週刊!Tomorrow's Way
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テーマはその日の出来事、ニュースから。あと50年経てば、いまの時代、どう語られているのだろうか。
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メッセージ
「吾、汝の言に反対す。されど吾、汝の、その言を言うの権利、死に至るまで擁護せん」。学生時代に出会った言葉です。政治をめぐる意見に賛成、反対はつきもの。お互いを尊重しつつ、意見を述べ合いたいものです。 
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日中首脳会談、けっこうおもしろかったかも。――駆け引きはこれから。
遅まきながら、たったいま、日中首脳会談のやりとりをいくつかの記事で読んだ。
そのなかで、現時点では毎日、サンケイが「会談の要旨」をまとめていて、非常に、
注目すべき内容を含んでいるように受け取れた。

毎日は記事(署名記事)において「1年ぶりの両首脳の会談は、
関係の悪化に若干の歯止めをかけた程度で終わったといえそうだ」との
評価なのだが、私はそうも思わなかった。

朝日もネガティブな評価で「靖国問題を解決しない限り、政治分野での日中関係の
本格的な改善は見込めないことが明らかになったと言える」としているが、
私自身は逆にも考えられる――と思った。

「靖国問題を解決しないかぎり」は、
「靖国問題さえ解決すれば」の裏返しであるからだ。
詳しくは後述するが、日中間には、ほんとうにさまざまな問題があるはずなのに、
これはおもしろいことになってしまったと思う。

まだ報道が出揃っていない段階なので、暫定的な感想なのだけれど、
案外、それなりに成果のある会談だったのではないだろうか。
さらに、ひょっとしたら、コイズミ首相の方が、
うまく中国、胡錦濤主席を追い込んでいると考えることさえできる。


                    ※※

まず、ふうん……と思ったのは、会談の時間が、当初に予定された
30分間を大幅にオーバーし、1時間7分に及んだという点。

会談は胡主席の宿泊しているホテルに、コイズミ首相が出向く形で行われたのだが、
それはまあ、止むを得ないとして、会談時間が予定の倍以上となったことは、
その止むを得なさを払拭する「儀礼」に相当すると思えた。

これは、中国側の日本重視の気持ちを表現したものと受け取れる。
よきことだった。

                    ※※

次に、一番問題となっている靖国問題について。

過去における、胡主席の靖国問題への言及の仕方は、
「歴史認識」などの表現を用いて、もっと間接的だったように記憶している。
しかし今回は、どうも胡主席は「靖国」とはっきり言ったようだ。

だが、胡主席の立場からすれば、江沢民氏から先に、
軍事委員会主席のポストを引き継ぎ、全権掌握した今、
「弱腰」は見せられないタイミングなのだろう。

さらに折り悪く、中国海軍による意味不明、不可解な、潜水艦による
日本領海侵犯事件が起き、世界中に恥をさらしてしまっている。
ちなみに、この問題について、コイズミ首相は再発防止を求めたが、
はっきりと応じなかったようだ。――それはそうだろう、カッコ悪いもの。

                    ※※

胡主席の発言は、一見、靖国問題で日本側を強く批判しているようにも受け取れるが、
しかし、会談要旨を読んでみるとそうでもない。とくに、胡主席が
「来年は反ファシスト勝利60周年の敏感な年だ」と述べている部分は注意して良いと思う。

「中日戦争勝利」などとは、当然といえば当然だけれど言ってきていない。
きちんとその言葉を避けて、「反ファシスト勝利60周年」――としている。
つまり、かなり問題を「反ファシスト」と絞ったうえで、配慮したうえで対応を求めてきた。

噛み砕いて解釈すれば、「戦争は一部の戦争指導者の誤りによって
引き起こされたものと認識するし、多くの日本人が
ファシストと一致しているのではないと考えたい」と言っているようにも聞こえる。

胡主席は、中国が戦争について、当時の政治、軍部の指導者に
問題があったと――との認識を示したとも受け取れる。

この「反ファシスト勝利」の言葉に、靖国問題の出口を探る姿勢がうかがえる。
ちょっとこれは、やはり日本側としても考えなければならないのではないか――と思えた。

なお、いまここでは、A級戦犯、さらには戦争犯罪人を裁いた東京裁判の
正当、不当は別の問題としたい。また、ここでは歴史認識についても
問題を分けて考えたいと思う。

                    ※※

コイズミ首相は、胡主席のこの発言に対して「誠意をもって受け止めたい」と応じつつも、
「心ならずも亡くなった先人に哀悼の真心をささげ、不戦の誓いをするということで
参拝している」と述べた。これは、これまでも話してきた内容だった。

サンケイは「(胡主席は)『歴史は避けて通れない。適切に対処してほしい』と
中止を求めたが、首相は参拝継続の姿勢を変えなかった」と記事に書いているけれど、
むしろ、コイズミ首相の発言で重いのは「誠意をもって受け止めたい」の部分だ。

「誠意」の言葉でコイズミ首相は胡主席のメンツを立てたが、
同時に課題を背負った。――これは外交なので仕方ない。
中国側も、ここは注意して受け止めているに違いない。

