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「吾、汝の言に反対す。されど吾、汝の、その言を言うの権利、死に至るまで擁護せん」。学生時代に出会った言葉です。政治をめぐる意見に賛成、反対はつきもの。お互いを尊重しつつ、意見を述べ合いたいものです。 ・
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サンデープロジェクト、中国経済特集を見て。
2004年 11月 28日
午前中、サンデープロジェクトを見ていた。
経済ジャーナリスト、財部誠一氏がレポートした 「中国シリーズ、中国マネーが日本を元気づける!」に刺激を受けた。 今日の放送の、財部氏のレポートの主旨は中国の国、経済と 結びつきを強めつつある日本企業、自治体を実際に取材して、 中国をただ「脅威」とだけ見ていて良いのかどうかを問いかけるものだった。 つまり、「中国脅威論」が根強いなかで、財部氏は中国、とくに 中国の経済パワー、市場をチャンスと見るべきだ――と言いたいのだと受け取った。 ※※ ●中国は「脅威」か「チャンス」か――。 先に、私自身の立場を示した方が、誤解を招かないで済むかもしれない。 私は中国が日本にとって「脅威」であることは否定できないと考えている。 いまの中国経済の過熱ぶりをバブルとして危ぶむ見方も知っている。 中国経済の国内における格差については、過去のエントリーでも取り上げた。 しかし、一方で「虎穴」に入って、ときに中国を抑制し、 ときに自らの機会に結びつけることは、当然にして必要だと理解する。 日本からも、中国からも、実は、両国は相互に付き合いづらい関係だ。 日本からすれば中国は脅威。中国からしても日本は 太平洋への行く手を阻んでいる要塞のよう……。 (中曽根氏はかつて「不沈空母」と発言し、問題になった。) しかし、どちらからしても付き合わないわけにはいかない。 ならば、領土問題、資源開発問題を抱えつつも、 相互に利益となる付き合い方を考えるしかない――と、 いま現在は考えている。 ※※ ●自治体が生き残りをかけて進める、中国企業の誘致戦略。 それにしても財部氏のレポートには、改めて驚いた。 中国の熱気に、そして政治の冷めたままの雰囲気とは別に、 企業レベルで、自治体レベルで結びつきが強まっていることに。 番組に出てきたのが福岡市の例――。 福岡市は中国企業を誘致しようと、福岡―上海を27時間で結ぶ 高速貨物船の就航を後押しして実現させたりもしている。 市の担当部には18人の職員・スタッフがいて、そのうち4人が中国語を話せる。 そうした市の体制づくりに応じて、実際に中国企業が視察に訪れ、 かつ進出もしてきている。 そもそも、中国における経済発展の象徴ともなっている上海には、 いま現在で18もの自治体が現地事務所を開き、誘致にしのぎを削っている。 神戸市も同様。神戸市は阪神大震災のあと、 多くの国内有力企業が去ってしまったなかで、 都市の生き残りをかけて、中国企業の誘致を仕掛けた。 神戸市への進出を決めた中国人社長が、 仲間の社長たちとの会食の場で、らんとした目つきで話した。 「神戸市は私を応援してくれていますよ」 同席している社長も応じる。 「よし、儲けよう!」「いっしょにやろう!」 「私が成功したら、日本へ来てください」 いまの中国にあって、ビジネスはまさに”即断即決”なのだという。 ※※ ●人生は一度限り、日本に賭ける――と、中国人ビジネスマン。 経営難に苦しむ日本の製造業に対して、 買収を仕掛ける中国人ビジネスマンが話した。 「人生は一度限り。あれもこれもできない。 だから私は国は日本、業種は製造業サービスと決めて、 この先、30年、40年やることにした」――。 なんということだろう、多くの日本人が、日本の行方に不安を抱き、 製造業の地盤沈下を嘆いているだけだというのに、 この、まったく逆転している視点、視線は――! 日本人は、まるで自分たちの価値がわかっていない――とでも言いたげだ。 ※※ ●「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と信じていたこともあったのに……。 その中国人ビジネスマンの企業買収の申し出に応じることに決めた、 日本企業の会長(たしか字幕で78歳)が話した。 「日本の製造業に続いてきた護送船団の企業体質は弱い。 それから脱却するには、やっぱり中国かな、と考えた」と。 ああ、なんということだろう、少し以前は”日本式経営”こそ、 「ジャパン・アズ・ナンバーワン」などと言われ、 私たち自身もそう信じていたというのに……。 中国人ビジネスマンが再び話した。 「日本企業は、宝の山ですね」。 ※※ ●「中国市場に、最大の力で迅速に参入せよ」――と中国人社長。 社歴30数年の老舗、中堅の国内印刷機器メーカー・A社の話。 A社は経営不振から会社更生法の適用を受けることになった。 それを買収したのが、上海の企業。 高性能の印刷機を製造できる技術力があるのは、 世界で日本とドイツだけなのだという。 その企業は、業界では高く評価され、両面同時印刷機を 世界ではじめて開発した実績などもあるとのこと。 経営難に陥り、さまざまな企業に会社譲渡の話を持ちかけたようだ。 しかし、反応は「設計図は欲しいが、従業員はいらない」。 しかし、A社を実際に買収した上海の中国人・K社長は違っていた。 逆に年齢が高い従業員を中心に再雇用し、その一方、 製造ラインのスタッフに過ぎなかった30代半ばの男性を工場長に抜擢した。 そして、中国人・K社長はいま、驚くべきスピードで経営再建を進め、 初年度で黒字に転換させているというのだ。 その中国人社長は、会社再建のプロでもあるらしい。 従業員がK社長について語った。 「印刷業界にも精通しているし、世界の情勢にも通じている」 K社長は月に10日も日本にいられないらしいのだが、 よく現場を見て回っているようすが紹介された。 「戦略こそ市場経済の核心なのです」 「今後、印刷機は世界市場で急速に需要が高まります。 中でも中国市場は最大に重要です。ですから、我々は 最大の力で、迅速に参入しなければならないのです」 ※※ ●ニッポンは眠りつつある獅子――? 中国は、やはり「脅威」だ。 そのうえ、日本人に欠けてしまっている自信にも満ちている。 清朝末期、中国は眠れる獅子と揶揄されながら、列強の侵略に蝕まれた。 日本も後発の帝国主義国として、最後の最後になって中国に進出し、 結果、今日もその歴史を「きのうの続き」(胡錦濤主席)として引きずっている。 清朝政権は、自分たちの遅れた姿をなかなか認めようとしなかった。 プライドだけで、世界と渡り合おうとしていたのだ。 それが魯迅の「阿Q正伝」に描かれた姿だったのだ。 翻って、いまの日本はどうだろうか。 遅れてはいない、まだ。……しかし、このままでは抜かれる。 そんな感じではないだろうか。 ※※ ●中国とどう付き合っていくか……。政治では、経済では。 中国とどう付き合っていくか……、これはすごく難しい問題だ。 政治と経済とが、異なる尺度を使わざるを得ない面だってある。 経済の論理だけに政治をあわせることはできないし、 一方で経済だけが関係を濃密にしていっては、 とどのつまるところ、国の存続を結果として危うくしかねない。 その舵取りは、私たちが選んでいるはずの政権に託すしかないのだが、 それにしても、日本人は覚醒すべきときに至っているのかもしれない。 座して衰退したくない。 日本は毎日毎日、努力するしかない――。 努力によってパワーを維持し、知恵によって世界と競っていくしかない。 そして我が身を守るためには、狡知さも身につけていかなければならない。 ※※ 「アリとキリギリス」の寓話があるけれど、 日本はキリギリスになっては、決していけないと思う。 ※よろしければ、今日もクリックを!→ Blog Ranking
by yodaway2
| 2004-11-28 14:33
| 中国と、どう付き合う
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