? ――このやりとり。
「おお、そうですか。よく時間が作れましたね。私も行くんだったなあ。
中国と日本で、ぜひ、復興支援に力を合わせましょう」――くらいの
返事がほしかったところ。

ゴチゴチ、ガチガチに堅い返事になった。

「カレー食べに行きませんか?」
「ソフトクリームって身体にいいのかなあ」
――みたいな、関係はしているけれど、なんかちょっと、
フィット感のないやりとりだった。

                    ※※

●謝罪や補償に言及せず――の計算式。

コイズミ首相は会談において、謝罪や補償を求めなかった。

中国側は今回の会談を受ける条件として、
テレビカメラの入る冒頭で、コイズミ首相が謝罪や補償に言及しないことを、
求めていた――とされるが、コイズミ首相は、それどころか、
報道陣を追い出したあとのやりとりでも、それを言わなかったようだ。

これは、先に”恩”を売ったカタチ。

中国側は、日本に責任がある――なんて言っているが、
大使館の安寧(あんねい)の確保に義務を負う、
国際法を理解していないわけではない。

本質的には、負い目がある。
そこを、日本側は、敢えてはずした。

                    ※※

●5つの要求項目;まあ、いいや、こンくらい――と。

会談で胡錦濤主席が示した5点については、
日本側はたぶん、事前にはつかんでいなかったと思われる。

これはた中国外交部、中国共産党の裏方たちが、
必死になってまとめたもの。孔泉報道官は前日もこの日も、
目を真っ赤にしていたので、たぶん、首脳会談を前に、
何日も徹夜続きになっていたのではないかと思われる。

それは明らかにウサギの目になっていて、
睡眠不足が見て取れた。(花粉症でなければ、ね。)

首相は会談でこれを聞き、問題はあるが、
しかし、まあ外交文書でもなし、これも目を瞑る――とした。

                    ※※

●反日デモ防止;うんうんと、大きく首をタテに……。

ヤマ場はコイズミ首相の切り出した再発防止要求――。
胡錦濤主席は、言葉にはせず、大きく首を縦に振ってうなずいた、という。
それが、精いっぱいだった。

コイズミ首相は、これでよし、とした。
あとのことは、外相、事務方に任せればよい、とした。
首脳会談のレベルでは、相手に大きく首を振らせただけで、十分と考えた。

よくよく考えると、日本側の要求に、
国内事情から声も出せず、ただ、首を振って答えた――とは、
ちょっとおもしろいシーンだった。

                    ※※

●歴史問題;”返礼”に、中国尊重のシグナル送る――。

一方、胡錦濤主席は靖国問題、歴史認識問題については、
どうしても成果を挙げたかった。が、実際の、攻・守の関係については、
内心、理解していただけに、直接的な表現を避けた。

もちろん、コイズミ首相の出方が読みきれず、
主張を応酬するような展開には、決してしたくないと考えていた面はあった。

コイズミ首相は会見で明言を避けたが、
胡錦濤主席が反日デモ防止で首を縦に振ったのと裏返しになり、
中国政府の立場を尊重するとの感触は与えたのだろう。

                    ※※

●「いちいち討論……」の、言葉のしっぽをポーンと踏んだ。

コイズミ首相は会談後の会見で、靖国問題、歴史問題について、
「胡錦濤主席は靖国の問題、歴史の問題には触れましたが、
同時にいちいち討論する気はないと話されましたので、
私も話しませんでした」と述べた。

この「いちいち討論する気はない」とは、実に微妙な部分を、
ペロリと紹介してしまったもんだ、と思った。

胡錦濤主席の真意は、ひょっとすると、少し違うものだったのではないかと
なんとなく思うのだが、この言葉のしっぽを、ポンと踏んだところで、
コイズミ首相は窮地に立つことなく、一番のハードルをあっさりクリアした。

                    ※※

●トリックアートの如く、見る方向で異なるカタチに。

会談が終わったあと、外国の報道陣から「どうだったか?」と聞かれ、
首相は上機嫌に、英語で「ベリィ・グッド・ミーティング!」とやった。

一方、胡錦濤主席は、いぜん表情も硬いまま(ひきつり気味、顔に汗)、
会場の部屋の外で立ったままで、会見に応じた。
それは、中国の国家主席としては異例のことなのだという。

軍配は敢えて挙げず。
しかし、冒頭で述べたように、この会談は「危機管理」を目的にしたもの。
成果は、トリックアートのように、見方によって違ってくるのかもしれない。

しかし、2人は、それでよし――とした。

                    ※※

●日中の大将戦;引き分けにこそ「利」あり……?

報道のうち、解説記事や社説では、首相が
謝罪や補償を求めなかったのは、失敗だった――との評価が見られる。
結局、謝罪外交に戻った――とするような解説もあったと思う。

しかし、そんなことはない。
微妙なところで、けっこう、よい引き分けを演じた。

                    ※※

日本、コイズミ首相にせよ、中国、胡錦濤主席にせよ、
どちらも傷を深めずに、いま目の前にある危機から脱しようと、
水面下では必死に水を掻いた。

心のうちは、双方、知恵の限りを尽くして戦ったのではないかと思う。

どちらの国にあっても批判は尽きないと思われるが、
yodaway2としては、今回の会談、
そうそう捨てたものじゃない――などと考えてみた。^^


                    ◇◆

≪Tomorrow's Way 関連エントリー≫
・日中会談。共に勝者にも、共に敗者にもなり得る――と。(速報)〔4月23日〕
・戒厳令の上海。早く”大人の対立”になると、いい。〔4月23日〕
★「負けて勝つ」の思想こそ、日本独自の強み。――中国問題。〔4月22日〕

                    ◇◆
≪資料編≫
・中国大使館→胡錦涛主席、小泉日本首相と会見(新華社)〔2005/04/24〕
・中国大使館→胡錦涛中国主席、中日関係について重要談話(新華社)〔2005/04/24〕
・人民網日文版→胡錦濤国家主席、日本の小泉首相と会見
※日本;外務省HPの発表資料は未掲載。掲載確認後、追記します。(25日14:00)


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by yodaway2 | 2005-04-24 21:44 | 中国と、どう付き合う