                    ※※

エントリーが長くなると読みにくくなってしまうので、結論を急ぎたい。

これまでの記事を読むと、日中関係の改善には、
依然として靖国問題が障害になっていて、今回の会談は、
1年ぶりであったにもかかわらず、希望の見出せる結果ではなかったとの評価が
平均的であるように思われる。

しかし、繰り返しになるけれど、これは逆にも考えられるのだ。

                    ※※

そもそも、もともと、日中間にはさまざまな問題が横たわっており、
それゆえ軍事的、地政学的にも、警戒を緩めることが難しいのだ。
潜水艦事件は、それで発生した事件でもある。
ガス田開発、EEZの線引き、尖閣諸島領有の問題も同様である。

中国は日本の国連安保理の常任理事国入りについても
邪魔をしようとしているが、それは実は靖国問題が原因ではなく、
軍事的、地政学的に日本を障害と見ているからだろうし、
現在の常任理事国の軍事支配を譲りたくないとの考えが原因ではないかと思う。

また、経済的にも、中国は有望な市場である反面、
生産拠点としては最大の脅威となっている。

なのに……、なのにだ、非常におかしなことに、日中間のフクザツな問題が
まとめて「靖国問題」の一点に絞られてしまっているではないか。
これには含み笑いをしてしまいたいくらいだ。

コイズミさん、どうかうまくやってほしい。
日中双方で靖国問題をクリアできれば、フクザツなほかの問題で
日本は明らかに攻勢に出ることができるかもしれないし、
北朝鮮問題についても中国を抑制できるかもしれないし、
平和的かつ友好的にさまざまな面で、国益の増進を図れるかもしれない。

けっこう、今回の会談を、こうして逆から、ナナメから考えてみると、
なかなかおもしろく見えてきてしまったのだ。

                    ※※

いずれにしても、駆け引きはこれから、だ。
ミサイルや戦闘機、潜水艦で戦うよりも、知恵、知略で戦うほうが、
100倍、1000倍、無限倍に良いはずなのだ。


                    ※※
【追記/20:12】
夕刊を、いま開いた。見出しに「胡中国主席、靖国参拝を直接批判、
首脳会談、関係改善 糸口見えず」「経済分野へ影響懸念も」――とある。

胡政権は、これ以上の日中関係の悪化を望んでいるとは、とうてい思えない。
少なくとも江沢民政権に比べて、はるかに日中関係の改善、進展を模索している。

今回、胡主席はコイズミ首相の靖国参拝を批判したけれど、それはむしろ、
この問題では中国側の方が困りきっていて、
内容的には「懇願」に近い響きが潜んでいた。
「お願いですから、なんとかしていただけませんか」との。

中国国内のメディアでは、今回の日中の首脳会談が、まだ報じられていないらしい。
胡政権は日本に対して「弱腰外交」と、世論から非難されることを危惧し、
メディアをコントロールしているからだという。

情報を読み誤ってはならない。


※次のエントリー「コイズミさんは参拝を継続するのか、しないのか――???」に続きます。
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-------------------------------<参考>-------------------------------

【靖国問題のやりとり】

今回の会談における、靖国問題に関わるやりとりについて、
毎日、サンケイの会談要旨からそれぞれコピペしておきたい。

                    ◇
<毎日>
胡錦濤主席 日中関係の発展は新指導部も最重視している。日中は相互補完の関係にあり、
共通利益の拡大を目指すべきだ。ただ、いくつかの点については配慮する必要がある。
第一に、三つの政治文書の順守だ。歴史を鑑(かがみ)として未来に向かい、大局に立って
関係を発展させ、第二に地域国際問題での協力、第三に相互理解と信頼関係の促進、
第四に共通利益を踏まえた経済交流の促進。歴史を避けては通れない。靖国神社では
適切に対処してほしい。来年は反ファシスト勝利60周年の敏感な年だ。

首相 4点のほか、多くの点で共通認識を分かち合っている。歴史を大切にすることが重要だ。
靖国神社について(胡主席から)言われたことは、誠意をもって受け止める。心ならずも
亡くなった先人に哀悼の真心をささげ、不戦の誓いをするということで参拝している。
・元ソース→http://qrl.jp/?134736


<サンケイ>
主席 日中両国は歴史を鑑(かがみ)にして未来に向かうべきだ。歴史を避けては通れない。
日中間の政治的な障害は日本の指導者が靖国神社を参拝していることだ。
適切に対処してほしい。来年は反ファシスト闘争60年の敏感な年だ。

首相 誠意を持って受け止める。心ならずも戦場に赴いた人々に哀悼の誠をささげ、
不戦の誓いのため参拝している。歴史を大切にすることは必要だ。
・元ソース→http://www.sankei.co.jp/news/041122/sei054.htm


※予定していたライス氏の論文についてのエントリーは、次回以降に持ち越しになります。
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by yodaway2 | 2004-11-22 19:31 | 中国と、どう付き合う